中国、半導体の分断で弱体化も 米規制が要所突く 3月31日 半導体の供給網は今後5〜10年で「中国」と「中国を除いた世界」に分断すると考えられる。中国は米国の規制に対応するため、半導体関連部材の国産化を推奨するだろう。欧米で流通するスマートフォンには米国や日本、台湾製の部品が増え、中国の製品には中国メーカーの部品が増えることになる。 米国による半導体を巡る対中規制の有効性を判断するには、最低でも5年はかかる。ただ半導体の製造装置に強みを持つ米国と日本、オ 中国、半導体の分断で弱体化も 米規制が要所突く
分断超す理念、試される民 国が産業競争を主導すれど 国際法・ルールと日本 サプライチェーン Think! エレクトロニクス 自動車・機械 3月31日 「ポケットの中のスパイ」――。中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」運営会社の周受資最高経営責任者(CEO)を米連邦議会に招いた23日の公聴会。質問に立った議員の発言は中国流への警戒にあふれていた。 だが、議会の焦りをあざ笑うかのように、米国でティックトックの拡大は続く。利用者は足元で1億5000万人を超え、2020年8月の1.5倍。浸透するから余計に警戒を呼ぶ。皮肉な連鎖が起 分断超す理念、試される民 国が産業競争を主導すれど
南アフリカ「西側諸国に負の感情」 中ロへの接近招く Think! 中東・アフリカ 3月30日 南アフリカ政府は、欧米から批判を受けてもなお中国、ロシアの海軍と共同で2月に軍事演習を実施した。南アの安全保障政策を考える時、複数の背景事情を分けてみる必要がある。南アは中立主義のもと、東西双方とそれぞれ長い関係を有してきたためだ。 南ア海軍は軍事的なリソースが限られるため、周辺で海賊対策をする中国海軍と協力する必要がある。南アはドイツ製の(自国艦隊や民間船舶を護衛する)フリゲート艦を4隻持つが 南アフリカ「西側諸国に負の感情」 中ロへの接近招く
公正なき成長、世界導けず 危うさ漂うグローバルサウス Think! 中東・アフリカ 3月30日 幹線道路が鉄道の線路をまたぐ橋のたもとに、奇妙な光景が広がっていた。放置された鉄道車両は優に100両を超す。まだ古びていない車両もあるが、しばらく使う予定はないらしい。 南アフリカの最大都市ヨハネスブルク。黒人差別アパルトヘイト(人種隔離政策)と闘った英雄、ネルソン・マンデラ氏の名を冠した大橋から見下ろした光景だ。 大量の車両が行き場を失った背景にあるのはお粗末な電力インフラだ。国営企業の腐敗で 公正なき成長、世界導けず 危うさ漂うグローバルサウス
多国間の通商枠組み、刷新を パリ政治学院教授 Think! ヨーロッパ 3月29日 企業はサプライチェーン(供給網)を世界に広げ続けてきた。供給網を通じた取引額が世界貿易に占める比率は1995年に35%だったが、2008年には50%に達し、その後も50%台で安定している。人件費の低い地域での生産などにより、供給網のグローバル化は経済の効率性を高めてきた。 しかし新型コロナウイルス禍により、供給網が分断するリスクが顕在化した。企業は効率性とリスクの健全なバランスを取り戻していくべ 多国間の通商枠組み、刷新を パリ政治学院教授
テキサスは訴える 「ESG+S」を探して Think! 3月29日 とりたてて特徴のない地味な建物だ。米南部テキサス州オースティンの州庁舎に今、世界の金融機関の関係者が引きも切らずに訪れる。 目当ては州の財政責任者、会計監査官のグレン・ヘガー氏。ESG(環境・社会・企業統治)マネーを批判する急先鋒(せんぽう)だ。その腹の内を探らなければ金融機関が投資のスタンスを決められずにいる。 ヘガー氏に言わせると「ESGは庭先をきれいにするだけのウソ。金融機関は国民に対して テキサスは訴える 「ESG+S」を探して
デジタル貿易、グローバル化の未来決める 3月28日 「グローバル化の終わり」という議論が目立つようになったのと並行し、新たな保護主義が広がっている。米国や日本は半導体産業などの自国回帰に巨額の補助金を投じ、輸出管理も厳しくしている。米国と欧州連合(EU)は脱炭素への移行でも巨額の資金で民間を支援する方針だ。 いずれの政策も「安全保障」や「環境保護」が目的だが、自国の産業を支えようとする意図が働きやすい面もある。「偽装された保護主義」と呼ばれる動き デジタル貿易、グローバル化の未来決める
米中さまよう「スーパーパワー」 求心力、力より理念で Think! 中国・台湾 3月28日 インドネシア政府に激震が走ったのは2022年12月だった。 「運営権の保有期間を50年から80年に延ばしたい」。中国系が4割出資する会社からの要請だ。求めに従えば、ジャワ島に建設中の高速鉄道は22世紀初めまで中国の影響下に置かれる。 18年完工ならず 15年にジョコ大統領が日本の提案を退けて中国を選んだ決め手の一つは、18年完工というスピードだった。しかし、当初の開業予定を4年過ぎても工事は続き 米中さまよう「スーパーパワー」 求心力、力より理念で
対中データ規制、TikTokだけでは不十分 米専門家 3月27日 中国による広域経済圏構想「一帯一路」は発展途上国のインフラ整備に資金を提供する役割を果たしてきたが、融資拡大によるリスクも生じている。数年前まで見られたような巨大プロジェクトが今後続くようには見えない。 一方、中国のテクノロジー輸出は映像解析などの分野で進んでいる。民間主導なのか、政府が影響力を持っているのかは見極めが難しい。ただ人権侵害を理由に米国が制裁を科す「杭州海康威視数字技術(ハイクビジ 対中データ規制、TikTokだけでは不十分 米専門家
人への投資、国開く礎に リカードの矛盾を超えて Think! ヨーロッパ 北米 3月27日 分断が進みながら融合の奔流も止まらない今日の世界。その先を描くとき、民主主義や権威主義というイデオロギーを超えたフェアネス(公正さ)の思想が重みをもつ。世界を動かす国や企業の振る舞いを問い直し、明日の世界「Next World」を探す。 星条旗がはためく建物に「競売」の看板。米中西部オハイオ州ビュサイラス。希代の発明王エジソンに連なるゼネラル・エレクトリック(GE)の照明を世に送り出した工場の跡 人への投資、国開く礎に リカードの矛盾を超えて