【岩間陽子】投稿一覧

岩間陽子

政策研究大学院大学 政策研究科 教授

政策研究大学院大学 政策研究科 教授

京都大学法学部卒業、同大学大学院博士後期課程修了。ドイツ留学時、ベルリンの壁の崩壊と東西冷戦終結を体験。博士(法学)。在ドイツ日本国大使館専門調査員、政策研究大学院大学助教授などを経て、2009年から現職。専門は国際政治、欧州安全保障。著書に『ドイツ再軍備』(中公叢書、1993年)など。
【注目するニュース分野】国際政治、ドイツ政治外交史、安全保障

京都大学法学部卒業、同大学大学院博士後期課程修了。ドイツ留学時、ベルリンの壁の崩壊と東西冷戦終結を体験。博士(法学)。在ドイツ日本国大使館専門調査員、政策研究大学院大学助教授などを経て、2009年から現職。専門は国際政治、欧州安全保障。著書に『ドイツ再軍備』(中公叢書、1993年)など。
【注目するニュース分野】国際政治、ドイツ政治外交史、安全保障

2021年

  • 働く親御さんたちは、とりあえずホッとしたことでしょう。他方で、子供への感染力が強く重症化しやすいとされる変異株が広がりつつあり、柔軟な対応が必要です。現場も混乱、困惑しているでしょうから、学校クラスターが発生しやすい場面を分析して、政府から具体的な対策のガイドラインを定期的に発信してもらえれば助かるのではないでしょうか。いまだに40人学級が主流の現場の密回避も急務です。天気が良い時期はテントを貼って青空教室、学校以外の公共施設の開放、そしていうまでもなくデジタル化推進・リアルとオンラインの併用など、さまざまな知恵を絞って子供たちを守ってください。

  • 対立の鍵としての社会主義がなくなり、雇用の在り方が変わったことにより労働組合の政治力も弱まり、世界的に政党の在り方は過渡期に入っています。それにしても自民党以外に政権担当能力がある政党がないのは、日本の将来にとって大問題です。20世紀的な規制の枠組みを外しつつ、弱者のためのセーフティーネットに目配りをし、ジェンダーや外国人といったダイバーシティーに積極的で、環境やデジタルなど新しい要素を大胆に取り入れたプログラムを持つ政党が必要です。

  • このフォーラムでは中国、ロシアも入れてくるんですね。この辺りの硬軟の使い分けがバイデン外交の真骨頂かと。先日の日米首脳会談の際、同時に北京にケリー特使を送っていました。そこで意思疎通を図りつつ、気候問題で歩調を合わせる準備をしていたのでしょうね。台湾問題に言及があったにもかかわらず、中国の反発は限定的だったと思います。次は民主主義サミットをどのような形で仕掛けてくるのか注目したいと思います。

  • たかがサッカーされどサッカー、コロナ下で多くのビジネスが直面する課題を象徴しているのかも。一方でスタジアムを一杯にできず、違う形のビジネスモデルを追求せざるを得ない。グローバル化をさらに推し進めて、地元に依存しない高収益体制を作るという狙いにはビジネスとしての論理がある。他方でやはりサッカーは地元に根付いた文化であり、トップ選手だけでなく、本当によちよち歩きの頃からの育成があり、コミュニティライフの一部としてのチームの存在がある。ビジネスだけを追求すると、そこを破壊して、将来的に自らの首を絞めることになりかねない。仏独のチームが参加していないのは、その辺りの考え方があるのでしょう。悩ましい。

  • ワクチン国産能力の強化は本当に急務です。パンデミックはコロナが最後ではありません。ワクチン国産能力がなければ、経済回復も遅れますし、国家安全保障政策上も脆弱です。大規模災害への対応能力も落ちます。省庁の枠を横断して対策を取るべく、PTを作るなり特任相を立てるなりすることを検討すべきところまで来ているのではないでしょうか。やるべきことは明白なのですから、規制を取り払って十分な資源を投じれば、この国はまだちゃんと成果が上がる国であると信じたいです。

  • 本来6月の党大会で決められる段取りでしたが、与党CDU・CSUが首相候補一本化に手間取っているのを見て、一気に攻めてきました。「新鮮だ」と独テレビ局の解説者も言わざるを得ませんでした。40歳女性、というのはおじさんが並ぶ他党のリーダーたちと並べても新鮮です。民主的手続きを重んじる緑の党が、いわば「密室談義」で首相候補一本化してきたのも新鮮です。本来密室談義のご本家の保守が一本化に失敗し続けているのを横目に、次の世論調査でさらに差を詰めて、あわよくば第一党に立とうという明確な意思を感じます。若さ、経験不足、と言われるのは現段階では当然でしょうが、スタートダッシュは上々と言わざるを得ません。

  • 直近では、確定申告の電子申請がChromeやEdgeでうまく動かないことが身近で話題になっていました。一定のバグが発生することは当然であり、問題ではありません。フィードバックを得て修正を加え続ける体制を準備しておかないことが問題なのです。しかし、納品したら仕事は完了という枠組みがある限り、業者の側にそれ以上修正を加える可能性は、枠組みとして想定されていないのだと思います。これからデジタル政府を充実させていく上で、役所側の発想を根本的に変える必要があります。完成度の高いものづくりを誇ってきた日本人の伝統が、かえって足かせになっているのかもしれません。

  • ここのところヨーロッパとアジアの両サイドで、活発な同盟国間外交を展開しています。選挙公約に掲げていた「民主主義サミット」のための地ならしかなと思いますが、あまり締め上げると特にヨーロッパの同盟国側からは反発も出てくるでしょう。日欧への働きかけは、ある意味ジョージ・ケナン的な封じ込めに戻ったと見れないこともないですが、この後これ以外の地域をどうするか、また硬軟両用の姿勢を維持可能なのかなどによって、バイデン政権の外交の性質が見えてくるでしょう。中国もロシアもここで過剰反応しないことですね。大きな事件がこういう時期に起こると、制御不能なエスカレーションが起こります。

  • 前払い金の高い施設は、一見高級で安心なように思われますが、人間関係を伴うことはそう単純ではありません。何らかのトラブルがあってホームを移りたいと思っても、前払い金は全額は返ってきませんから、転居が難しくなります。ホームの経営として考えた場合も、毎月の経費で利益を上げていれば長くいてもらいたいと思うでしょうが、前払い金で利益を上げている場合は、長生きすればするほどホーム側の利益が減ることになってしまいます。実家の母も施設の豪華さに惹かれて前払い金の高いホームに入居しましたが、はいってみればいろいろ思うことはあるようです。迷ったら、まずは初期費用の安いところに入居してみる方が賢明かもしれません。

  • 日米首脳会談で台湾に言及されるのかに、世界中の注目が集まっています。日本はこれまで対中国脅威感を主要国に共有してもらうことに外交エネルギーを注いで来ましたが、ここにきて新たな段階に入った印象を受けます。譲れない一線をはっきり示すと同時に、緊張緩和や危機管理のための枠組みのオファーも始めるべきです。その際中国は、アメリカを外すべきと言ってくるでしょうが、アメリカが入るまで譲らずに粘って交渉を開始した、CSCE(全欧安保協力会議)の例を思い起こして、アメリカを含んだフォーラムの設置に向けて粘り強く努力すべきです。対話フォーラムの設置には、例えばモンゴルなどの中立国の存在が役に立つかもしれません。