サクセッションプランとは?作り方や導入するメリット、成功事例を解説

サクセッションプランとは?作り方や導入するメリット、成功事例を解説

「サクセッションプランって、具体的にはどんな取り組み?」
「後継者を計画的に育成する方法を知りたい」

このような悩みを抱える方もいるでしょう。

サクセッションプランとは、将来の経営を担う後継者を計画的に育てる取り組みです。

経営者の高齢化や後継者不足に加え、コーポレートガバナンス・コードで後継者計画の策定が求められるようになり、計画的な後継者育成の重要性は年々高まっています。

無計画に後継者を育成すると、必要な経験やスキルを十分に身につけられないまま事業承継を迎え、経営の停滞や組織の混乱につながるおそれがあります。そのため、中長期的な視点で育成計画を立てることが重要です。

本記事では、サクセッションプランの定義や必要とされる背景、導入するメリットを解説します。作り方の手順や企業の成功事例も紹介するので、参考にしてみてください。

この記事でわかる内容
サクセッションプランとは何か(似た言葉との違い)
必要とされる3つの背景
実施する3つのメリット
作り方【6ステップ】
導入した企業の成功事例

後継者に求められるのは、目の前の業務をこなす力だけではありません。将来の経営を担う立場として、自社や業界を取り巻く環境を読み解き、経営全体を見渡す高い視座も必要です。

そうした経営視点を養う手段として、「日経電子版 法人契約」を活用する選択肢もあります。

日経電子版では、国内外の経済動向や企業の動き、金融市場など、経営に関する記事を毎日閲覧できます。日々の記事を読みながら「市場の変化は自社にどのような影響を与えるか」「競合他社はどのように対応すると考えられるか」と考える習慣を身につけることで、経営全体を見渡す視点や、経営判断に必要な情報収集力・洞察力を養えます。

日経電子版を活用した人材育成の具体例や導入企業の事例については、以下の資料で詳しく紹介しています。1分ほどでダウンロードできますので、ぜひご覧ください。

1. サクセッションプランとは?後継者を計画的に育成する取り組み

サクセッションプランとは、CEOや事業責任者などの重要ポジションについて、後継者を計画的に育成・選抜する取り組みです。日本語では「後継者育成計画」と訳されます。

後継者の育成は、十分な育成期間を確保したうえで、計画的に進めることが重要です。

経営者の退任が迫ってから場当たり的に後継者を選ぶと、候補者の育成が間に合わないほか、経営者としての適性を十分に見極められない可能性があります。その結果、事業承継後の経営判断や組織運営に支障が生じるリスクを招きかねません。

こうしたリスクを防ぐために実施されるのが、サクセッションプランです。

候補者を早い段階で選定し、経営に必要な知識の習得や重要な業務への配置を進めることで、能力を段階的に高めながら、円滑な事業承継につなげられます。

「タレントマネジメント」「人材育成」「後任登用」との違い

サクセッションプランは、「タレントマネジメント」「人材育成」「後任登用」と混同されがちですが、目的と対象範囲が異なります。

それぞれの特徴と違いを以下の表にまとめました。

用語 目的・対象
サクセッションプラン ・経営幹部や事業責任者など、重要ポジションの後継者を育成する
・将来の候補者を早期に選定し、必要な経験や能力を計画的に身につけさせる
タレントマネジメント ・従業員の能力や経験、適性などの情報を一元的に把握する
・人材配置や評価、育成などに活用する
人材育成 ・研修や実務経験を通じて、従業員の知識やスキルを高める
・若手社員から管理職まで幅広い従業員を対象とする
後任登用 ・退職や異動などで空いたポジションの後任者を選ぶ
・社内外の候補者から、現時点で適任と判断される人材を配置する

大きな違いは、対象と時間軸にあります。

人材育成やタレントマネジメントが全社員を広く対象にするのに対し、サクセッションプランは経営幹部や事業責任者など、特定の重要ポジションに対象を絞って育成する点が特徴です。

また、後任登用は欠員の発生や退任の決定を受けて後任者を選ぶ取り組みであるのに対し、サクセッションプランは将来の交代を見据え、欠員が生じる前から候補者の選定・育成を進めます。

