【井戸美枝】投稿一覧

井戸美枝
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ファイナンシャルプランナー(CFP)/社会保険労務士

ファイナンシャルプランナー(CFP)/社会保険労務士

ファイナンシャルプランナー(CFP)、社会保険労務士。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門にし、解説している。前社会保障審議会企業年金個人年金部会委員。国民年金基金連合会理事。日本FP協会理事。近著に「一般論はもういいので、私の老後のお金『答え』をください!増補改訂版」(日経BP)などがある。
【注目するニュース分野】年金・社会保障・家計

ファイナンシャルプランナー(CFP)、社会保険労務士。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門にし、解説している。前社会保障審議会企業年金個人年金部会委員。国民年金基金連合会理事。日本FP協会理事。近著に「一般論はもういいので、私の老後のお金『答え』をください!増補改訂版」(日経BP)などがある。
【注目するニュース分野】年金・社会保障・家計

2023年

  • 今回、中野会長の退任の教訓を考えましょう。
    投資をするにあたっては、投資した時点の状況からは変化することがあるということです。株式投資や不動産投資のような直接的な投資では、投資に伴うリスクは個人が持ちます。一方、投資信託の場合は受託者側の投資方針の変更は当然に起こりうるのですが、今回のように運営方針の変更が予想されるような事態が起こった場合、どう対応するのかを事前に考えておきたいところです。自分の考えている投資理念と異なる場合には、継続または解約を含めて今後の対応策を、できれば事前に考えておきたいものです。
     顧客本位をつらぬいてきた中野さん。とても残念です。これは、業界全体の問題でしょう。

  • 「旅行積立」は、資金の準備を計画的に進められること、旅行券でのサービス額上乗せがあることが大きなメリットですね。
    加えて、旅行費の節約には、繁忙期を避けることが最も効果的でしょう(家族の都合で難しいケースも多いかもしれませんが…)。
     また、旅にトラブルはつきもの。以前、ギリシャへ旅行した際、交通機関のストライキに遭い、宿泊予定のホテルに行けないことがありました。ホテル代は返金されず、当日ホテルを新たに予約して出費がかさみました。旅行プランを申し込む際は、キャンセル時の規約なども確認しておきましょう。
    場合によっては、海外旅行保険に加入して備えるのも良いかもしれません。

  • 最近は少なくなったようですが、高齢者に物件を賃貸しない家主・貸主もいます。住める場所を確保しておくことは、老後の生活を考えるうえで重要な要素です。
    ただ、この数年で都心を中心に住宅価格は大きく上昇しました。ローンを組む際は、できるだけ返済額に余裕を持ちたいところです。

    マンションを購入した場合、ローンの返済の他にも、管理修繕積立金や固定資産税を支払うことになります。これらの費用は上昇する可能性があることも留意しておきましょう。
    実際私の住んでいるマンションも、管理修繕積立金の値上げが続いています。路線価が上がれば、固定資産税も高くなります。

  • 退職後の資金は、受け取り方によって、手取りが大きく変わることがあります。退職所得控除を超えた分は、1/2が課税対象。控除額を大幅に超えてしまいそうな場合は、まずは企業型DC・iDeCoの資金を受け取り、5年後以降に退職金を受け取るのも1案です。退職所得控除は、「確定拠出年金は受け取りの前年以前の19年内、その他の退職金は同4年内に退職所得の受け取り実績があると合算・通算される」という仕組みです。企業型DCやiDeCoを受け取る前に、退職金を受け取ると、19年内に該当し、通算・合算されてしまいます。
     公的年金の受け取り年齢と、退職資金をいつどのようなに受け取るのかなど生活設計しておきましょう。

  • 育児中にどう働きたいかは、人それぞれ異なります。バリバリ働きたい人もいれば、子どもとの時間を優先したい人もいるでしょう。記事にもあるように、会社と従業員があらかじめ話し合っておきたいところです。
     2009年には、「時短勤務制度」が導入、義務化されました。これは子どもが3歳になるまで、所定労働時間を原則6時間までとする制度です。時短勤務制度を使いつつ、休業前のポジションに戻る、といったことも選択肢の1つです。

  • 私自身もそうですが、60、70代において働くことを肯定的に捉えている人が多く、と同時に一定額以上の資産、金融資産も持っている方もいらっしゃいます。将来相続となる可能性のある金融資産の一部は、若い世代への移転を促すような仕組みが望ましいと考えています。具体的には、孫世代の教育費負担などの形になってきますが、高齢者すべてに孫がいるわけでもなく、本当に優秀な子供達が、金銭上の問題だけで将来への道が閉ざされることのないような仕組みが望まれているように思います。高齢になって安易にリスクのある資産運用するより、働き続けることと、資産の身のある、自分に納得のできる使い方を考えていきたいものです。

  • 住宅ローンは、「将来の自分の稼ぎや時間を前借りする」ことです。返済に縛られる価値がその住宅にあるか、時間をかけて考えたいところです。
    また、借入額は、転職・転居・失業・親の介護…などの可能性を考慮した上でを、余裕を持って決めましょう。記事にもある「まず予算を決めてから、住宅の内見会に行く」ことをおすすめします。

  • 現行の制度では、自己都合で退職すると、2ヶ月間の給付制限がありますので、初回の失業手当が支給されるのは、ハローワークで手続きをした日(受給資格決定日)から約3ヶ月後(実際に口座に入金されるのは数日後)となります。生活費の工面など、経済的に苦労するケースも少なくありません。
    「会社都合だと思っていたが自己都合になっていた」といった相談も実際にありました。
    離職理由に関わらず、給付制限がなくなり、早く給付を受け取れることは良い改正です。転職の心理的なハードルも下がるかもしれません。

  • 厚生年金に加入しているかどうかで、受け取れる年金額は大きく変わります。
     例えば、月給30万会社員で配偶者と子どもが一人いる場合、1級に認定されると223万8650円、2級で188万2400円、3級では63万円が支給されます(300月みなしでの目安)
     一方、厚生年金に加入していない人は1級122万2450円、2級102万3700円です。1級で約102万円、2級で約86万円の差があります。
     記事にもある通り、初診日に厚生年金に加入していれば、障害厚生年金が受け取れます。気になることがあれば退職前に病院へ行きましょう。

  • 返済を要する奨学金は、借金です。借金は、将来の時間を現在の時点で先に使ってしまうことです。具体的には、学校を卒業、職を得て働いてお金を得ます。返済のためのお金は働いて時間の一部となります。ここでようやく過去の借金の返済が精算されます。給付型奨学金は借金ではなく、将来の時間の先に費消するものではない、本人や家族にとってメリットしかないものと言えます。給付型奨学金を受けることのできる分野を、十分な合理的な議論のもとに限定していくべきです。技術立国の立て直しを行うことならば、まずは理系分野全般から行うことが良いのではないかと思います。