曖昧な「排出ゼロ」目標 主要企業4割が対象一部除外 特報 経済 環境エネ・素材 調査報道 2月2日更新 企業が掲げる温暖化ガスの「排出実質ゼロ」目標の対象範囲がばらついている。日本経済新聞が国内主要企業に対象をたずねたところ、実質ゼロ目標を掲げる131社の4割弱で一部の排出ガスや事業・地域を除いていた。情報開示は自主性に委ねられているが「実質ゼロ」の内容を丁寧に説明しなければ、消費者や投資家は脱炭素の取り組みを正しく評価できなくなる。国際的なルールづくりが求められる。 ■国際認定機関は連結対象が基 曖昧な「排出ゼロ」目標 主要企業4割が対象一部除外
温暖化ガス削減目標、主要企業5割が全供給網を対象に 経済 環境エネ・素材 2月1日 日本経済新聞の調査では、温暖化ガス削減目標の対象とするサプライチェーン(供給網)の範囲についても聞いた。回答企業139社のうち55%が、調達する原材料の製造過程など供給網全体の排出量を対象に含めていた。温暖化対策の実効性を高めるにはこの範囲まで含める必要があるとされるが、半数弱は取り組みが道半ばだ。 削減目標の対象範囲は3つ。自社の排出を示す「スコープ1」、電力などエネルギー調達に関わる「スコー 温暖化ガス削減目標、主要企業5割が全供給網を対象に
脱炭素の目標、対外説明も曖昧 透明性の向上課題 経済 環境エネ・素材 調査報道 2月1日 多くの企業が掲げる温暖化ガスの「排出実質ゼロ」の目標については、対外的な説明が実際の算定条件を正確に反映していない場合もある。透明性確保に向けた基準作りが欠かせない。 NTTドコモは米国や英国の事業所は対象外であるにもかかわらず、ホームページなどで説明していない。NTTドコモは「規模が小さいため除外し、記載していない。詳しく理解してもらうよう適切な情報開示に努める」とする。 高島屋やミズノ、東洋 脱炭素の目標、対外説明も曖昧 透明性の向上課題
カーボンクレジット、健全な市場育成の条件とは Think! 商品 経済 環境エネ・素材 調査報道 ESG 9月21日 放置していれば伐採リスクがある森林の保護など、温暖化ガス排出量の削減効果に基づき発行される民間カーボンクレジット(削減量)。排出量実質ゼロを目指す企業のオフセット(相殺)手段として需要が増えているが、日本経済新聞の調べでは削減実績より過大に発行している疑いや保護活動の中断といった実態が浮き彫りになった。クレジット市場が温暖化対策の実効性を高め、健全なかたちで発展する条件は何か。認証機関や有識者、 カーボンクレジット、健全な市場育成の条件とは
カーボンクレジットに投機資金 仮想通貨に転換 Think! 経済 ESG 8月26日更新 温暖化ガス削減の成果に基づいて発行される民間カーボンクレジット(削減量)が投機対象になってきた。2021年秋に暗号資産(仮想通貨)に転換する仕組みが登場。投機筋が仮想通貨を入手・転売するためにクレジットを大量に買う動きが活発になった。22年5月までの仮想通貨と関係した取引は全体の9%に達した。排出量と相殺する本来の目的とかけ離れた需要が膨らみ、市場の不透明さが増している。 ■匿名集団の分散型ネッ カーボンクレジットに投機資金 仮想通貨に転換
「幽霊クレジット」を追え 脱炭素取引に浮かんだ謎 Think! 商品 環境エネ・素材 中南米 調査 ESG 6月17日 二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロをアピールするため、森林保護などによるCO2削減効果に基づくカーボンクレジット(削減量)を購入する企業が増えている。クレジット発行の根拠となった温暖化対策は本当に有効なのか。日本経済新聞は事業運営や森林保護の責任主体がたびたび変わり、活動を止めた中米地域の事業を発見し、6月11日に「脱炭素クレジット、漂う『幽霊』」と題した調査報道記事を電子版で発信した。「幽霊」の 「幽霊クレジット」を追え 脱炭素取引に浮かんだ謎
脱炭素クレジット、漂う「幽霊」 事業停止の実態見えず Think! 経済 環境エネ・素材 中南米 調査 6月11日更新 森林由来のカーボンクレジット(削減量)を巡る日本経済新聞の調べで、発行後に運営や森林保護の責任主体がたびたび変わり、活動を止めた「幽霊事業」が中米地域で判明した。企業など買い手が参照する認証データベースが実態を反映していないこともわかった。古い情報に基づいて在庫が取引され、代金が森林保護に回らなくなっている。温暖化抑制への寄与度を見極められず、質の低いクレジットをつかむリスクが浮かんできた。 脱炭素クレジット、漂う「幽霊」 事業停止の実態見えず
「CO2ゼロ」LNG、根拠薄く 水増し疑い削減量で相殺 Think! 経済 環境エネ・素材 東南アジア ヨーロッパ 調査 3月28日 二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロと銘打つ液化天然ガス(LNG)が日本で出回り始めた。森林保護や再生可能エネルギー導入事業で創出されたカーボンクレジット(削減量)を組み合わせ、燃焼までに出るCO2を相殺する製品だ。ところが日本経済新聞の調べによると、一部で実際の削減量より過大に発行した疑いがある事業のクレジットが使われていた。買い手がCO2相殺の実態をチェックできるルール作りを急ぐ必要がある。 「CO2ゼロ」LNG、根拠薄く 水増し疑い削減量で相殺
カーボンニュートラルLNGとは 生産から燃焼のCO2相殺 調査 3月28日 ▼カーボンニュートラルLNG 天然ガスを冷却して液体にした液化天然ガス(LNG)は、生産地からタンカーで輸送され、消費地に供給される。石炭と比べれば燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量は半分ほどだが、生産から輸送、発電用の燃焼までに1隻分あたり合計20万~25万トンのCO2が発生する。その分をカーボンクレジット(削減量)を購入して相殺し、「排出ゼロ」と見なす。 クレジットは植林や再生可能エネルギー カーボンニュートラルLNGとは 生産から燃焼のCO2相殺
CO2削減量クレジット「見切り品」に特需 質より安さ 経済 東南アジア ヨーロッパ 調査 2月11日更新 温暖化ガス削減効果が不透明な民間カーボンクレジット(削減量)が活発に売買されている。日本経済新聞が世界の取引データを分析すると、排出量と相殺された分の4割が削減効果の出た時点から5年を超えていた。森林保護などが計画通り続いているかの監視が不十分な古い「見切り品」の特需が生まれている。継続的な審査などで透明性を高め、良質なクレジットに資金が流れる仕組みをつくる必要がある。 ■止まった森林保護計画 CO2削減量クレジット「見切り品」に特需 質より安さ