ChatGPTを賢くする呪文 ChatGPT 科学&新技術 3月24日 米オープンAIのChatGPT(チャットGPT)は高性能な対話型AIとして世界中で注目を集めた。ChatGPTは大量のテキストを学習した「大規模言語モデル」というタイプのAIだ。このAIは自然な文章を作るのが得意だが、数学のように論理的な思考を組み合わせるのが苦手だ。ところが問題文の最後にある「呪文」を付け加えると、見違えるように問題の正答率が上がる。 その呪文はこうだ。 「Let's thin ChatGPTを賢くする呪文
ゲノム編集技術で難病を治療 米国で臨床試験続々 科学&新技術 2月24日 作物の品種改良や生命科学の実験に広く使われてきたゲノム編集技術が、医療の現場に入ってきた。DNAを構成する塩基配列の狙った場所をピンポイントで改変することで病気を治療する。これまで治療法のなかった難病の治療につながると期待されている。 米ボストンのヴァーヴ・セラピューティクスは2022年7月、家族性高コレステロール血症の患者に対するゲノム編集治療の臨床試験(治験)を開始したと発表した。患者の多く ゲノム編集技術で難病を治療 米国で臨床試験続々
「ナスカの地上絵」新発見、よみがえる古代アンデス世界 科学&新技術 1月24日 古代アンデス文明の遺跡の1つで、世界遺産になっている南米ペルーの「ナスカの地上絵」が新たに168点発見されたと、去る12月に発表された。動物などを描いた具象的な地上絵は約400点が確認されているが、今回分を含めてこのうちの約9割、358点を見つけ出したのが、ペルー政府の許可を得て地上絵の現地調査に取り組んでいる、世界で唯一の研究組織である山形大学のグループだ。 一般の人がイメージする地上絵は遊覧 「ナスカの地上絵」新発見、よみがえる古代アンデス世界
宇宙論揺るがす最古の銀河 ジェームズ・ウェッブ望遠鏡 コラム 科学&新技術 12月23日 去る7月、米マサチューセッツ工科大学の天文学者ローハン・ナイドゥは、稼働したばかりのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の初期観測の画像を調べ、ある天体に気づいた。それは今から約135億年前、宇宙年齢3億年の銀河で、これまで観測された銀河の中で最も古かった。予想以上に明るく、そこにある星の合計質量は太陽10億個分にもなっていた。天の川銀河の数百分の1に迫る質量だ。 その後さらに、ビッグバンからわずか5 宇宙論揺るがす最古の銀河 ジェームズ・ウェッブ望遠鏡
全ゲノム解読、200ドル台に 病気予測やがん治療に威力 科学&新技術 コラム 12月22日 人間の遺伝情報を記録するヒトゲノムを使った医療が本格的な普及期を迎えそうだ。ゲノム解析装置最大手の米イルミナが2023年に新型のシーケンサー(遺伝子解析装置)を投入、約30億からなるヒトゲノムを200ドル台で解読する。遺伝情報を活用した病気の予測や治療が身近になる。同社アジア太平洋日本地域シニア・セールスディレクターのロバート・マクブライド氏にヒトゲノム解読がもたらす可能性や普及に向けた課題を聞 全ゲノム解読、200ドル台に 病気予測やがん治療に威力
AIに論文書かせてみた AI 科学&新技術 11月24日 この夏、人工知能(AI)に関する1本の論文が、フランス国営のデータ共有サイトで公開された。論文のタイトルは「GPT-3は自身についての学術論文を書けるか」。GPT-3とは人工知能の研究所OpenAIが開発した文章生成用AIだ。著者はGPT-3自身。つまり、AIが自分自身について書いた論文である。 もちろんAIが自ら思い立って論文を執筆したわけではない。発案したのは共著者になっているスウェーデン・ AIに論文書かせてみた
オオサンショウウオの危機 外来種との交雑進む 科学&新技術 10月24日 「生きた化石」とも呼ばれ、国の特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオ。西日本を中心に、近畿や中国、四国地方の河川に生息する大型の両生類だ。そんなオオサンショウウオに、ある問題が起きている。中国から人間の手によって連れてこられた「チュウゴクオオサンショウウオ」との交雑が進んでいるのだ。これまで交雑が報告されていなかった広島県でも2022年に入って第1例の報告が入り、10月までに複数の交雑 オオサンショウウオの危機 外来種との交雑進む
新型コロナ後遺症 ひそかに上がる心血管疾患リスク 新型コロナ 科学&新技術 9月27日 2022年9月に入って、新型コロナウイルス感染症の日本国内の累積感染者数は2000万人を超えた。ほとんどの人は回復済みだが、この感染症が厄介なのは回復後に一部の人で後遺症が残る点だ。感染者の健康状態を追跡した国内外の調査からは、自覚的な体調不良がなくても心血管疾患のリスクが高まることがわかってきた。 日本循環器学会などが実施した、コロナ感染後の心臓への影響を調査した研究がある。コロナ感染によって 新型コロナ後遺症 ひそかに上がる心血管疾患リスク
コロナ・がん・マラリア・・・新薬候補が海の生物から続々 Think! ヘルスケア 科学&新技術 8月24日 海は新薬の宝庫だ。新型コロナにがん、マラリア治療まで、新薬候補物質が海の生物から次々と見つかっている。これまで研究が進んでこなかっただけに、海洋由来の新薬は深刻化する薬剤耐性菌問題への解決策としても有望視されている。 75歳のペドロが新型コロナに感染し、スペインの病院に入院したのは2021年1月のことだ。重度の肺炎を発症した彼に主治医が勧めたのはプリチデプシンだった。ペドロは2サイクルの投薬治療 コロナ・がん・マラリア・・・新薬候補が海の生物から続々
サル痘急拡大 長期流行が招く「第2の天然痘」のリスク サル痘 科学&新技術 7月24日 発熱や皮膚の発疹といった、天然痘に似た症状を引き起こす感染症「サル痘」が急拡大している。英オックスフォード大などが運営するデータベース「Our World in Data」によれば、7月20日の時点で64の国と地域で感染者が1万5000人を上回った。事態を重く見た世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は23日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言した。天然痘と違って病原性は必ずしも サル痘急拡大 長期流行が招く「第2の天然痘」のリスク