【鈴木一人】投稿一覧

鈴木一人

東京大学 公共政策大学院 教授

東京大学 公共政策大学院 教授

2000年、英国サセックス大学ヨーロッパ研究所博士課程修了。筑波大学専任講師・准教授、北海道大学教授を経て、2020年から現職。2013−15年に国連安保理イラン制裁専門家パネル委員。内閣府宇宙政策委員会宇宙安全保障部会委員、日本安全保障貿易学会会長、国際宇宙アカデミー正会員。主著に『宇宙開発と国際政治』(岩波書店)など。
【注目するニュース分野】国際政治、科学技術政策、宇宙政策

2000年、英国サセックス大学ヨーロッパ研究所博士課程修了。筑波大学専任講師・准教授、北海道大学教授を経て、2020年から現職。2013−15年に国連安保理イラン制裁専門家パネル委員。内閣府宇宙政策委員会宇宙安全保障部会委員、日本安全保障貿易学会会長、国際宇宙アカデミー正会員。主著に『宇宙開発と国際政治』(岩波書店)など。 【注目するニュース分野】国際政治、科学技術政策、宇宙政策

12月3日

  • 日本国内で稼働した実績があるわけではないが、今のところ、SMRを稼働させた経験は誰も持たないので、日立が取ってきてもおかしくない案件と言えるだろう。ただ、SMRの技術は原子力潜水艦や原子力船などの小型原子炉の経験が役に立つと考えられるため、そうした経験を持たない日本の企業が受注したというのは大変興味深い。

  • 感染症対策のディレンマは、感染力や毒性がわからない間は、予防的措置としてかなり厳しい措置を取るが、実際のデータが集まってきて、感染力や毒性がそれほど深刻ではないとわかっても、最初に取った厳しい措置の印象が強く、対応の緩和をすることが難しくなる、ということである。しかし、そうしたディレンマを抱えつつも、現時点で厳しい措置を取ることは間違いではなく、データが出てきて状況が明らかになる中で、きちんとしたコミュニケーションを取っていくしか方法はないのだろう。その意味でも適切な情報を提供し、人々の印象を形作るメディアの役割は大きいと思う。

  • ツイッター上で議論したテーマなので、詳細はそちら(https://twitter.com/KS_1013/status/1466562439852736516)を参照していただきたいが、重要な論点は、予備選が党内の一部の強固な支持者を持つ候補に有利に働くが、結局、支持は全国的に広がらず、選挙には勝てない、ないしは極端な候補ばかりが出る本選になってしまう、という問題が起きる。予備選は、政党の政治家を育て、選ぶという機能を失わせ、直接民主主義的な形でポピュリストを育てていくという傾向をもたらすリスクがある。

  • 歴史の書き換え方には様々な方法がある。インドを支配し、インドでは忌み嫌われる東インド会社をインド人が買収することで、過去の歴史を書き換えていくというポジティブなものもあれば、過去の支配に対して賠償を求め、その犠牲を強調することで対立を際立たせるというものもある。できれば、こうしたポジティブな形で歴史上の確執を乗り越えてほしいものである。

12月2日

  • いろいろと考えるところのあるインタビュー。それでも自民党内の団結を乱すような発言を避けているのはさすが、といったところか。話題にもなった「台湾有事は日本の有事であり日米同盟の有事だ」という一言は、安全保障の現実から考えれば妥当な発言。台湾に対して中国が武力侵攻するなら、台湾を支援する能力を持つグアムと在日米軍基地を叩くのは軍事的なセオリー。台湾で本当に有事が起こったら、日本が攻撃の対象になるのは避けられないだろう。

  • 領土問題に関する主張は一度引き下がると永遠にそこから挽回できなくなるので、とにかく突っ張り続けないといけないという問題はあるが、それにしても台湾の問題についてはあまりにも神経質な中国。まあ、そうやって神経質になってでも台湾を自らの国土と認めさせ、究極的には台湾との統一を目指すということなのだろうが、こうやって突っ張り続けることで失っていく国家の威厳や信頼感ということには気を配らないのだろうな…。

12月1日

  • 各国の規制の問題もあるが、コンビニが持つ便利さやサービスの多様さは他の国では見られないもの。東アジア、東南アジアをはじめとして、日本のサービスが世界標準となって広がった一例。ただ、世界標準となっても、それを利益に還元できるか、その優位性を保つためにどうすればよいのか、という点でしばしば後手に回ることもある。デジタル化はその一つだろう。

  • 冷戦が終わってからのイギリスの情報機関は、これまで以上にオープンに、国民との接点を持ちながら、自らの活動の理解を得るという方向に進んでいる。なので「秘密主義で知られるMI6のトップが公開の場でスピーチするのは異例で、中国が切迫した脅威であることを強く訴える狙いがあったとみられる」という見立てとは少し違うと思う。もちろん中国の脅威が問題だと訴える狙いはあったと思うが、それ以上に、国民との距離が近づいているということをアピールするための演説だったと理解している。

  • 間違えてはいけないのは、外国人だから感染を広げる可能性があるというわけでも、日本人や長期滞在者だから安心というわけでもない。法律や人権の問題から入国を止めるわけにはいかない人たちは、きちんと検査し、隔離をするということが重要であり、入国を止めることが出来る人でも、日本にとって有益な人であれば隔離をしてもらい、検疫を過ぎれば国内で普通に生活することが認められるべきである。気を付けなければいけないのは、こういう措置を取ることで、外国人の入国に対する偏見が生まれないようにすること。国籍が感染を決めるわけではない。

  • これまで世界のデータポリシーは、アメリカ型の企業が閲覧履歴などを集めてビジネスに活用するもの、中国型の国家がデータを収集し、集中管理するもの、欧州型の個人のオーナーシップを重視し、個人がデータの使われ方を決めるもの、という三つのスタイルがあり、日本はアメリカ型を許容する形でデータポリシーを作ってきたが、それを欧州型に転換する措置。個人が拒否権を持つということで、データを活用することのハードルは上がるが、利用者である個人を保護する仕組みが導入されるというのは良いことだと思う。