【山口真一】投稿一覧

山口真一

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授

1986年生まれ。2015年に慶應義塾大学にて博士(経済学)を取得、国際大学助教等を経て20年より現職。専門は計量経済学、ネットメディア論、情報経済論。主な著作に『正義を振りかざす「極端な人」の正体』(光文社)、『なぜ、それは儲かるのか』(草思社)等。東京大学客員連携研究員、早稲田大学ビジネススクール兼任講師、シエンプレ株式会社顧問等も務める。
【注目するニュース分野】ネットメディア論、ソーシャルメディア、情報経済論

1986年生まれ。2015年に慶應義塾大学にて博士(経済学)を取得、国際大学助教等を経て20年より現職。専門は計量経済学、ネットメディア論、情報経済論。主な著作に『正義を振りかざす「極端な人」の正体』(光文社)、『なぜ、それは儲かるのか』(草思社)等。東京大学客員連携研究員、早稲田大学ビジネススクール兼任講師、シエンプレ株式会社顧問等も務める。
【注目するニュース分野】ネットメディア論、ソーシャルメディア、情報経済論

2022年

  • 今年4月にNetflixの会員数減少が発表されると、株価は約35%大暴落しました。依然としてNetflixはナンバーワンシェアを誇りますが、先行きの不透明感から著名投資家なども株を売却しました。

    背景には、コロナブーストの終焉・競争の激化・インフレがあります。対してNetflixは、広告配信の検討とアカウントシェアの取り締まり強化を発表していますが、効果と実効性には疑問が持たれています。さらに近年サブスクの範囲内でプレイできるオリジナルゲームをリリースしていますが、効果は不明です。

    コロナでの成長が異常だったのは間違いなく、今後は成熟市場としてパイの奪い合いになるのは避けられないでしょう。

  • このような業態はコロナ禍で急増しました。メリットは多くあります。まず、人の集まる地代の高い場所に店を構える必要がないため、地代を節約できます。接客や呼び込みもいらないのでそれもコストカット要因となります。さらに、1つのキッチンで複数の店舗を運営できる点もメリットになります。特に海外ではキッチンのシェアリングも盛んです。

    一方、現在は、一度過剰な参入があった後、淘汰されている時期です。記事内にある通り、配達員の確保は重大なイシューです。また、今後徐々にノーマルな生活に戻っていく中で市場規模がどうなるかも注目のポイントです。市場成長の動向次第では、更に多くの企業が淘汰されていくでしょう。

  • チャットボットの作成は非常に簡単で、人員や資金力のない組織や個人でもできるのが現状です。そのため一部の利己的な目的を持った人たちが、特定のハッシュタグで大量に投稿してトレンド入りさせるなど、世論を誘導するために巧みにボットを使っていることが、『操作される現実』(サミュエル・ウーリー、白揚社)で指摘されています。同書では、これをコンピュータ・プロパガンダと呼んでいます。

    SNS企業もかなり対策していますが、悪意ある人は抜け道を簡単に発見するため、いたちごっこになっています。買占め、誹謗中傷攻撃、詐欺など、被害も様々です。マスク氏の発言はこういった状況を踏まえてのものでしょう。

  • 革新的な価格破壊ですね。そもそも人の大きな流れや属性のデータを高い精度で把握するのは困難なので、非常に価値の高いデータです。低価格になったことで中小企業でも導入可能になります。

    先行して低価格にして中小企業の導入率を上げれば、他社が後から低価格帯に参入してきても、企業は慣れたシステムを変えるスイッチングコストが発生するため、よほどメリットが大きくない限り移らないでしょう。先行者優位が働きます。

    また、中小企業の在庫廃棄リスクが低下するのは、コスト面だけでなく、サステナビリティの観点からも非常に有益です。

  • 花王は2004年にデータ分析の部署を内製化するなど、DXにいち早く取り組んできました。あるインタビューでは「目的をしっかりと見極めた上で仮説を立ててデータ分析をすることが大事」と語っており、データ分析を専門とする私も我が意を得たりと感じたものです。

    革新的なデータ活用と他社との連携が有意義にできるのは、データ分析を内製化しているためです。残念ながら日本では、IT人材の72%はIT企業に属しており、データ分析やIT活用は主に委託で成り立っています。この数字は米国では35%です。花王のように内製化し、ビジネスを理解したうえデータ分析できる人材を確保することが、効果的なDXには欠かせないのです。

  • 暗黙知を可視化するのはAIの得意とする分野です。このように、過去のデータから保護率や再発確率が計算されれば、担当者の知識や経験に左右されず客観的にアクションを起こす根拠となります。相談内容の文字化で、部署内で内容を共有できるのも魅力でしょう。

    ただし、過去のデータを使った分析には弱点もあることを忘れてはいけません。例えば、学習データで適切な対応をとれていなかったものや、再発を把握できなかったものがあれば、保護率や再発確率は適切な数値より過小に推定されます。また、親の虚偽の説明から正しい予測をすることもまだ難しいでしょう。職員への適切な啓発・教育と同時並行で利用していくのが重要です。

  • ものづくりからソリューションを提供するサービス業へ、という動きはあらゆる製造業で加速しています。例えばトヨタは、自動車を作る会社からモビリティ・カンパニーになると宣言しています。コモディティ化しやすい製品と異なり、サービスであれば高い利益率が期待できます。

    テルモの強みは、高度な医療機器で生活者とのタッチポイントが多いことです。得られるデータは貴重なもので、価値の高いソリューションが期待されます。例えば米国のPractice Fusionは、電子カルテという高度なシステムを無料で提供し、1億人の患者データを活用することで多くの収益を上げています。医療データには多くの可能性があるのです。

  • 熊本地震では、災害関連死が多いことが問題となりました。大規模災害の避難所生活は、平均して約半年です。

    残念ながら、体育館などに多人数を集める大規模集約型の避難所では、生活環境は劣悪です。居住スペースからトイレまでの距離が近いこと、感染症の蔓延、中心部に日が当たらないことなど、問題は様々です。さらに、高齢化が進む中、多様な支援物資が求められますが、プッシュ型の支援ではマスの物資が中心となります。また、現場のニーズを効率的に把握するシステムもほとんどなく、必要なものは必要なときに届きません。

    災害大国日本において、環境改善策を、IT活用まで含めてより一層検討・実装していく必要があるでしょう。

  • 少子高齢化が進み、独居の高齢者も増加する中、遠隔医療は私達の生活に欠かせないものとなりつつあります。独居の高齢者では病院に行くことが困難な人も少なくなく、また、訪問診療は時間が非常にかかるので数に限界があるためです。さらに地方では、アクセス困難な地域があったり、医者の数が少なかったりするため、問題はより深刻です。

    世界的に見て、オンライン診療は一般的ではありませんでしたが、コロナ禍でその件数は急増しています。例えば米国では、規制緩和と財政支援により件数が劇的に増えました。日本もより大きなインセンティブの付与と、政策の継続によって、オンライン診療をさらに拡大していくことが求められます。

  • 各エンタメの利用には親和性があり、分野間のデータ連携・分析は大きな効果を生むでしょう。そもそもソニーはゲーム・映画・音楽などのエンタメを全て保有していることが強みのはずで、それを考えればむしろ連携が遅いと思います。

    しかし効果的な連携をするには、共通IDの発行と、データ形式の統合が必要でしょう。
    また、近年データ活用・連携への目は厳しく、消費者に不利益のない形で利用することが欠かせません。不要なデータを収集しない・収集しても分析したら破棄するといった、スモールデータ戦略が求められます。