幸福先進国の光と影 映像で迫る「北欧の今」 ヨーロッパ 12月18日 連載「成長の未来図」の最新シリーズでは、記者がフィンランドやデンマーク、スウェーデンに足を運び、現地の様子を映像に収めてきました。「ノキア・ショック」を経てスタートアップを立ち上げた元ノキア社員、50代になってもリスキリング(学び直し)を続ける労働者、ジェンダー平等先進国であるがゆえの男女の悩み――。 今回は12月5日から配信した全4回の映像を1本にまとめて再編集。「北欧の今」を、臨場感ある映像 幸福先進国の光と影 映像で迫る「北欧の今」
男女平等が経済刺激 エスピン=アンデルセン教授 ヨーロッパ 12月17日 長い停滞にあえぐ日本経済が再び成長軌道を取り戻すために北欧から得られるヒントは何か。福祉国家を長年研究してきた政治社会学者イエスタ・エスピン=アンデルセン氏は、男女平等で生まれる新たな需要が経済を刺激すると話す。 ――北欧の安定成長に比べ、日本経済の低迷は深刻です。 「日本はこの30〜40年間、非常に停滞した状態が続いている。経済のダイナミズムを取り戻したいのであれば女性の社会的な役割の変革を推 男女平等が経済刺激 エスピン=アンデルセン教授
「若者の怒りを行動に」 デンマーク国会議員ホフダム氏 ヨーロッパ 12月16日 欧州でポピュリズム(大衆迎合主義)色の強い政権が相次いで誕生している。若者は政治にどうかかわるべきか。2019年にデンマーク史上最年少の22歳で国会議員になったアキマチルダ・ホフダム氏に聞いた。 ――なぜ若くして政治家を志したのですか。 「生まれ育ったデンマーク自治領・グリーンランドでの経験が大きい。国連児童基金(ユニセフ)が子どもで構成する若者会議をつくったとき、私も参加した。自殺や家庭内暴力 「若者の怒りを行動に」 デンマーク国会議員ホフダム氏
DXで起業に勢い スウェーデンデジタル庁エリクソン氏 ヨーロッパ 12月15日 スウェーデンは「世界デジタル競争力ランキング」(スイスのビジネススクールIMDまとめ)で2022年に3位に入るなど上位の常連だ。競争力を高める原動力はどこにあるのか。同国デジタル庁のアンナ・エリクソン長官に聞いた。 ――デジタル化を国の政策にどう位置づけていますか。 「小さな国であるスウェーデンの発展で原動力となるのは輸出だ。技術革新と起業家精神で先頭を走り、歴史的にこれを重視してきた。イノベー DXで起業に勢い スウェーデンデジタル庁エリクソン氏
高い税負担、労働政策で効果 スバーア・オーフス大教授 Think! ヨーロッパ 12月14日 デンマークは労働市場の高い流動性とセーフティーネット(安全網)を両立させた雇用政策で知られる。この「フレキシキュリティー」と呼ばれる政策は経済にどんな影響を与えているのか。デンマークの労働経済学者、ミカエル・スバーア・オーフス大学教授に聞いた。 ――フレキシキュリティーはどのように整備されてきましたか。 「1980年代、デンマークの失業率は10%以上に高まった。すでに導入されていた手厚い所得保障 高い税負担、労働政策で効果 スバーア・オーフス大教授
再起可能な「トランポリン経済」 経済学者 パーション氏 Think! ヨーロッパ 12月13日 北欧でスタートアップが成長している。なぜ北欧では新興企業に多くの人や資金が集まりやすいのか。スウェーデン産業経済研究所のラーシュ・パーション教授に聞いた。 ――北欧はスタートアップをどう育成してきましたか。 「スウェーデンは1990年前後に経済危機に陥り、構造改革を実施した。大企業や正規雇用労働者に有利になっていた状況を変えるため、新規参入規制を緩めたり税制を平等にしたりした。経済の立て直しに向 再起可能な「トランポリン経済」 経済学者 パーション氏
落ちても復活「トランポリン経済」 北欧の現場を歩く 経済 ヨーロッパ 12月11日 落ちて来る人をしっかり受け止め、決して沈んだままにはせず、何回でも上へ上へと跳び上がるチャンスをつくる――。「トランポリンのような経済」(スウェーデン産業経済研究所のラーシュ・パーション教授)の仕組みが北欧社会にはありました。スタートアップ、リスキリング、ジェンダー平等、そして民主主義。連載「成長の未来図」第3部では、日本が確かな成長力を取り戻すためのヒントを求め、フィンランドやスウェーデン、 落ちても復活「トランポリン経済」 北欧の現場を歩く
シリコンバレーと何が違う? スウェーデン起業家座談会 Think! ヨーロッパ 12月10日 北欧で次々とスタートアップ企業が生まれている。社会のセーフティーネットが充実した北欧の起業モデルは「ハイリスク・ハイリターン」を追求する米シリコンバレーとは少し様子が違うようだ。スウェーデン・ストックホルムにあるスタートアップ向けシェアオフィスで3人の起業家に語り合ってもらった。 エリック・ジャン氏 Eric Zhang(写真・右) スウェーデンの製紙会社などで技術者として勤務した後、2016年に シリコンバレーと何が違う? スウェーデン起業家座談会
日本の4倍、なぜデンマーク人は労働組合に入るのか Think! ヨーロッパ 12月9日 柔軟さと安全さを兼ねそろえたデンマークの労働市場モデルは「フレキシキュリティー」と呼ばれる。主役は政府ではなく、経営者団体と労働組合の協調体制。スキルアップや転職に役立つ実用的なメニューは働く人たちにとって魅力的だ。デンマークの労組参加率が約7割と日本の4倍近くに達する理由の一つがここにある。 ■「最低賃金はない」 デンマークの労働問題を現地で取材すると、よく話題にのぼるのが「デンマークには法定 日本の4倍、なぜデンマーク人は労働組合に入るのか
「いかに学ぶかを学ぶ」 フィンランド教育の鉄則 Think! ヨーロッパ 12月9日 世界でトップレベルといわれるフィンランドの教育政策。ポイントの一つに「いかに学ぶかを学ぶ」というものがある。それは大人になってからのリスキリング(学び直し)までを視野に入れた考え方だ。 偏差値はない 10月上旬。ヘルシンキ郊外のエスポー市にあるポホヨイス・タピオラ小学校をたずねた。 「ランプの温かさをエネルギーとして活用するにはどうしたらいいでしょう」 6年生の理科の授業。先生がお題を出すと児 「いかに学ぶかを学ぶ」 フィンランド教育の鉄則