2. サクセッションプランが必要とされる3つの背景

サクセッションプランがなぜ今求められているのか、3つの背景から整理します。

サクセッションプランが必要とされる3つの背景
事業承継を担う後継者が不足している
コーポレートガバナンス・コードで後継者計画が求められている
国際的なガイドラインで人材戦略の開示が求められている

順番に見ていきましょう。

事業承継を担う後継者が不足しているため

経営者の高齢化が進むなか、多くの企業で課題となっているのが後継者不足です。

日本経済新聞が紹介した帝国データバンクの2025年調査によると、全国全業種の後継者不在率は50.1%となっており、過半数の企業で後継者が定まっていない状況です。後継者不在率は年々低下しているものの、依然として事業承継に向けた体制整備は十分とは言えません。

後継者が不在のまま経営者が退任すれば、事業の継続や取引先との関係、企業価値の維持に大きな影響が及びます。こうしたリスクに備えるため、早い段階から計画的に後継者を育てる必要性が高まっています。

コーポレートガバナンス・コードで後継者計画が求められるため

コーポレートガバナンス・コードとは、東京証券取引所が策定した、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的とする企業統治の基本原則です。

株主だけでなく、従業員や顧客、地域社会などさまざまなステークホルダーを意識しながら、透明性・公正性の高い経営を実現するための指針として位置付けられています。

同コードの「第4章 取締役会等の責務」において、取締役会がCEOの後継者計画の策定・運用に主体的に関与し、計画的な育成を監督すべきと示されています。

また、経済産業省のCGSガイドラインでは、社外取締役の役割として、現社長・CEOの再任や解任だけでなく、将来の社長・CEOの交代と後継者指名に向けた後継者計画を監督することが期待されています。加えて、取締役会が監督機能を継続的に発揮できる体制を整えるボードサクセッション(取締役会の継続的な後継者計画)についても、併せて検討することが望ましいとされています。

このように、後継者計画は経営トップの交代に備えるだけでなく、経営体制の継続性や企業価値の向上を支えるガバナンスの重要な要素となっています。

国際的なガイドラインで人材戦略の開示が求められるため

近年は、人材を「資本」と捉えて投資する人的資本経営への注目が高まっており、人材戦略に関する情報開示の重要性も増しています。

その代表例が、人的資本の情報開示に関する国際ガイドラインである「ISO 30414」です。

ISO 30414では11の領域について情報開示の指標が示されており、その中には、後継者計画(サクセッションプラン)に関する項目も含まれています。

サクセッションプランは、将来の経営人材を計画的に育成する取り組みであると同時に、投資家やステークホルダーに対して経営の持続性や人材戦略を示す重要な情報として位置付けられています。

3. サクセッションプランを実施する3つのメリット

サクセッションプランは、後継者不足への備えにとどまりません。適切に運用すれば、経営リスクの低減や人材の定着、企業文化の継承など、組織全体の成長につながります。

ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。

サクセッションプランを実施する3つのメリット
経営の空白リスクを最小化できる
優秀な人材の定着率を高められる
経営理念や企業文化を継承しやすい

順番に見ていきましょう。

経営の空白リスクを最小化できる

後継者候補をあらかじめ育てておけば、経営トップや管理職が突然退任するような事態にも落ち着いて対応できます。

例えば、トップが体調不良で急に退任する場合、準備された後継者がいれば、重要ポジションの引き継ぎが円滑に進み、事業運営への影響を最小限にとどめられます。

もし、同じ状況で後継者育成が何も進められていない場合、後任者が決まるまで重要な意思決定が遅れ、企業経営に大きな支障をきたすリスクを招きかねません。さらに、社内外の信頼低下や経営体制の混乱につながる可能性もあります。

サクセッションプランを導入しておくことで、不測の事態が発生しても経営の空白期間を短縮し、安定した経営体制を維持しやすくなります。

優秀な人材の定着率を高められる

サクセッションプランの実施は、優秀な人材の定着率向上にもつながります。

後継者候補として選ばれると、会社から期待されていると実感できるため、「期待に応えたい」「さらに成長したい」といった前向きな意欲が生まれます。その結果、会社への帰属意識も高まり、定着率の向上が期待できます。

