【柯 隆】投稿一覧

柯 隆

東京財団政策研究所 主席研究員

東京財団政策研究所 主席研究員

政治経済の深層を解き明かす中国ウオッチャーの第一人者。1963年、南京市生まれ。88年に来日し、92年に愛知大学法経学部卒業。94年、名古屋大学修士(経済学)。富士通総研経済研究所などを経て2018年から東京財団政策研究所に所属。静岡県立大学グローバル地域センター特任教授も兼務。『「ネオチャイナ・リスク」』(2021年、慶応義塾大学出版会)など著書多数。
【注目するニュース分野】中国経済・政治、日中関係

政治経済の深層を解き明かす中国ウオッチャーの第一人者。1963年、南京市生まれ。88年に来日し、92年に愛知大学法経学部卒業。94年、名古屋大学修士(経済学)。富士通総研経済研究所などを経て2018年から東京財団政策研究所に所属。静岡県立大学グローバル地域センター特任教授も兼務。『「ネオチャイナ・リスク」』(2021年、慶応義塾大学出版会)など著書多数。
【注目するニュース分野】中国経済・政治、日中関係

1月28日

  • 専門家の間でも、米中ディカップリングはあり得ないとの指摘があるが、日用品に関して、ディカップリングは当然あり得ない。それは正しい指摘である。しかし、このニュースにもあるように、national securityにかかわると思われる分野では、ディカップリングがすでに進んでいる。その背景に、米中の相互不信が極端のレベルにまで達していることがある。それを修復できるかどうか、わからないが、短期的には無理だろう。しかも、双方の努力が求められる

  • 北京冬季オリパラは東京のときと違って、完全なバブル方式で国内の人と基本的に交わらないようにして開催される。そのうえ、秋の党大会が予定されているため、ネット規制もこれまで以上に厳しく実施される。まあ、想定内のことだが、海外からみると、かなり異質な大会になるとみえるかもしれない。もともとオリパラはしょせんスポーツの祭りのようなものだが、開催国によっては、国威発揚の好機と捉えることがある。それは中国に限る話ではない。でも、民主主義の国の場合、できることが限られる。中国は管理されたオリパラをみせてくれるだろう。どこまでやるかを注目したい

1月27日

  • ガソリン価格の上昇で地方を中心に生活が直撃される。しかし、元売りに対して補助金が発動されたからといって、ガソリン価格がどれだけ下がるか不透明である。それよりもなぜ備蓄の石油を放出しないのか。ガソリンが高いときに、石油が安いときに備蓄した石油を放出すれば、財政を悪化させずに、石油価格を押し下げる効果があるはずである。そして、ガソリン価格が上昇したときにこそ、EVやハイブリッド車などの新エネルギー社を販促する好機ではないか

  • 中国一国で世界の工場の役割を長期にわたって果たしていくのは無理がある。人件費が上昇すれば、産業構造もサプライチェーンも変わってしまう。化学プラントなど中国に集約され、中国の大気汚染も深刻化している。そのプロセスで中国は何を得ているのか。外貨、技術と雇用機会である。でも青空を失ってしまった。これからは中国は世界の工場の一部を残すだろうが、残りは他国へ分散されるだろう

  • この問題について完璧な回答がない。この難題に対処するならば、何かの犠牲を払わないといけない。岸田首相はスピーチなどでいつも、リアリティ外交やしたたかな外交を連発するが、じゃ、具体的に何をするの、について答えを明らかにしていない。現実問題として、アメリカに歩調を合わせなければならないが、中国との経済関係を考えて、ほんとうにその一部を犠牲にする覚悟があるのかがとわれている。自動車産業を例にあげれば、中国はもっとも大きな自動車市場になっている。かといって二股外交を展開すると、米中のいずれにも相手にされなくなる可能性がある。かなりの覚悟が必要だ

1月25日

  • ロシアでは、プーチンはロシアを救ったヒーローと思われている。ロシア人は大きなものが好きなようである。30年まであのままやっていけないので、ソ連が崩壊してしまった。でも、ロシア人は帝国になる夢を諦めたわけではない。プーチンは名実とも強い指導者でタフである。それとバランスを取らなければいけないホワイトハウスの主は高齢で想像力も欠けている。プーチンにとって強いロシアを取り戻す好機にみえている

1月24日

  • 自由な市場経済においてもっとも重要なものはルールである。しかし、ネット空間の進化・深化のスピードはあまりにも速いため、ルール作りには間に合っていない。SNSはもとより、ネット空間はAI(人工知能)が主役になる時代になるかもしれない。人間は人間が作ったVRの前で無力になる。その空間はオアシスのような部分もあるが、犯罪なども横行し、それを取り締まる警察官が配置されていない。人間はいつになったら、リアルの世界に戻ってこられるか。否、もはや戻られないかもしれない。パンドラの箱がすでにあけられてしまった

  • プーチンはどんな代償を払ってもウクライナを併合したい。世界はプーチンの野望を止めることができない。国連はまったく機能していない。NATOも無力。肝心のアメリカは自国の外交官を脱出させる準備をしている。川におぼれている猫が鰐に襲われるのを世界は座してみている状況だ。結局は、弱肉強食という点について昔も今もほとんど変わっていない

  • 英国の英語教育への取り組みに比べ、日本の日本語教育への取り組みは貧弱といわざるを得ない。教科書の編纂もそうであるが、外国人に理解できる文法の解説がほとんどなされていない。なによりも日本語のすばらしさが外国人に十分に伝わっていないというんは、非常に残念。ちなみに、イギリスの英語教育などを含む包括的事業のGDP寄与度は農業のGDP寄与度を上回っている。したがって、日本語教育は赤字の投資ではなく、黒字の投資になりうる。Youtube で英語小説などの朗読がたくさんあるのに、日本語の朗読が少ない。漫画が世界的に人気が高いのに、なぜ日本語教育にもっと取り組まないのか

  • いかなる国も世界ナンバーワンでありつづけることができない。アメリカも例外ではない。民主主義は強権政治によって弱体化しているわけではない。それ自身のパワーをつり出す力が弱くなっている。中国問題は外の包囲網によって弱体化するのではなく、中国自身の先天性の弱点、制度面の欠陥によってピークアウトするだろう。中国共産党中央委員会の発表によれば、これまでの9年間、計700万人の腐敗幹部が追放されたといわれている。この人たちはほとんど中国のエリート。彼らの知見は国力の増強に貢献していない。彼らの優秀な頭脳は無駄になってしまった。だからピークアウトすると思われる