日経グローカル

伊豆諸島の最南端に位置する東京都青ケ島村。二重カルデラの地形は米国の非政府組織（NGO）から「死ぬまでに見るべき世界の絶景13」のひとつに選ばれたこともあるが、村の人口は約170人と日本で最も少ない自治体である。1つの自治体として存続可能な人口規模は何人程度なのか。そんな問題意識のもと島を訪れた。（「日経グローカル」456号に詳報） 2022年12月、八丈島の空港からヘリコミューターで青ケ島に向

巨大災害で経験した反省と教訓を後世へ伝える災害伝承施設。日本経済新聞が全国の主な伝承施設27施設を調査したところ、「伝承のための次世代の人材育成」を求める施設が9割を超えた。東日本大震災から12年。記憶の風化が課題となる中、被災の教訓を次の世代にどのように伝え、今後起こる災害で被害を最小限に食い止めるのか、課題が浮かび上がる。（「日経グローカル」455号に詳報） 調査は全国の主な巨大災害を契機に

埼玉県が持続可能なまちづくりを目指した「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」を本格化している。少子高齢化や脱炭素社会の到来を見据えたまちの将来像を県内自治体に示してもらう。これまでに全63市町村の半数近い29市町の参加が決まった。（「日経グローカル」454号に掲載） 「超少子高齢社会に対応するものだ」。大野元裕知事は1月31日の記者会見で、プロジェクトの意義を強調した。8月に1期目の任期を迎える

国が法令で自治体に策定を求める行政計画が増え、「計画漬け」に陥っている現状の改善案がまとまった。似通った計画の統合が可能になるなど一定の成果はあったが、計画そのものの廃止は1件にとどまった。国と地方のあり方を巡る地方分権の一環として取り組まれたが、際だったのは「省庁の厚い壁」だったようだ。（「日経グローカル」454号に詳報） 2022年12月20日に官邸で開かれた政府の地方分権改革推進本部会議。

秋田県名物の「いぶりがっこ」に廃業ショックが走った。2021年夏に同県が行った調査で生産農家の35%が事業継続の意思がないと答えたのだ。これは同年6月に施行された改正食品衛生法で漬物などに食品衛生管理の国際基準「HACCP（ハサップ）」に適合した衛生管理が義務づけられたため。中小事業者などへの経過措置期間が過ぎる24年6月からは保健所の営業許可が必要となるため、全国に数多くある漬物業者らに波紋が

「1社だけの合同説明会」や「旅する支社」などこれまでユニークな運営をしてきたインターネット広告事業のカヤックが、自治体やNPOなどと組んでスマートフォンを使った地域づくり支援「まちのコイン」事業に力を入れている。（「日経グローカル」453号に詳報） 「ホテルの朝食バイキングで余った総菜を使った弁当を買うと100ポイント加算」「飲料缶をリサイクル回収箱に入れると3ポイント加算」――。2022年1月

日本経済新聞社が女性地方議員に「働きやすさ」について尋ねたところ、回答した約1000人の8割以上が所属議会に課題があるとみていることがわかった。子育てを支える環境整備、男性が主導しがちな議会運営を挙げる声が多い。100点満点での評価は平均63.9点で、女性が活躍しやすい環境づくりは道半ばだ。（「日経グローカル」453号に詳報） 100点満点換算で「働きやすい」は100点、「働きにくい」0点、「ど

著名なアルペンスキーヤー、皆川賢太郎氏がスキー場などスノーリゾートの再生に乗り出している。安比高原スキー場（岩手県八幡平市）の運営に携わるほか、2021年にはモーグルなど五輪出場経験者と冬季産業再生機構を設立し、雪資源の活用や保全につなげる活動も始めた。皆川氏に聞いた。（日経グローカル452号に掲載） みながわ・けんたろう　1977年生まれ、新潟県湯沢町出身。北照高（北海道小樽市）、日本体育大卒。

新型コロナウイルスの感染が広がって以降、首長が議会を経ずに予算案や条例案などを決める専決処分が増えている。「首長優位」といわれる地方政治特有の制度が専決処分だ。できるだけなくすべきだが、そうできない事情が地方議会側にある。（「日経グローカル」452号に詳報） 東京都小金井市が市立保育園を巡って揺れている。西岡真一郎・前市長が専決処分で一部の園の廃園を決めたことが混乱に拍車をかけている。 小金井市

富山県朝日町で住民参加型の地域づくりが進む。交通では住民が自家用車を使い高齢者を送迎する仕組みを設け、教育では子どもから高齢者まで互いに知らないことを教え合うプログラムを作った。伴走するのは博報堂で、連携部署も設けている。人口が2020年までの5年間で9%減少する中、両者の目標は朝日町を全国の過疎地活性化のモデルにすることだ。（「日経グローカル」452号に詳報） 朝日町はデジタル田園都市国家構想