生誕100年、朝倉摂展 知られざる日本画家時代に光 カバーストーリー 5月14日 舞台美術家として広く知られる朝倉摂(1922~2014年)。没後に残された初期の日本画などの調査・研究が近年進み、多ジャンルにわたった活動の全容がわかってきた。初の本格的な回顧展から浮かび上がるのは、戦後社会との接点を探り続けた芸術家の姿だ。 「過去を振り返るのは大嫌い!」。娘の富沢亜古さんによれば、それが朝倉の口ぐせだった。 彫刻家・朝倉文夫の長女としていまの東京都台東区谷中に生まれ、17歳か 生誕100年、朝倉摂展 知られざる日本画家時代に光
メトロポリタン美術館の舞台裏 元広報が明かす経営哲学 Think! LIFE カバーストーリー 4月25日更新 世界屈指のコレクションがそろうニューヨーク・メトロポリタン美術館は、入場料収入や国・自治体の補助金に頼らず、運営費の大半を寄付や基金でまかなう真の意味での「公共(パブリック)美術館」です。どんな経営哲学を持ってアートとビジネスを両立させているのでしょうか。どのようにして世界の美術ファンをうならせるヒット企画を生み出しているのでしょうか。同美術館で29年にわたって広報担当を務めてきた高渕直美さんが、その舞台裏を窪田直子編集委員に明かします。 メトロポリタン美術館の舞台裏 元広報が明かす経営哲学
「ダミアン・ハースト 桜」展 大画面満開の花々に没入 文化往来 4月18日 英国の現代アーティスト、ダミアン・ハーストが桜を描いた大型絵画を展示する「ダミアン・ハースト 桜」展が、東京・六本木の国立新美術館で5月23日まで開催中だ。「桜の季節に日本で展覧会をやるのは私の夢だった」とハースト。会期に合わせての来日も希望していたが、コロナ禍でかなわなかった。ロンドンのスタジオのアーティストに桜シリーズについてオンラインで話を聞いた。 桜は日本の画家にとっても身近なモチーフだ 「ダミアン・ハースト 桜」展 大画面満開の花々に没入
美人画家は庶民の暮らしも繊細に描いた 鏑木清方展 アートレビュー 4月2日 日本画家の鏑木(かぶらき)清方(1878~1972年)の没後50年の記念展が東京・竹橋の東京国立近代美術館で、5月8日まで開催されている。記念切手にもなった「築地明石町」などで希代の美人画家として知られるが、本展では近代東京の庶民の生活をきめ細やかに描いた側面に光をあてている。 明治生まれの清方は10代のころから新聞などの挿絵を描きはじめ、やがて「西の松園、東の清方」と京都の日本画家、上村松園と 美人画家は庶民の暮らしも繊細に描いた 鏑木清方展
Chim↑Pom初の回顧展 行動と対話で社会との接点さぐる アートレビュー 3月12日 現代美術集団「Chim↑Pom(チン↑ポム)」の初めての回顧展となる「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」が東京・六本木の森美術館で、5月29日まで開かれている。鋭い批評精神と大胆な行動力で現代の社会問題に切り込み、他者とともに作り上げた17年のキャリアを振り返る。 Chim↑Pomは2005年、卯城(うしろ)竜太、林靖高、エリイ、岡田将孝、稲岡求、水野俊紀の6人が結成。本展ポスターで「日本 Chim↑Pom初の回顧展 行動と対話で社会との接点さぐる
美術の「正史」に埋もれた女性作家の再考進む アートレビュー 2月26日 戦後の福岡で、いま隆盛するフェミニズム・アートや、黒人差別に抗議するブラック・ライブズ・マター(BLM)運動に通じる認識をもって活動をスタートした芸術家がいる。その活動を展観する展覧会「田部光子展『希望を捨てるわけにはいかない』」(3月21日まで)が福岡市美術館で開催されている。 1933年生まれの田部は、50~60年代の前衛美術グループ「九州派」の主要メンバーの一人である。女性を妊娠・出産から 美術の「正史」に埋もれた女性作家の再考進む
メトロポリタン美術館展、会場からスピード解説 Think! LIFE カバーストーリー 2月8日更新 日本経済新聞の編集委員・専門記者が、識者や企画者との対話を通じ、注目の展覧会の作品世界を逍遥する「バーチャルミュージアムツアー」。初回に取り上げるのは東京・六本木の国立新美術館で2月9日に始まるメトロポリタン美術館展です。西洋絵画に焦点を当て、ラファエロからジョルジュ・ド・ラ・トゥール、ゴッホ、ドガまで、日本初公開46点を含む65点が一挙に展示されます。開幕前夜の8日、窪田直子編集委員が、国立新美術館の宮島綾子主任研究員と館内を巡り、見どころや名画に隠されたストーリーなどをいち早く生解説します。 メトロポリタン美術館展、会場からスピード解説
2021年の美術 国内作家の個展に力、ジェンダーにも脚光 カバーストーリー 12月14日 複数回にわたり一部地域で緊急事態宣言が出されるなど今年もコロナ禍に翻弄された美術界。ゴッホ展、メトロポリタン美術館展などが実現したが、海外から名品を借りる大型展の開催はまだ厳しい状況だ。勢い国内の芸術家らの個展やグループ展、所蔵品中心の展示が大きな比重を占めたが、質量ともに充実したものが少なくなかった。 年初の「100歳記念すごいぞ!野見山暁治のいま」展に画家の野見山暁治が出品した新作は、変わら 2021年の美術 国内作家の個展に力、ジェンダーにも脚光