国民審査は「おまけ」か? 違憲訴訟が問うた意義 事件・司法 Nikkei Views 6月1日 最高裁裁判官の国民審査について、海外に住む日本人が投票できないのは憲法違反とする判断を最高裁が示した。国際化の流れを考えても当然の結論といえる。一方でこの訴訟は1つの問いを投げ掛けたように思える。「国民審査ってなんなの?」 辞めさせたいと思う裁判官の氏名に「×」をつけ、有効投票の半分を超えた裁判官が罷免される。憲法79条を読み返すまでもなく、手続きはほとんどの人が知っている。実際に投票したことも 国民審査は「おまけ」か? 違憲訴訟が問うた意義
戦国を現代につなぐ 小和田哲男さん 人間発見 Think! 生活 5月22日 歴史、特に戦国史の愛好家でこの人の名前を知らない人はいないだろう。武将や城郭に関する著書を何冊も出版し、歴史番組の解説やNHK大河ドラマの時代考証も手掛ける。いわば「戦国の案内人」だ。 2年前にユーチューブで動画の配信(戦国・小和田チャンネル)を始めました。新型コロナウイルスの感染拡大で講演の仕事がバタッとなくなったのがきっかけ。冗談交じりに「話すことを忘れてしまうよ」と娘にこぼしたところ、勧めら 戦国を現代につなぐ 小和田哲男さん
高齢者の運転免許に新制度 「自主返納」頼みの道険し Think! 事件・司法 Nikkei Views 5月6日 ■違反歴次第で技能検査も 高齢者ドライバーの事故防止を目的とした新たな制度が5月13日に始まる。「運転技能検査」(実車試験)の導入と「安全運転サポート車(サポカー)限定免許」の創設だ。どれほどの効果が期待できるのだろうか。 運転技能検査は過去3年間に速度超過など11種類の違反をした75歳以上が対象。免許更新時に運転免許試験場や教習所の決まったコースを走ってもらい、チェックを受ける。一定期間内に何 高齢者の運転免許に新制度 「自主返納」頼みの道険し
若者の再犯防止、企業に委託 少年院出た後の学び支援 風紋 コラム 事件・司法 4月24日 昨年秋、少年院を出院した若者を対象にした、あるプロジェクトが産声をあげた。 目的は国語や数学などの勉強を教えて立ち直りを支え、再犯を防ぐこと。ユニークなのはその枠組みだ。複数の企業や法人が共同事業体をつくり、法務省と成果連動型の委託契約を結ぶという。どういうことか。 あらかじめ学習継続率や再犯率といった指標を設定し、達成度合いに応じ国が委託費を支払う。つまり少年らの成績があがって再び犯罪を起こさ 若者の再犯防止、企業に委託 少年院出た後の学び支援
故・水島新司さん(漫画家) バットをペンに持ちかえて 追想録 4月1日 「出刃とバット」という短編がある。代表作となる「ドカベン」や「あぶさん」の連載開始とほぼ同時期、1973年の作品だ。 新潟の鮮魚店に生まれた野球好きの少年。家庭の事情で高校進学を断念するが、白球への未練を捨てきれない。バットと出刃包丁を持ってふるさとを後にし、やがて料理人として成長していく――。 包丁をペンに代えればほぼ自身の半生記である。中学卒業後、家業の合間に描き上げた作品が新人賞を受賞し、 故・水島新司さん(漫画家) バットをペンに持ちかえて
自分なりの「地図」を描く 広瀬克哉さんの読書の流儀 カバーストーリー 2月5日 高校2年の時、人生の転機となる論文と出合う。戦後日本を代表する政治学者、丸山眞男だ。 通信添削の現代国語の問題で「人間と政治」が出題されました。全体主義に同調する人間の本性やそれが民主主義への脅威になっていることを論じ、人間が政治的に進歩していけないとしても「学問や宗教は政治に対して違約を責めることは出来ない、むしろ『取扱注意』の赤札をついに人間から不要にすることの出来なかったおのれの無力さをこ 自分なりの「地図」を描く 広瀬克哉さんの読書の流儀
消える「最古のサーキット」 近代遺産の保護に教訓 風紋 コラム 11月28日 川崎市の多摩川河川敷に、自動車産業黎明(れいめい)期の息吹を伝える遺構がある。正確には「あった」というべきか。11月に始まった堤防改修工事で取り壊しが進む。 「多摩川スピードウェイ」という。完成は1936年。日本初の常設サーキットとされる。戦前の数年間、自動車レースが開催され、若き本田宗一郎さんが事故に巻き込まれて大けがをした逸話が残る。コース自体はとうになくなったが、約350メートルにわたり堤 消える「最古のサーキット」 近代遺産の保護に教訓
活動広げ元気な老人会 地域の見守りやパラ競技も 生活 編集委員 7月8日 「老人クラブ」や「老人会」の名は誰でも耳にしたことがあるはずだ。近年は加入者が減り、衰退が叫ばれている。しかし全国どこにでもあり、シニアなら誰でも入れる間口の広さは捨てがたい。実際にどんな活動を行っているのだろう。 「『花壇のおじちゃん』なんて声をかけられるとうれしいですね」。横浜市の「東町九十九会」会長、日向邦夫さん(79)はコロナ禍が収束し、小学生との交流が再開する日を心待ちにしている。 活動広げ元気な老人会 地域の見守りやパラ競技も