ラジオ・銭湯… 「懐かしい」だけでない魅力とは コラム 1月9日 昭和期に人気を集めたり、親しまれたりし、その後下火になったと思われていたものが、令和の世に若者たちの注目を集めています。「ノスタルジー」では片付けられない、新たな魅力や価値が見いだされたようです。若い世代を引き付けたものを見つめた連載「トキコエテ」5回分の記事と、インタビューをまとめました。 第1回 ラジオ 第2回 銭湯 第3回 短歌 第4回 社内行事 第5回 フィルムカメラ ラジオ・銭湯… 「懐かしい」だけでない魅力とは
色あせる「記憶」が宝 フィルムカメラ、加工しない尊さ Think! コラム 1月3日 「デジタルでは味わえない色味、光り方がある」。埼玉県に住む大石俊太郎さん(36)は昨年12月中旬、なじみの三葉堂写真機店(東京・荒川)に足を運んだ。お目当てはフィルムカメラで撮った旅先の写真。雪の日の1枚を見ながら「ストロボで撮るといいですね」と店員と会話を弾ませた。 写真を撮るのは長らくデジタルカメラやスマートフォン。ここ3年ほどの新型コロナウイルス禍で一人の時間が増え、フィルムカメラ風の設定 色あせる「記憶」が宝 フィルムカメラ、加工しない尊さ
あえて「遠回り」がフィルムカメラの魅力 小山薫堂さん 1月3日 放送作家の小山薫堂さんは普段からカメラを持ち歩き、印象に残った風景を切り取っているという。スマートフォンが普及し気軽に撮れるようになったいま、なぜカメラを持つのか。小山さんは現像までの時間といった「遠回り」に魅力を感じる人が増えてきたのではないかと分析する。 ――どういうときにカメラで撮るのでしょうか。 「散歩の時に撮影することが一番多い。あとはレストランに食事に行くときにシェフを撮影して後でプ あえて「遠回り」がフィルムカメラの魅力 小山薫堂さん
運動会ではじめまして 体験共有でチーム構築 コラム 1月2日 「イチ、ニ、イチ、ニ」。2022年12月下旬のある日、千葉県君津市の廃校を利用したキャンプ場の体育館に、日本や東南アジアから20~30代の男女約20人が集結。そろいのポロシャツ姿にハチマキを締めて「二人三脚」に汗を流していた。 表情は真剣そのもので、玉入れ競争や大縄跳びも白熱した。 19年創業の教育系スタートアップ、マナビーが初めて開いた「社内運動会」だ。シンガポールに本社を置き、社員の出身国も 運動会ではじめまして 体験共有でチーム構築
「社内行事、心理的安全性高めるきっかけ」 1月2日 風通しのよい企業風土をつくるため、部活動や合宿などの社内行事を始める会社が出てきている。組織がフラットに議論できる「心理的安全性」の構築について企業に助言をするZENTech(東京・中央)の代表取締役で、心理的安全性に関する著書もある石井遼介さんに聞いた。 ――オンライン運動会や、経営会議にレクリエーションを取り入れた合宿を始めた企業があります。背景には企業のどんな意識があると思いますか。 「 「社内行事、心理的安全性高めるきっかけ」
「『オンリーワン』探し、アイドルと短歌は似ている」 コラム 1月1日 アイドルは歌うだけでなく、短歌も詠む。昭和初期から短歌月刊誌を発行する老舗の短歌研究社(東京・文京)は2021年に「アイドル歌会」の企画をスタート。回数を重ねるたびに盛況だ。等身大で詠んだ一首は選者のベテラン歌人にも好評を博す。人気アイドルグループ「でんぱ組. inc」メンバーで、歌会常連の鹿目凛さんに短歌の魅力について聞いた。 ――短歌との出合いはいつですか。 「もともと川柳が身近で、つくるこ 「『オンリーワン』探し、アイドルと短歌は似ている」
31音、スマホで共感の輪 短文文化の若者「いいね」 コラム 1月1日 家族が寝静まったキッチン。高校2年の酒井宏太郎さん(17)はスマートフォンを手に思いを巡らす。ふと冷蔵庫の横に押し込まれた紙袋の束が目に留まった。友達とLINEで推敲(すいこう)を重ね、一首を仕上げる。 モータルな隙間デパートの紙袋だけ詰め込んで隠そうとする 家の中の「致命的(モータル)な」空間を、人間の「欠点」の隠喩として詠んだ。 筑波大付属高校の酒井さんが同級生と結成したチームは2022年8 31音、スマホで共感の輪 短文文化の若者「いいね」
「コロナ禍、日常の小さな喜び短歌で表現」 コラム 1月1日 若い世代で短歌を詠む人が増えている。ツイッターなどのSNS(交流サイト)で五七五七七をつぶやき、書店では新人歌人の本が異例の売れ行きをみせる。高校生の短歌大会も盛況だ。歌集「サラダ記念日」で一大ブームを巻き起こした歌人の俵万智さんに背景と短歌の魅力を聞いた。 ――若い人の間で「短歌ブーム」とも言える動きが広がっています。何が背景にあるのでしょうか。 「色々なコンクールや短歌大会で選考委員を務めて 「コロナ禍、日常の小さな喜び短歌で表現」
「銭湯はコーヒー1杯分ですばらしい癒やし体験」 12月31日 後継者不足などで銭湯は姿を消しつつある。一般社団法人、日本銭湯文化協会の「銭湯大使」として活動するフランス人のステファニー・コロインさんは、これまでに1000軒以上を巡り、国内外に向けて魅力を発信してきた。外国人からみたこの日本特有の文化について話を聞いた。 ――銭湯が人を引きつける魅力はどこにあるのでしょうか。 「銭湯はほとんどが昭和時代の家族経営で地域に根付いてきた存在。だからこそ『信頼』が 「銭湯はコーヒー1杯分ですばらしい癒やし体験」
自分盛らぬ「ぬるめ」の関係 銭湯でスマホ手放し脱日常 コラム 12月31日 東京都杉並区に住むIT(情報技術)関連企業で働く斎藤萌音さん(23)は帰宅すると、「小杉湯」へ向かった。番台に軽くあいさつをすると、湯けむりのなかへ。周りを見渡すと同年代の女性も少なくない。 「このへんに住んでいるの?」と知らない人から問いかけられる。斎藤さんが「結構遠いんです」と返すと、会話が自然と膨らんでいった。「肩書を気にしないで、誰かよく分からない人と損得のないコミュニケーションがとれる 自分盛らぬ「ぬるめ」の関係 銭湯でスマホ手放し脱日常