こうした会社への愛着や貢献意欲の高まりは「従業員エンゲージメント」とも呼ばれ、生産性の向上や離職率の低下にもつながる重要な要素です。従業員エンゲージメントについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:従業員エンゲージメントとは?高める施策や測定方法、成功事例を解説

経営理念や企業文化を継承しやすい

社員を後継者として育てれば、経営理念や企業文化を継承しやすいです。

現経営陣とともに働くなかで、企業理念や意思決定の考え方が日常業務を通じて自然に浸透しているためです。

外部から経営者を招く場合は、企業文化や経営方針を一から理解してもらわなくてはなりません。

社内で後継者を育成すれば、経営者が交代しても組織の一体感が保たれ、事業の方向性を大きく変えずに継続しやすくなります。

4. サクセッションプランの作り方【6ステップ】

サクセッションプランは、思いつきで進めても機能しません。順を追って設計することで実効性が高まります。

ここでは、作り方を6つのステップに分けて紹介します。

サクセッションプランの作り方【6ステップ】
ステップ1. 事業方針や中長期経営戦略を整理する
ステップ2. 後継者が必要なポジションを明確にする
ステップ3. 後継者に求める要件を定義する
ステップ4. 後継者候補を選定する
ステップ5. 育成計画を策定・実行する
ステップ6. 定期的に評価・見直す

順番に見ていきましょう。

ステップ1. 事業方針や中長期経営戦略を整理する

最初に取り組むのは、将来の事業計画や経営戦略の整理です。どのような経営人材が必要になるかは、企業がどこを目指すかによって変わります。

例えば、「5年後までに売上高を現在の50億円から80億円へ伸ばしたい」という方針であれば、新規顧客の開拓や新商品開発、組織拡大をけん引できる経営人材が求められます。

また、「5年後までに海外売上比率を10%から30%へ引き上げたい」という方針なら、海外市場の調査や現地企業との交渉、海外拠点の立ち上げなどを主導できる人材が必要です。

このように、事業方針や中長期経営戦略を明確にすることで、後継者に求める役割や能力も具体化しやすくなります。

ステップ2. 後継者が必要なポジションを明確にする

次に、後継者育成が必要な重要ポジションを洗い出します。

後継者というとCEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)をイメージしがちですが、それだけではありません。事業の継続や経営に影響を与えるポジションは、すべてサクセッションプランの対象になります。

代表的なポジションの例は以下のとおりです。

  • CEO(最高経営責任者)
  • COO(最高執行責任者)
  • CFO(最高財務責任者)
  • 本部長・部門長
  • 事業責任者

重要なのは、肩書きだけで判断しないことです。

「その人がいなくなると事業運営に大きな影響が出るか」という視点で優先順位を付ければ、育成すべきポジションを明確にできます。

ステップ3. 後継者に求める要件を定義する

対象ポジションが決まったら、そこに求める人材要件を定義します。人材要件とは、経営戦略を実現するために必要な人物像を、スキル・経験・態度や意欲などの観点から具体的に言語化したものです。

以下は、既存事業の成長を重視する企業における人材要件の例です。

項目 人材要件の例
スキル・能力 ・経営数値を分析し、改善策を立案できる
・部門横断で意思決定を進められる
・組織マネジメントができる
経験 ・事業部や部門の責任者を務めた経験
・全社横断プロジェクトを推進した経験
・重要顧客との交渉・契約を担当した経験
態度・意欲 ・中長期的な視点で物事を考えられる
・変化を前向きに受け入れ、自ら学び続ける姿勢がある
・周囲を巻き込みながら行動できる
期待する行動・役割 ・既存事業の収益拡大を主導する
・次世代の管理職を育成する
・経営陣と現場をつなぐ役割を担う

人材要件を明確にしておくことで、候補者の選定基準や育成方針に一貫性を持たせやすくなります。

ステップ4. 後継者候補を選定する

定義した人材要件をもとに、後継者候補を選定します。

候補者は、1人に絞らず複数人選定するのが望ましいです。

候補者を複数人選定しておくことで、それぞれの能力や適性、成長度合いを比較しながら、最適な人材を後継者として選べます。

また、候補者が退職や異動、健康上の理由などで後継者になれなくなった場合でも、計画を大きく見直すことなく後継者育成を継続できます。

ステップ5. 育成計画を策定・実行する

候補者ごとに、必要なスキルや経験を整理し、育成計画を作成します。

座学だけでは経営力は身につきません。実際に経営に近い業務を経験し、実践を通じて学ぶことが大切です。

例えば、複数部門への配置転換や、部門横断プロジェクトのリーダーを経験させれば、会社全体を見渡す視点を養えます。また、候補者を経営会議に参加させることで、経営判断のプロセスを実践的に学べます。

