中国が隠したい真実 100年目の秘密主義 Angle Think! 6月24日 「デジタル・フォレンジック」と呼ばれる技術を初めて耳にした人も多かったのではないか。 パソコンやスマートフォンから消されたり、書き換えられたりした電子メールなどの情報を復元する。2020年7月の東芝の株主総会に関する弁護士の報告書は、この技術を駆使して同社と経済産業省の生々しいやり取りを世にさらした。 報告書によると、東芝側には電子メールをほとんど使っていなかった関係者がいるという。前社長兼最高 中国が隠したい真実 100年目の秘密主義
国際課税ルール、危機が促す大転換 100年前との相似 税・予算 6月10日 税制の大転換は、戦争や技術革新など経済構造の変化とセットで起こる。 新型コロナウイルス禍から抜け出しつつあるなか、世界の約140カ国・地域が、デジタル課税と法人税の最低税率のルール交渉をしている。世界は新型コロナとの闘いに巨額の財政を出動させ、経済のデジタル化に直面している。議論している国際課税ルールの原型はおよそ1世紀前、第1次世界大戦後の国際連盟において生まれたものだ。 当時の状況も今に重な 国際課税ルール、危機が促す大転換 100年前との相似
高橋是清の無念 未完に終わった「積極財政」 コラム 6月3日 「日本のケインズ」と呼ばれた政治家がいる。大正から昭和の時代にかけて、首相や蔵相を務めた高橋是清である。 日本経済を幾度も危機から救った。真骨頂を発揮したのは、1931年末に発足した犬養毅内閣で蔵相に就いたときだ。 米ニューヨーク株の暴落から始まった大恐慌に、世界がもがいていた。当時の高橋はすでに77歳。3カ月前の満州事変で社会が騒然とするなか、深刻なデフレに陥った日本経済の立て直しを託された。 高橋是清の無念 未完に終わった「積極財政」
パリに差す京都の影 脱炭素「途上国優遇」が生む危うさ Think! 経済 環境エネ・素材 中国・台湾 北米 5月20日 バイデン米大統領が主導した4月の気候変動サミットはかつての京都議定書をほうふつとさせる「先進国」対「途上国」の構図が浮き彫りとなった。対立はパリ協定を京都議定書のように瓦解させる危うさをはらんでいる。 温暖化ガスの削減目標の上積みを積極的に表明したのは日本、米国、カナダなどだった。一方、途上国のリーダーを自負する中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は「先進国はより大きな行動を示すべきだ」と強調 パリに差す京都の影 脱炭素「途上国優遇」が生む危うさ
宇宙デカップリングの悪夢 米中対立の新たな舞台 コラム 5月13日 宇宙への夢は尽きない。国際宇宙ステーション(ISS)に半年近く滞在した宇宙飛行士の野口聡一さんが2日、米スペースXの宇宙船「クルードラゴン」で地球に帰還した。 ISSにはもう一人の日本人飛行士、星出彰彦さんが船長として残る。 「日本人同士で引き継ぎができることがとてもうれしい」。野口さんは4月下旬、地球から到着したばかりの星出さんに、赤いたすきを手渡した。 ISSを舞台にした日本人飛行士の活躍に 宇宙デカップリングの悪夢 米中対立の新たな舞台
日本に欠ける「政策データ主義」 コロナ禍でも浸透せず 経済 4月29日 新型コロナウイルスの感染拡大によって、主要国政府はデータや科学を重視する姿勢をこれまで以上に強めている。バイデン米大統領も、エビデンス(証拠)に基づく政策立案(EBPM)を採用するよう大号令をかける。日本はワクチン接種だけでなく、コロナ禍での学びでも海外から引き離されかねない。 日本では3度目の緊急事態宣言が出され、2年連続で連休中の自粛が要請された。そんななか「いくらなんでも少なすぎる」と1日 日本に欠ける「政策データ主義」 コロナ禍でも浸透せず
「脱亜入米」に映った首脳会談 対中国、通じぬ政経分離 米中衝突 日米首脳会談 コラム 経済 4月22日 私事になるが、このほど4年間の北京勤務を終え、4月半ばに帰国した。新型コロナウイルスの感染対策で、いまはまだ自宅で2週間の隔離中だ。 月末まで外には出られない。それでも、言論統制が強まる中国を離れ、ふつうの世界に戻ってきた解放感をかみしめている。 なにより、グーグルやヤフーであらゆる情報を検索できるのがうれしい。LINEやフェイスブックなどのSNS(交流サイト)を使えば、親しい人と気ままにものを 「脱亜入米」に映った首脳会談 対中国、通じぬ政経分離