【西村友作】投稿一覧

西村友作
西村友作

西村友作

中国対外経済貿易大学国際経済研究院 教授

中国対外経済貿易大学国際経済研究院 教授

2002年より北京在住。 2010年に中国の経済金融系重点大学である対外経済貿易大学で経済学博士を取得し、同大学で日本人初の専任講師として採用。同副教授を経て、2018年より現職。 著書に『数字中国(デジタル・チャイナ)―コロナ後の「新経済」』など多数。
【注目するニュース分野】中国経済、金融

2002年より北京在住。 2010年に中国の経済金融系重点大学である対外経済貿易大学で経済学博士を取得し、同大学で日本人初の専任講師として採用。同副教授を経て、2018年より現職。 著書に『数字中国(デジタル・チャイナ)―コロナ後の「新経済」』など多数。
【注目するニュース分野】中国経済、金融

2023年

  • 一人っ子政策を長年実施してきた中国では、16年に2人目の、21年に3人目の出産が認められました。

    この政策変更は一定の効果はあったと思われますが、人口減少に歯止めをかけるまでには至っていません。私の周りでは意外と2人目を生んでいる家庭がある一方で、結婚しない卒業生が増えています。どうやら1人目出生数の減少の影響が大きいと考えられます。

    一方の死亡者数ですが、22年は前年比で27万人増加の1041万人となっています。コロナ関連の死亡者が増えている点も考えられますが、感染爆発は年末でしたので、その影響は昨年よりも今年(23年)のデータに反映されると思います。

  • 経済規模が比較的大きい都市には、大学や企業、商業施設が集積し、就業機会も多いため人口の流入が続いています。このような都市にはマンションやオフィスなどに対する実需が根強く存在しますが、経済不振にあえぐ地方中小都市では過疎化が進行し、不動産に対する実需の先細りが進んでいます。

    2020年の人口センサスによると、45.6%の地級市(省・直轄市・⾃治区に次ぐ⾏政単
    位)において、過去10年間で人口減少へと転じています。

    今後、人口減少社会へと突入する中国では、地方中小都市の過疎化がさらに進み、不動産においても二極化が鮮明になってくると思われます。

  • 訪日中国人が急増することは無いと思います。

    要因は大きく、「パスポート」、「ビザ」、「航空チケット」の3点です。多くの中国人のパスポート期限が切れており、ビザの発行にも時間がかかる上、航空チケット料金が高止まりしています。

    コロナ前は、北京-東京往復のチケットは3000元(約6万円)程度でしたが、今は1万元(20万円)超と、一般市民が気軽に買える水準を超えています。

    ということで、春節休暇(1月21日~)で訪日中国人が急増することは無いと思いますし、その後の回復についても、日本で強化されている水際対策の行方に加え、便数・航空チケットの動向が影響しそうです。

  • ビザの新規発給業務の停止は、日本企業の対中投資にも影響するかもしれません。

    巨額な資金を伴う新規投資には、経営幹部による現地視察が重要となりますが、厳しい水際対策で企業幹部が訪中できないという異常な状態が3年間も続いていました。強制隔離が必要なくなったことで、ビジネス往来の正常化が期待されていましたが、再び暗礁に乗り上げました。

    往来断絶は両国にとって大きなマイナスとなります。一日でも早い解決を望みます。

  • 今回のビザの新規発給停止の影響を強く受けているのが、日本人駐在員のご家族です。

    昨年家族帯同ビザの発給が緩和され、最近ホテル隔離も不要になったことで、これまで単身赴任されていた駐在員で家族ビザの手続きを始めた方が少なくありません。今回の措置はこれらの方々を直撃してしまいました。

    また、日本政府が中国からの渡航者に対する水際対策強化も、春節(旧正月)で久しぶりの一時帰国を予定している中国在住の日本人が影響を受けています。

    コロナ禍の中、家族と離れ離れになりながらも中国で頑張って働いてきた人を数多く見てきました。両国政府には可及的速やかに問題解決を図っていただきたいです。

  • 入国時における隔離措置がついに終わりました。私が入国した2020年12月は2週間、その後さらに強化され3週間のホテル隔離が義務付けられていました。

    隔離は不要になりましたが、現時点において日本に帰国する予定はありません。最大の理由が航空チケット料金の高止まりです。便数が依然として少なく、価格はコロナ前と比べて数倍になっており、駐在員など会社が負担してくれるケース以外は、なかなか手が届かないというのが現状です。

  • 一般的に「春運」は、春節前15日、後25日の40日間に起こるラッシュを指します。今年の春節は1月22日ですので、「春運」は1月7日~2月15日となります。「春運」の前半部分は都市部から地方へ、後半部分は逆方向への移動が多くなります。

    2020年のコロナ感染初期、発生地の武漢から全国各地に急速に広がった主要因が「春運」でした。当時は約30億人が移動する見込みとなっていました。

    現在感染が広がっているのが都市部ですので、明日から始まる「春運」で、感染が地方都市へと広がることが懸念されています。特に、医療資源に乏しい田舎町での感染拡大は今後の大きなリスクの一つです。

  • 2023年は消費がV字回復するかどうかに注目しています。

    コロナ対策の大幅緩和で回復が期待されるのが、GDPの約4割を占める個人消費です。実際に、2020年に改革開放以来初のマイナス成長となるなど、コロナで最も影響を受けてきたのが消費でした。特に影響が大きかったのが、外食や旅行、レジャーなどのサービス産業です。

    1月21日から始まる春節休暇は、4年ぶりに行動制限が課されない大型連休となります。ここでV字回復するかどうか、これが落ち込んでいた消費が反転するかどうかの一つの試金石になるのではないかとみています。

  • 中国でのワクチン接種に関しては、①中国製ワクチンの有効性がmRNAよりも低いこと、②高齢者の接種率が比較的低いこと、などがよく指摘されます。

    現地にいて問題だと感じるのは、4度目の接種が全く進んでいない事です。私が3度目のワクチンを打ったのが1年前で、すでにワクチンの効果は低下していると考えられます。ほとんどの人が同じような状況にあると思います。

2022年

  • 今回のPMIは厳しい数値となりました。

    製造業PMI47.0の内訳をみると、生産が44.6、新規受注が43.9、就業者数が44.8、サプライヤーの配送時間が40.1と大きく下げています。

    非製造業のビジネス活動指数41.6の内、特に影響が大きかったのが、新規受注(39.1)、就業者数(42.9)、サプライヤーの配送時間(40.4)です。

    製造・販売現場、物流での混乱が目立ちますので、感染拡大によって人手不足が起こり、経済活動に影響が出ていることが考えられます。感染のピークアウトが、経済活動が本格的に回復するための条件となりそうです。