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越野結花

国際問題戦略研究所(IISS) リサーチ・フェロー

国際問題戦略研究所(IISS) リサーチ・フェロー

慶應大学法学部政治学科卒、ジョージタウン大学外交政策学院で修士号を取得。米国ワシントンDCを拠点とする防衛・宇宙分野のコンサルティング会社、米戦略国際問題研究所(CSIS)日本部を経て、2020年1月から現職。ジャパン・チェア・プログラムの立ち上げや日本の防衛・安全保障政策の分析・発信を行う。
【注目するニュース分野】国際政治、安全保障

慶應大学法学部政治学科卒、ジョージタウン大学外交政策学院で修士号を取得。米国ワシントンDCを拠点とする防衛・宇宙分野のコンサルティング会社、米戦略国際問題研究所(CSIS)日本部を経て、2020年1月から現職。ジャパン・チェア・プログラムの立ち上げや日本の防衛・安全保障政策の分析・発信を行う。 【注目するニュース分野】国際政治、安全保障

2021年

  • これまでは米英から東京に出張する際、滞在期間が短いことも多かったので、契約している海外キャリアの海外プランを使用していました。しかし、日本のキャリアの携帯料金の大幅値下げ、さらには新型コロナで検疫が強化され、渡航先と帰国後の自主隔離期間のコストを踏まえて、一回の日本滞在期間が長期化したことで、日本滞在用に日本のキャリアのSIMカードを購入して年間契約をする方が得になりました(初年度無料の会社も)。実際、公共施設等のWi-Fiが整備されればされるほど必要な通信データ量は減るので、海外からの中長期日本滞在者或いは多数の短期日本滞在を行う出張者にとってもとても魅力的なオプションになりそうです。

  • 英国は幅広いハイリスクグループに対して、まず一回目の接種を行うという政策を採っているが、ロックダウンとの組み合わせによって一定程度死者数、重症化数、新規感染者数を減少させることに成功し、ワクチン政策は一定程度の成果を上げているのではないか。無事、2月中旬には、最もハイリスクグループの1500万人程度の接種を終えた。一週間に300万人超のペースを継続できれば、3月下旬頃、50歳以上グループも一回目の接種を終えることができる見通しだ。24時間体制で、接種を行うスタッフも医療関係の学生を含む幅広い人材層を活用して訓練を行うことで、高いスピードを維持させている。日本の接種体制は人材確保も重要な課題だ。

  • 同じ世論調査における、日米関係についての世論調査も興味深い。「中国や北朝鮮への抑止強化」や「新型コロナウィルス対策」等、国民が間近に感じられる安全保障課題における協力への期待が高い一方、日米の両首脳が優先課題として取り上げ、今後中長期的に国際政治の力学を変え得る脱炭素化やデジタル分野の国際ルール作りに向けた協力は18%と13%と低い。逆に、技術流出の防止等の経済安保への関心は比較的上位に入り、国民にとって中国への脅威認識が多面化したことの表れとも考えられる。記事はこちらから⇒https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE294150Z20C21A1000000/

  • 年々拡大する中国の海洋進出に対し、欧米諸国は同地域における連携強化し、中国をけん制する動きを見せている。特に、2016年に安倍政権によって打ち出された「自由で開かれたインド太平洋」構想の原則に同調する形で、仏・英・独・蘭等もインド太平洋政策を打ち出している。また、英国は最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を南西諸島を含む西太平洋に派遣することを決定し、独も軍艦を派遣計画を発表した。5月に日本、フランス、アメリカが初めて共同演習を行う計画が発表されたが、これらはすべて中国をけん制する強いメッセージという側面が強いが、有事の際に向けた連携の強化をも進展させている。

  • 日本国際問題研究所は、2019年に初めて「東京グローバル・ダイアローグ」を開催して、当時の安倍総理や茂手木外務大臣が基調講演を行い、欧米やアジア、中東地域の元政府高官やシンクタンクの所長等が各プレナリーに参加した。東京発で大規模なイベントが開催され、世界各地から注目されたことは、外交安保を重視し対外発信力強化に手掛けた安倍政権の一つの功績だ。2019年度版では、防衛研究所が防衛・安保部門で10位以内にランクインしたことが話題になった。しかし、パンデミック下で世界のシンクタンクのビジネスモデルも変化し、昨年は非公開な委託研究事業も多かった。その変化がどのように評価されているのか不透明さも残る。

  • 本日、茂木大臣がカナダに次いで二番目にブリンケン長官と外相会談を行ったが、日本の安倍政権が打ち出し、トランプ政権も使用した、「自由で開かれたインド太平洋」という表現を継続して使用し、同構想の実現に向けた緊密に連携を行うことで一致したことは重要な意味を持つ。「自由」で「開かれた」という表現は、これまで日米の地域における協力方針を示す言葉として用いられることが多かったが、現在では、オーストラリアやインド、ASEAN諸国に加え、フランスやドイツ、オランダ、英国のインド太平洋政策においても共有されている。バイデン政権下では、インド太平洋地域において、日米欧による連携への期待が一層高まる。

  • 半導体は「機微技術」であり、本来であれば国家がより介入をし、技術管理を行い、サプライ・チェーンの強靭化を図る技術分野であるが、市場に委ねた結果、日本や欧米諸国はその生産を台湾に過度に依存する構造ができた。新型コロナウィルスによるサプライ・チェーンのリスクや米中の戦略的競争における輸出規制強化等によって安定的供給を目指すため、西側諸国で政策調整を行う必要性が議論され始めているが、日本及び多くの欧米諸国が台湾との公式な外交関係を持たないことは、引き続き大きな壁となっている。

  • トランプ支持者が議会へ乱入し、その過程で四人の方が亡くなる惨事があったが、それでも民主主義的プロセスに基づいて、なんとかバイデン副大統領の当選が議会で承認された。罷免されることを恐れたのか、トランプ大統領も「秩序立った政権移行を行う」と声明を出した。中国等の権威主義体制を採る国は、今回の一連の動画を民主主義の失敗例として国内で広く取り上げている様だが、肯定的な見方をするとすれば、民主主義の制度やチェック・アンド・バランス機能はまだ維持されているという見方もできる。しかし、今回行動を煽ったトランプ氏の責任は重く、次の2週間の大統領の行動が注目される。残念で悲しい歴史に残る1日となってしまった。

  • ジョージア州の上院決選投票で、近年最も人口が増加しているアジア系アメリカ人の投票行動に高い注目が集まっている。NYT紙も、2020年に行われた大統領選挙でアジア系アメリカ人の投票率が前回の2016年と比べて約倍に増えたことを挙げ、選挙という点で大きな影響力を持つ可能性があると指摘している(割合としては、人口の4%程度)。台湾系アメリカ人実業家として民主党予備選挙に出馬し、注目が集まったアンドリュー・ヤンも、先月からジョージア州の現場で選挙の呼びかけを積極的に行なってきた模様。

  • 少なくとも2月半ばまで続く見通しである、3度目のロックダウンは、地域はイングランドに限定されているものの、学校も休校し、「運動のために外に出るのは一回まで」等、第一回目のロックダウンと同様の最も厳しいものとなった。ロックダウン中も感染拡大の歯止めがかからない今回の変異種は、実効再生産数が通常の0.4から0.7高い研究結果が報告され、実際のデータを見ても、東京より人口が約30万人少ないロンドンで、一日の新規感染者が1万人を超える状況だ(12月頭までは2500人程度)。入院患者数も第一波を超えている。今回の厳しい規制でどの程度抑えられるか、ワクチン接種をどの程度進められるかが注目される。