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各界エキスパートや日経の編集委員・論説委員が、注目ニュースにひとこと解説を投稿します。

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  • 第3回資産所得倍増分科会が行われ「資産所得倍増プラン(案)」が公表されました。資料2を併せて読むと、どういうイメージなのかがわかります。
    ◆資産所得倍増プラン(案)https://bit.ly/3Oxp6Et

    非課税期間の無期限化が実現すると、非課税期間を気にせず長期投資が可能となり、投資家には追い風。一方、制度の恒久化は「生涯の投資上限枠」を設けるため、どのくらいの上限枠になるのか、スイッチングが認められるかどうかが焦点です。ただ簿価管理になると金融機関のシステム改修負担も大きく、時間的に間に合うか。また、高齢者に投資してほしいから一般NISAの上限拡大とも読め、投資する必要のない高齢者まで営業攻勢を受けないか、は少々心配です。

  • 商標権。これは商品やサービスごとに誰かが名称やマークを登録すると(登録商標)、他の人はそれと似た名称やマークを使うこと(特にトレードマーク的に使うこと)が禁止される権利ですね。
    基本的に登録は早い者がちで知名度などは関係ありませんが、幾つか例外で「登録できない名称・マーク」があります。誰かの実名はその代表例で、理由は当然ですがある者が実名を登録してしまうと、他の人が実名でビジネスをする自由が害されるからですね。
    とはいえ、著名なデザイナーなどが実名を商標登録できないのは不便です。著名商標へのただ乗りを防止しながら、他の人のビジネスの自由も妨げすぎない、バランスのよい制度設計が望まれますね。

  • 現在、中国は台湾に対し以下のようにして圧力をかけている、(1)台湾に軍事侵攻できるだけの軍事力を持ち、それを演習などで見せつけること、(2)この記事にある「影響力工作」を行って台湾社会に浸透し、混乱を与えること、(3)経済制裁により台湾経済にダメージを与えることなどである。これらを通じて、台湾社会に独立や現状維持を諦めさせ、中国との統一を選択させたいのだ。ペロシ下院議長の訪台前後に中国が行ったのは、日常的に行っているこの(1)(2)(3)の拡大版だ。台湾側の備えは、何が偽ニュースかを公的機関が発表するなど周到だ。ただ問題は、この工作に効果がない時であり、その時中国は一層圧力を強化するだろう。

  • 以前もどこかで言ったことがあるが、結局、トランプは共和党にとって劇薬であった。先細りする共和党に「ラストベルト」の存在を発見させ、アイデンティティ政治に走り、労働者の利益を代表しなくなった民主党の地盤をかっさらうことが出来た。しかし、その共和党が民主党以上に利益をもたらすことは出来ず、「トランプ劇場」に酔いしれただけだった。ところがバイデン政権はトランプ政権がもたらさなかった経済的利益を提供しても、民主党支持の票が動かないという問題に直面している。アメリカ政治が混迷しているのは、共和党、民主党が戦略を描けないだけでなく、アメリカ国民が利益よりも怒りと理念に分断しているからだ。

  • アルテミス計画で人類が火星に行く前に、火星に微生物がいるかどうかだけでも明らかにしておきたいですね。10メートル掘れば微生物が見つかるかもしれないそうですが、隣の惑星を10メートル掘るのはかなり大変なのでしょう。土木業界などから、10メートル掘るためのアイディアが出てきそうですね。

  • IFRSがのれんを償却から減損テストに変更したのは2004年だ。その前後、欧州系企業で経営計画や予算の策定と執行管理を担当していて、のれんには毎期悩まされた。IFRSと米国会計基準の扱いの違いもあった。
    のれん(英語で goodwill)は、要はM&A時の買収価格とBS上の総資産との計算上の差額だ。その事業が売り手の元にあるよりも買い手の元にあったほうが将来キャッシュフローが大きくなると見込むから買収が成立する。しかし「見込み」は会計の世界観と相性が悪い。実務の実感としては、のれんはファイナンスの世界と会計の世界の間の辻褄あわせでしかなく、それを償却するとなるとさらに事業の実感から遠ざかる。

11月27日

11月26日