計画的に後継者育成を実行するには、人材育成ロードマップの作成が有効です。育成の目標や実施内容、スケジュールを体系的に整理できるため、計画的かつ継続的に育成を進めやすくなります。

人材育成ロードマップの作り方や運用のコツを知りたい方は、以下の記事をあわせてご覧ください。

関連記事:人材育成ロードマップとは?作成手順や運用時の注意点を徹底解説

なお、近年は、AIを含むデジタル技術を活用した人材育成や、大学と企業が連携するプログラムなど、新たな育成手法への注目が高まっています。

こうした時代のトレンドを踏まえた人材育成を取り入れることで、環境変化に柔軟に対応できる組織づくりや、企業の競争力向上につなげやすくなります。

以下の記事では、人材育成の最新トレンドをまとめています。企業の導入事例も紹介しているので、今後の人材育成を検討する際の参考にしてみてください。

関連記事:人材育成の最新トレンド7選!導入事例や取り組むうえで大切なことを解説

ステップ6. 定期的に評価・見直す

サクセッションプランは、一度作れば終わりではありません。後継者候補の成長状況や育成計画の進捗を、定期的に確認します。

事業環境や経営戦略が変われば、求める後継者像も変わります。状況に応じて候補者や育成方針を見直すことが必要です。

こうした継続的な改善を重ねることで、実効性の高いサクセッションプランを保てます。

5. サクセッションプランを成功させるポイント

ここでは、サクセッションプランを成功に導くためのポイントを3つ紹介します。

サクセッションプランを成功させるポイント
経営トップや現場責任者を巻き込んで進める
候補者に経営視点を養う経験を計画的に積ませる
客観的な基準で公正に選抜する

実効性を高めるためにも、ポイントを押さえて、計画・運用しましょう。

経営トップや現場責任者を巻き込んで進める

サクセッションプランは、育成担当者だけでなく、経営トップや現場責任者を巻き込んで進めるのが望ましいです。

経営トップは将来の経営に必要な資質を判断できる一方、現場責任者は候補者の日頃の働きぶりや成長を把握しているため、それぞれの視点を生かした育成・評価ができるためです。

育成担当者だけで候補者を評価・育成すると、評価が一面的になったり、現場の実態とのずれが生じたりする可能性があります。

そのため、経営トップ・現場責任者・実行者が連携しながら進める体制を整えることが重要です。

候補者に経営視点を養う経験を計画的に積ませる

後継者候補には、担当業務をこなす力だけでなく、経営全体を見渡す視点が求められます。

経営視点を養うための主な取り組み例は、以下のとおりです。

  • 経営者に同行し、意思決定のプロセスや判断基準を学ぶ
  • 経営会議や役員会にオブザーバーとして参加する
  • 部門横断プロジェクトのリーダーを経験する
  • 経営に関する書籍を読む
  • 業界動向や経済に関する記事を読む

実践的な経験を積み重ねるほど、将来の経営人材として成長しやすくなります。

経営視点を養う方法として、「日経電子版 法人契約」を活用するのも選択肢の一つです。

日経電子版を導入すれば、企業の経営戦略や業界動向、経済ニュースなど、経営に直結する質の高い記事をいつでも自由に読めます。継続的に質の高い情報をインプットすることで、後継者候補として担当業務だけでなく、経営全体を見渡す視野と視座を醸成することが可能です。

日経電子版を活用した人材育成の具体的な方法は、以下の資料で詳しく紹介しています。企業の導入事例も掲載しているので、ぜひご覧ください。

客観的な基準で公正に選抜する

候補者の選抜は、あらかじめ定義した人材要件にもとづいて客観的に行います。

好き嫌いや年功序列といった主観的・慣習的な判断で選んでしまうと、候補者や周囲の社員から納得感を得るのが難しいです。納得を得ないまま後継者を選抜すると、社員のモチベーション低下や組織への不信感、優秀な人材の離職リスクを招きかねません。

