【鈴木一人】投稿一覧

鈴木一人
鈴木一人

鈴木一人

東京大学 公共政策大学院 教授

東京大学 公共政策大学院 教授

2000年、英国サセックス大学ヨーロッパ研究所博士課程修了。筑波大学専任講師・准教授、北海道大学教授を経て、2020年から現職。2013−15年に国連安保理イラン制裁専門家パネル委員。内閣府宇宙政策委員会宇宙安全保障部会委員、日本安全保障貿易学会会長、国際宇宙アカデミー正会員。主著に『宇宙開発と国際政治』(岩波書店)など。
【注目するニュース分野】国際政治、科学技術政策、宇宙政策

2000年、英国サセックス大学ヨーロッパ研究所博士課程修了。筑波大学専任講師・准教授、北海道大学教授を経て、2020年から現職。2013−15年に国連安保理イラン制裁専門家パネル委員。内閣府宇宙政策委員会宇宙安全保障部会委員、日本安全保障貿易学会会長、国際宇宙アカデミー正会員。主著に『宇宙開発と国際政治』(岩波書店)など。 【注目するニュース分野】国際政治、科学技術政策、宇宙政策

11月27日

  • 民進党政権は、コロナ対応でも優等生ぶりを発揮し、感染の拡大を抑え込んだが、それは経済停滞を伴うものになってしまったことから、内政では民進党への批判が強くなっている。同時に、中国との関係においても、民進党が政権を握る限り、中国からの圧力は強く、経済的な運営が難しい状況も生み出される。台湾は必ずしも反中一色ではないため、中国との経済的な関係を優先的に考える人たちもいて、それが台湾政治の行方に大きく作用する。

11月26日

  • ドイツの脱原発は経済的合理性というよりも、倫理的な側面から進められた政策であるだけに、ロシアからの天然ガスの輸入が難しくなった今、原発を止めるということが難しくなっていることは間違いない。結局、倫理よりも現実の方が優先した世界で我々は生きている。

  • う〜ん、大統領制と議院内閣制を直接比較してもあまり意味はない気がするが…。結局、日本における年功序列、当選回数主義というのは、自民党が権力に居続けることが前提となっている中で出来上がった制度。これが頻繁に政権交代が起こるようであれば、実力のあるリーダーが必要となり、当選回数とは関係なく政治家が起用されるだろう。しかし、第一次岸田政権のように、当選回数の浅い福田達夫を総務会長にしたり、小林鷹之、牧島かれんを大臣にしたが、なかなか自民党の中で力を発揮することは出来なかった。池田勇人や鳩山一郎は戦後、要職に就いていた人たちがいなくなり、流動的な政治環境だったからであり、同列に論じるのはおかしい。

  • 半導体輸出規制の強化に続いて、ファーウェイなどの排除。まあ、これは5Gで既にやっていたことを、全ての通信機器に広げた形。アメリカの「安全保障」を理由にした経済的な排除の仕組みは、果たしてどのような帰結を生み出すのだろうか。少なくとも日本の企業からすれば、米国市場における中国企業が占めていた部分をかっさらうチャンス。しかし、中国からの報復が厳しくなれば、さらなるエスカレーションという恐れもある。

  • 元々衛星と直接通信をするという案は準天頂衛星に備えられたメッセージングサービスの中に含まれていた。しかし、準天頂衛星の軌道は中軌道と呼ばれる遠い位置にあるため、携帯から直接通信をするのは難しい。これは同じくメッセージングサービスを持つ中国の「北斗」も同様で、その容量は極めて限られている。その点、iPhone14は低軌道の通信衛星を使うので、携帯の電波出力でも届くことが出来るが、しかし、緊急事態に限られるなど、使い方は制約される。いずれ、手持ちの携帯で衛星と自由に通信できる日が来るのかもしれないが、まあ、気長に待つしかない。

11月25日

  • 反撃能力が軍事目標に限定されるというのは、国際法から見ても当たり前の話ではあるのだが、それが敢えて論点になるというあたりが日本の特殊性なのかもしれない。この議論で気になるのは「存立危機事態」においても反撃能力を使う可能性があるとなると、集団的自衛権の行使にさらに一歩踏みこむことになる。今後野党からかなり厳しく突っ込まれるところになるような気がする。またここでも「抑止」という概念が出てくるが、ミサイルを持って反撃能力を持つことが抑止になるのかどうかはよく検討する必要があるだろう。

  • 以前もどこかで言ったことがあるが、結局、トランプは共和党にとって劇薬であった。先細りする共和党に「ラストベルト」の存在を発見させ、アイデンティティ政治に走り、労働者の利益を代表しなくなった民主党の地盤をかっさらうことが出来た。しかし、その共和党が民主党以上に利益をもたらすことは出来ず、「トランプ劇場」に酔いしれただけだった。ところがバイデン政権はトランプ政権がもたらさなかった経済的利益を提供しても、民主党支持の票が動かないという問題に直面している。アメリカ政治が混迷しているのは、共和党、民主党が戦略を描けないだけでなく、アメリカ国民が利益よりも怒りと理念に分断しているからだ。

  • ある意味で、日本の政治の良い部分と悪い部分を集めたような政党だった。一方で理想と理念があり、それに基づいた政治を実現しようと清濁併せのむ度量もあったが、他方で、志を同じくする政治家だけで政党を作ろうとし、結局、政党を大きくすることなく小選挙区制に飲み込まれるという形で消え去ることになった。さきがけで育った政治家が様々な要職に就くことになったが、こうした理念に動かされつつも権力を握るというところにエネルギーを注ぐことが出来なかった。

  • いくつか引っかかりのある記事。まず宇宙資源についての法制度を最初に整備したのは日米ではなくルクセンブルク。その後UAEが続いている。先進国対途上国というような図式で見るのは適切ではない。また、アルテミス合意はあくまでもアメリカの背丈に合わせて作られたもので、中国が乗りやすいとは言い切れない。中国はむしろ資源の独占と月面での永続的な居住を視野に入れているため、アルテミス計画とは根本的に目指しているものが違う。アメリカは究極的には火星を目指すのであり、月面に居住することを目的としているわけではない。

  • これまで高分解能の衛星画像を販売するビジネスはあったが、NTTデータのような、利用者が販売代理店の役割も担うというのは新しい試み。自らの事業に利用するデータであり、それを自社のビジネスに乗せていくというのは、今後も新しいトレンドになっていくだろう。これまで衛星画像のビジネスの広がりはどうしても供給者と需要者の間をつなぐことが困難であったが、データビジネスの産業が間に入ることで、より衛星データの利用が活発化されることを期待したい。