谷口 誠

三線（さんしん）の音楽が流れる。地元から駆けつけたブースターが声援を送る。「沖縄アリーナのよう」。桶谷ヘッドコーチ(HC)が話す雰囲気の中、琉球は伸び伸びとプレーした。岸本が3点シュートを決めれば、クーリーがゴール下の肉弾戦を制して打ち切る。 スタメンだけではない。途中出場の5人の得点は45と過半を占めた。「見てください。今日のセカンドユニット」。HCは目を細める。逆に千葉Jのベンチ組は僅か17

2度の延長に突入する死闘。その原因をつくった1人が琉球の今村だった。第4クオーターの終盤と延長にフリースローを失敗。どちらもその後に追いつかれた。延長の終了間際にはシュートを打てる場面でパス。相手に奪われ、頭を抱えた。 その2分後に始まった再延長。2点リードの終盤、今村がドリブルを仕掛ける。206センチのムーニーにマークされてもお構いなし。斜めに跳びながら右腕1本でボールを放り投げた。難しいシュ

バスケットボール男子Bリーグの今季（2022〜23年シーズン）の年間王者を決める日本生命チャンピオンシップ（CS）決勝が27日から横浜アリーナで行われる。2戦先勝方式で行われる決戦の舞台。レギュラーシーズンで記録的な勝ち星を積み上げ2季ぶり2度目の王者を狙う千葉ジェッツに、初めて西日本にトロフィーを持ち帰ろうと意気込む昨季準優勝の琉球ゴールデンキングスが挑む構図となった。 ■千葉J、リーグトップ

〈NTTリーグワン1部プレーオフ準決勝　埼玉51-20横浜、5月13日、秩父宮〉 開始早々、王者・埼玉が危険なプレーで一時退場者を出した。「タックルの高さに気をつけてと言った瞬間だったのに」。坂手主将はこぼす。番狂わせを狙う横浜がエンジン全開で来たせいもあって、その後もパスミスや反則を連発する。前半に2トライを先行される苦しい展開。 「流れがない時に離されず、我慢できたのが良かった」。坂手が言う

バスケットボール男子Bリーグ1部のA東京が小学生の試合を「プロ仕様」の演出で盛り上げる試みを行った。大型スクリーンでプレーを映したり、MCが応援の音頭を取ったり。「送別試合」の会場が見つからないクラブチームの6年生への支援がきっかけで、プロクラブの地域貢献活動としては珍しい形だ。 ラグビー元日本代表主将の広瀬俊朗さんらによる学生スポーツを支援する団体「スポーツを止めるな」との共同企画。3月22日

ラグビーのNTTリーグワンが佳境を迎えている。1部は今月23日のレギュラーシーズン終了を前に4強によるプレーオフ出場を懸けた争いが激しさを増す。15日には、いずれも日本人監督が率いる横浜キヤノンイーグルス、東京サントリーサンゴリアス（東京SG）という両雄の対決が控える。大学最終学年の選手が卒業前に内定先のチームで経験を積む「アーリーエントリー」の制度も始まった。 （谷口誠、小畑知輝） 東京SG・田

ボールは水たまりで止まり、選手は芝に足を取られて転ぶ。上位同士の雨中決戦はおのずと武骨な力比べになった。 互いに好機を逃して迎えた前半終了間際。東京ベイが中盤でモールを組んだ。サインプレーへの警戒から加勢が遅れた横浜の隙を突き、約20メートルを押して先制トライを挙げた。 後半の敵陣ゴール前のラインアウトでは捕球した相手が着地した瞬間、ロックのボタが左腕を差し込んだ。

地上波で40%超のテレビ視聴率を出している野球のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）は、アマゾンジャパン（東京・目黒）の動画配信サービス「プライム・ビデオ」でも生中継している。1次リーグの日本戦全4試合に加え、16日の準々決勝や準決勝、決勝が対象のカード。昨年、スポーツに本格的に参戦したプライム・ビデオの児玉隆志ジャパンカントリーマネージャーに、WBC中継やスポーツ配信の勝算を聞いた。

打倒王者の策は奏功した。「前半は完璧だった」と東京SGの田中監督。キックを減らしてボールを持ち続けたのが良かったし、布陣の変更も当たった。フィールド中央に立つFWの枚数を普段の3から4に増員。まず中で前進し、空いた外を攻略する形でトライを連取し、17-3で折り返す。3年間無敗の埼玉に土を付ける好機だった。 ハーフタイム、埼玉は守備を整備する。中央のFWを誰が見るのか明確化。途中投入のフッカー堀江

〈NTTラグビーリーグワン第10節　東京SG 20-27 トヨタ、3月5日、秩父宮〉 試合後、30分以上たってもトヨタの姫野主将の顔はほてっていた。「自分たちを疑ってしまう状況があったけど、きょうはやるべきことをやれた」 リーグワン、トヨタが東京SG破る 優勝を争える戦力をそろえながらも連係に欠け、前節まで10位。自信をなくしていた。この苦境で東京SGから12季ぶりの勝利が生まれるとは。 危機感が