マレーシア「選挙なき政権交代」の出口巡る権力ゲーム Asia Analysis アジアBiz コラム 東南アジア 6月21日 東南アジアはこれから、国政選挙が相次ぐ「政治の季節」に突入する。5月9日のフィリピン大統領選を皮切りに、遅くとも2023年までにはタイとマレーシア、カンボジアが下院選を行う。クーデター体制下のミャンマーも国軍が来年8月の再選挙を主張し、24年2月にはインドネシア大統領選が続く。 民主化の後退が散見されるこの地域だが、民意の風向きを知るには、「前哨戦」に位置づけられる地方選の結果が参考になる。 マレーシア「選挙なき政権交代」の出口巡る権力ゲーム
インドが映す経済のブロック化 J・クラブツリー氏 Asiaを読む 編集委員 6月11日 インドのモディ首相は遅まきながら自由貿易を受け入れたかのようだ。モディ氏は5月に東京でバイデン米大統領と会い、大統領が掲げるインド太平洋経済枠組み(IPEF)を支持した。これに先立ちインドは他国とも一連の貿易協定を締結している。 モディ氏の通商政策の転換は2つの変化を反映している。まずインドは中国による地域支配をかつてなく懸念している。第二にその結果として、地政学的に親和性のある米国などとは、進 インドが映す経済のブロック化 J・クラブツリー氏
バンコク都知事にタクシン派 タイ次期総選挙に不穏な影 Asia Analysis アジアBiz コラム 東南アジア 6月7日 偶然にしても因縁めいた日程だった。タイで2014年、タクシン元首相派のインラック政権がクーデターで追放されてちょうど8年となる5月22日。9年ぶりに行われたバンコク知事選を、同政権の運輸相だったチャチャート・シティパン氏(56)が制した。 人口6800万人の1割弱、首都圏に広げれば4分の1が集中し、タイの77都県で唯一の民選首長であるバンコク都知事の座の行方は、来年5月までに実施される次期総選挙 バンコク都知事にタクシン派 タイ次期総選挙に不穏な影
バイデン外交「ASEAN重視」の本気度試す秋の陣 米中衝突 Asia Analysis アジアBiz Think! コラム 東南アジア 5月24日 ソウルから東京へ転戦し、きょうの「Quad(クアッド)」首脳会議に参加する。バイデン米大統領初のアジア歴訪は、短い旅程に日韓やインド、オーストラリアとの首脳会議をぎゅっと詰め込んだ。中国やロシアの覇権主義に対抗し、米国主導でアジア秩序の再構築を試みる対面外交が本格化しているが、そのプロローグが、直前の12~13日に開いた東南アジア諸国連合(ASEAN)との特別首脳会議だった。 オバマ政権以来、6 バイデン外交「ASEAN重視」の本気度試す秋の陣
フィリピン「マルコス2.0」 名誉挽回のカギは持続成長 高橋 徹(記者紹介) 東南アジア Nikkei Views 5月12日 9日に投開票されたフィリピン大統領選でフェルディナンド・マルコス元上院議員(64)が当選を確実とした。同名の父はかつて21年間にわたって独裁体制を敷き、1986年の民衆蜂起「ピープルパワー革命」で権力の座を追われた。36年の時を隔てて復活する「マルコス2.0」の統治に、国民は何を託すのか。 アジアで2世の国家指導者は珍しくない。家父長制がなお色濃く残る地域で、名門一族による政治のファミリービジネ フィリピン「マルコス2.0」 名誉挽回のカギは持続成長
スリランカ経済危機 「債務のワナ」以前の手痛い失政 Asia Analysis アジアBiz Think! コラム 南西ア・オセアニア 5月10日 1948年の独立以降、最悪とされる危機である。人口2200万人の南アジアの島国・スリランカの経済が破綻の淵にひんしている。 3月に前年同月比18.7%を記録した最大都市コロンボの消費者物価指数は、4月には29.8%へ跳ね上がった。一方、2019年末に76億ドル(約1兆円)あった外貨準備は足元で18億ドルまで目減りし、輸入に頼る燃料や医薬品の欠乏が深刻になっている。 「国際通貨基金(IMF)にもっ スリランカ経済危機 「債務のワナ」以前の手痛い失政
中国、ソロモンへ周到に進出 リチャード・マクレガー氏 Asiaを読む 編集委員 5月7日 中国は3月末、南太平洋の島国ソロモン諸島との安全保障協定に基本合意した。中国は太平洋における軍事拠点の構築に関心がないと発言してきたが、本心ではないことがはっきりした。 2018年、中国が南太平洋のバヌアツに軍事施設の建設を検討しているとメディアが報じると、中国外務省の報道官は「まったくの作り話」と否定した。しかし中国とソロモン諸島との協定が真実なのは否定できない。 21年末にソロモン諸島で起き 中国、ソロモンへ周到に進出 リチャード・マクレガー氏
フィリピン、大統領選後に迫られるメガFTAの踏み絵 日経ヴェリタスセレクト 日経ヴェリタス コラム 東南アジア 4月30日 6年に1度のフィリピン大統領選が5月9日に迫った。世論調査ではかつての独裁者の長男、フェルディナンド・マルコス元上院議員(64)が独走のまま投票日を迎える展開となりそうだ。次期政権への世界の視線は、南シナ海問題を巡る米中対立下での立ち振る舞いに集まりがちだが、新型コロナウイルス禍前にアジア有数の高成長を謳歌した経済の行方にも注目したい。 選挙後の5月下旬の国会が試金石になる。メガFTA(自由貿易 フィリピン、大統領選後に迫られるメガFTAの踏み絵
アジア開発銀行が年次総会 コロナ後復興にインフレの影 中国・台湾 東南アジア 南西ア・オセアニア Nikkei Views 編集委員 4月29日 アジア開発銀行(ADB)が今年の総会を2回に分けて開催する。5月5日に最高意思決定機関の総務会をオンラインで開き、関連する会合は9月5~8日に対面形式で行う予定だ。68の加盟国・地域の閣僚や中央銀行総裁らが一堂に会すれば3年ぶり。新型コロナウイルス禍から正常化へ向かう世界を象徴するが、アジア経済の復興に急激なインフレが影を落とす。 対面とオンライン、初の2段階開催なるか ADBはコロナ禍が始まっ アジア開発銀行が年次総会 コロナ後復興にインフレの影
ウクライナ危機「対内投資影響せず」 シンガポール高官 アジアBiz ウクライナ侵攻 東南アジア 4月28日 シンガポールの外資誘致戦略を担う経済開発庁(EDB)のベー・スワンジン長官が都内で日本経済新聞の取材に応じた。ロシアのウクライナ侵攻が東南アジア経済へ与える影響について「欧州と違ってロシアにエネルギーを直接依存してはいないものの、インフレ圧力と世界の需要減退を介し、間接的な影響は大きい」と懸念を示した。 ただシンガポールへの直接投資に関しては「半導体、医薬品など世界的に供給が不足する産業がけん引 ウクライナ危機「対内投資影響せず」 シンガポール高官