応援団、「やじ隊」から模範生に オリジナル曲の作成も 生活 1月22日 受験生やスポーツに打ち込む選手の背中を押す「学生応援団」は明治時代、旧制高校や大学の誕生とほぼ同時期に現れた。当初はやじや乱闘など荒っぽい面もあったが、徐々に学生の模範となる振る舞いを意識するようになり、応援の型も確立した。第2次世界大戦後は応援の形態も多様化し、オリジナルの応援歌も生まれた。 柔道着の団員も 学生応援団の起源には諸説ある。旧制第一高等学校の寄宿寮史「向陵誌」によると、1890年 応援団、「やじ隊」から模範生に オリジナル曲の作成も
100均、原型は江戸の「十九文見世」 戦前は10銭ストア 生活 1月15日 値上げが相次ぐ昨今、家計にありがたい存在の100円ショップ(100均)。「不景気に強い」とされる100円ショップは半世紀前に移動販売や催事販売から生まれ、不況期に拡大してきた。その原型となった均一価格店は江戸時代にまで遡ることができた。 価格表の確認が手間 100円ショップはいつ誕生したのか。まず業界最大手の大創産業(広島県東広島市)に聞いてみた。広報課の岩橋理恵さんは「ダイソーの源流は、197 100均、原型は江戸の「十九文見世」 戦前は10銭ストア
軟式野球は大正期に京都で誕生 ゴム靴底に着想、安全に 京都 関西 生活 12月25日 野球が米国から日本に伝わって150年。国民的スポーツとして今も人気を誇る。硬式球を使うプロ野球選手も、子どもの頃に触れていたのは軟式球だったはずだ。実は、軟式野球は大正時代に京都で生まれた。 京都市にある旧成徳中学校校舎の玄関脇に、バットとグローブを持った少年の像がある。「軟式野球発祥の地」を記念し、建てられた。1919年(大正8年)、日本初といわれる軟式野球大会がここで開かれた。 野球は187 軟式野球は大正期に京都で誕生 ゴム靴底に着想、安全に
キャラクター、江戸時代に原型 明治期に各企業が採用 生活 12月18日 アニメや漫画が盛んな日本では、独自のマスコットキャラクターをPRに用いる企業や自治体が多い。明治時代から100年以上、同じキャラクターやシンボルを活用するケースもある。キャラクタービジネスの原点を調べると、江戸時代の役者絵・美人画などの錦絵や黄表紙(絵入り小説本)などが影響していた。 ■歌舞伎役者などを絵に 原点の一つとみられているのが、江戸時代の広告に歌舞伎役者や美しい女性などが活用されたこと キャラクター、江戸時代に原型 明治期に各企業が採用
おせち、戦前は都会人のたしなみ 大正時代は刺し身も 生活 12月11日 元旦に重箱を開け、エビや黒豆、紅白かまぼこなどの華やかな料理を楽しむ――。多くの人が思い浮かべる伝統的なおせちが定着したのは昭和以降だという。第2次世界大戦前は都市の住人として認められるためのたしなみの位置づけで、大正時代には刺し身や吸い物の具が詰められるなど試行錯誤もあった。 語源は節目の日に供える料理「節供(せちく)」とされる。おせちの歴史を研究する日本正月協会の今成優太代表は「節供は奈良時 おせち、戦前は都会人のたしなみ 大正時代は刺し身も
冷凍食品、魚介類の凍結から 家庭用は手間なく茶碗むし Think! 生活 12月4日 食卓に欠かせない存在になった冷凍食品。新型コロナウイルス禍による巣ごもり生活を機に買う人も増え、需要が拡大している。日本の食品冷凍事業は約100年前、魚介類を凍らせることから始まった。温めるだけで食べられる家庭向け調理冷凍食品が登場したのは1950年代だ。背景に「手間をかけずに食事をつくりたい」という主婦の願いがあった。 ■マグロ、イカ、サバなどを関東方面に出荷 山口県出身の実業家・葛原猪平氏は 冷凍食品、魚介類の凍結から 家庭用は手間なく茶碗むし
ボーナス、岩崎弥太郎が先駆け 封筒が立ったバブル期 11月27日 ボーナスのシーズンが迫ってきた。今年は新型コロナウイルス禍の影響が小さくなり、業績が上向いた企業も多く、胸は膨らむ。ボーナスが国内で制度化されるきっかけとなったのは、明治時代に社員らをたたえた岩崎弥太郎による「心付け」だったといわれる。 冬のボーナスが支給される12月はクリスマスや年末が重なるため百貨店にとってはかき入れ時。三越伊勢丹ホールディングスの広報担当者は「近年は消費の二極化が進み、高額 ボーナス、岩崎弥太郎が先駆け 封筒が立ったバブル期
人間ドック、船の点検から発想 戦後に健康意識高まる Think! コラム 11月20日 年齢を問わず、定期的に「人間ドック」を受けている人は多いだろう。この健康診断システムは日本独自の仕組みだ。始まったのは戦後の混乱が収束し、生活習慣病が注目されてきた1954年。その名称の由来は船の点検施設にあり、人々の人生という「航海」の安全を願う医療関係者の思いが込められている。 「そんなけったいなもんに入ったら、何されるやわからしまへんしな」。58年公開の映画「彼岸花」(小津安二郎監督)では 人間ドック、船の点検から発想 戦後に健康意識高まる
漫才、江戸時代は農家の副業 話芸昇華に作家の熱意 Think! 生活 11月13日 年末には日本一の若手漫才師を決める「M-1グランプリ」が開かれる。現在はコンビが軽妙な掛け合いで笑いを誘う「しゃべくり漫才」が一般的だが、起源は伝統芸能の「萬歳」にあり、江戸時代は農民の副業だったという。わい雑な内容から、家族で楽しめる話芸に昇華した陰には、一人の作家の熱意があった。 もともとは「萬歳」 伝統芸能の萬歳は古くは平安時代の「新猿楽記」にも表記がある。「才蔵(さいぞう)」役と「太夫( 漫才、江戸時代は農家の副業 話芸昇華に作家の熱意
学校の上履き、バレエ靴に発想 脱ぎ履きしやすく安価 生活 11月6日 朝登校したら、げた箱で履き替える上履き。小学校での思い出がある人もいるだろう。上履き用の靴は戦後10年以上してから登場し、甲の部分にゴム製バンドが一本ついた形が普及していった。原型になったのは踊りのバレエ用の靴だった。 一般に普及する上履きとほぼ同じ形の靴が、大手靴メーカーのムーンスターから発売されたのは1958年だ。「バレエシューズバンド付き」という形で売り出された。 ■甲の部分にゴムバンド付 学校の上履き、バレエ靴に発想 脱ぎ履きしやすく安価