客観性や公平性をさらに高めたい場合は、指名委員会(後継者候補の選定や育成方針を審議する組織)や、第三者によるアセスメント(適性評価)を活用する選択肢もあります。

選抜プロセスの透明性と公平性を担保することで、社員の納得感を得やすくなり、サクセッションプランを円滑に進められます。

6. サクセッションプランを導入した企業の事例3選

実際にサクセッションプランに取り組む企業の事例を見ていきましょう。日経電子版に掲載された3社の事例を紹介します。

サクセッションプランを導入した企業の事例3選
味の素|後継者計画により社長交代を1ヵ月半で実現
ノジマ|社長主導の人材育成で後継者候補を選定
ソルトワークス|社内承継で企業文化を保持

他社の取り組みを知ることで、自社で導入する際の進め方や成功のポイントを具体的にイメージしやすくなります。

以下の記事では、人材育成の成功事例を紹介しています。後継者育成だけでなく、若手社員や管理職など幅広い人材育成の事例を知りたい方は、参考にしてみてください。

関連記事:【厳選】人材育成の成功事例10選|成果を出す企業の共通点や進め方も解説

味の素|後継者計画により社長交代を1ヵ月半で実現

味の素では、あらかじめ策定・運用していたサクセッションプラン(後継者計画)を活用し、経営トップの急な交代にも迅速に対応しました。

2024年12月、藤江太郎社長(当時)の体調不良が判明すると、指名委員会は事前に整備していた後継者計画に基づき、複数の社長候補者と面談を実施。その結果、体調悪化から約1ヵ月半という短期間で中村茂雄氏を新社長に選任し、経営の空白期間を最小限に抑えています。

参考:「次の社長」みすえ後継者計画

ノジマ|社長主導の人材育成で後継者候補を選定

ノジマでは、社長自らが後継者候補の育成に深く関与しています。

2025年の株主総会で野島広司社長は、2024年7月から約2週間に1回のペースで、自ら講師となって後継者候補を育成する「人材育成プラン」を開始したと説明しました。

参加者は経営課題に取り組みながら評価を受け、順位付けが行われます。評価が低い候補者は新たな候補者と入れ替える仕組みを採用しており、継続的に候補者を選抜・育成しています。

参考:ノジマ社長「後継者人選へ人材育成プラン」 株主総会で

ソルトワークス|社内承継で企業文化を保持

中小企業では、後継者不足や資金面の課題から、親族承継やM&Aだけでは事業承継が難しいケースも少なくありません。

そうしたなか、社内の人材を計画的に育成し、企業理念や文化を引き継ぐ「社内承継型の後継者育成」を選択したのがソルトワークスです。

同社では、創業者の鶴尾康社長が還暦を前に事業承継を決意しました。当初は企業売却も検討しましたが、「買収側の論理が優先され、社員主体で育まれてきた企業文化が失われるのではないか」という懸念から方針を転換。オーナーズ傘下の社内承継支援機構を活用し、株式を一時的に保有してもらいながら、次世代の経営陣を育成する仕組みを採用しました。

承継期間中は、リスク管理やマーケティング、財務などの経営支援を受けながら、社内人材を後継者候補として育成します。将来的には、育成した経営陣がMBO(経営陣による買収)によって株式を取得し、自社の経営を引き継ぐことも想定されています。

参考:事業承継、売却でも子供でもない「第3の選択」 株式譲渡し後継育成

7. まとめ

後継者育成は、経営者が交代するときではなく、余裕のあるうちから始めることが重要です。

後継者を早期から育成することで、不測の事態にも対応できる強い組織づくりにつながります。

本記事で紹介した作成手順を参考に、自社の将来像を見据えたサクセッションプランを構築し、次世代の経営人材を育てていきましょう。

後継者育成は、経営スキルだけでなく、経営視点を高めるための継続的な情報収集や学びも欠かせません。「日経電子版 法人契約」を活用すれば、経済・業界動向や企業の経営戦略など、経営判断に役立つ情報を効率よくインプットできます。

その結果、経営判断に必要な視野や洞察力を備えた、経営視点の高い人材の育成が期待できます。

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