上がらぬ米長期金利、「謎」か警告か 日経ヴェリタスセレクト コラム 株式 為替・金利 編集委員 学ぶ 12月27日 米国の長期金利が奇妙な動きを見せている。利上げ加速が視野に入って以降、10年物国債利回りはむしろ低下(債券価格は上昇)している。低金利の持続は株高の下支えとなる半面、債券市場で深まる「謎」には2022年の波乱の気配も漂う。 米10年債利回りは足元、節目の1.5%を割りこんでいる。市場では「イベント通過」を金利低下の理由に挙げる声が多い。パウエル氏の米連邦準備理事会(FRB)議長再任や12月の公開 上がらぬ米長期金利、「謎」か警告か
「荒れる市場」常態化の予兆 米株傾斜の個人に試練 Market Beat グローバルマーケット コラム 株式 編集委員 12月12日 株式市場の価格変動リスクが高まっている。新型コロナウイルスやインフレの動向を巡って株価が大きく上下に振れ、「恐怖指数」の異名をもつ米VIX指数が跳ね上がる場面が目立ってきた。2022年に向け、経済とマーケットの正常化が招く「波乱の常態化」への備えが米国株に傾斜する個人マネーの正念場となりそうだ。 「世界的に株式のボラティリティー(価格変動率)が切り上がるのを覚悟しておく必要がある」。ピクテ投信投 「荒れる市場」常態化の予兆 米株傾斜の個人に試練
インフレ・デフレ論、「どちらもあり得る」の呪縛 日経ヴェリタスセレクト 日経ヴェリタス コラム 株式 為替・金利 編集委員 学ぶ 11月1日 インフレの先行きについて、市場関係者の見方が割れている。原油など国際商品の高騰からインフレ到来を予期する声がある半面、中国経済の成長鈍化によるデフレ警戒論も根強い。両極端なリスクの綱引きはマーケットの不安定要因になりかねない。 ■供給不足と物流費上昇 「供給網の逼迫は優に2022年まで続くだろう」。エネルギー問題の権威、ダニエル・ヤーギン氏が最近、こんな悲観論を示した。バイデン政権が働きかけた米 インフレ・デフレ論、「どちらもあり得る」の呪縛
「低温経済」が示す投資家受難 株偏重、膨らむリスク 株式投資 国債・社債 増やす 10月4日 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対応で利下げなど金融緩和が進み、世界の長期金利が歴史的な水準まで切り下がっている。米国が緩和の「出口」を探るなかでも金利上昇の勢いは鈍い。「経済の温度計」と呼ばれる長期金利の低迷は投資や経済の常識の見直しを迫る。 ■米金利上昇も「正常化」に距離 「望ましい環境が2022年末までに整うとみている」。先月下旬。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議 「低温経済」が示す投資家受難 株偏重、膨らむリスク
中国の時限爆弾、世界も共犯 恒大ショックで株急落 日経ヴェリタスセレクト 日経ヴェリタス コラム 株式 為替・金利 中国・台湾 編集委員 学ぶ 10月3日 中国不動産大手・恒大集団の債務問題がマーケットを揺さぶっている。米国債の債務不履行懸念も重なり、日経平均株価は3万円の節目を大きく割り込んだ。投資家は長年目をそらしてきた中国の不動産バブルという「灰色のサイ」の震度と深度を測りかねている。 「本当は、中国は成長率を2~3%程度、できれば一時的にゼロ近辺に落とすべきなんですよ」。7年ほど前、取材を終えた中国ウオッチャーが別れ際につぶやいた。固定資 中国の時限爆弾、世界も共犯 恒大ショックで株急落
日経平均3万円、サプライズ多発が作る奇妙な均衡 コラム 株式 編集委員 9月13日 レオス・キャピタルワークスの藤野英人会長兼社長は、菅義偉首相が自民党総裁選への不出馬を表明する直前まで、旗艦ファンド「ひふみ投信」の現金比率を高めて守りの構えをとっていた。休暇中に飛び込んだ大ニュースにすぐさま大型株の買い指令を出した。「完全に予想外だったが、株価が爆騰するのは明白だった」 【関連記事】・「コロナでも投資から逃げない」レオスの藤野英人氏 マネーのまなびライブ第7弾「教えて藤野さん& 日経平均3万円、サプライズ多発が作る奇妙な均衡
財政リスクの「警鐘」ならず 無風CDS「日本化」映す グローバルマーケット Market Beat Think! 海外 編集委員 9月5日 ■財政膨張でも国の信用力への市場評価高まる ■国債市場安定と共存、先進国経済が「日本化」 ■財政政策はMMTの様相、先行きに警戒 財政リスクの「警鐘」ならず 無風CDS「日本化」映す
FRB議長の「値踏み」 ジャクソンホールの隠れた焦点 日経ヴェリタスセレクト 日経ヴェリタス コラム 株式 為替・金利 編集委員 学ぶ 8月23日 マーケットの夏の風物詩、ジャクソンホール会議が迫ってきた。2021年もオンラインによる開催で、会期は8月27日のみに短縮された。注目はやはり米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演。FRBはここまで、金利上昇警戒論をなだめ、米国株高を演出してきた。市場との対話に死角はないか。 「何も言えない」「内容は言いたくない」。7月末、ジャクソンホールでの講演についての質問に、パウエル氏は沈黙を貫いた FRB議長の「値踏み」 ジャクソンホールの隠れた焦点
低金利は恵みか呪いか 膨らむバブルと格差の火種 日経ヴェリタスセレクト コラム 株式 為替・金利 編集委員 学ぶ 7月12日 米国の長期金利の上昇に急ブレーキがかかってきた。低金利は、株式相場を下支えし、財政出動の負担を軽減する面では朗報だ。だが、成長や物価が低迷する「経済の低体温症」の前兆だとすれば、喜んでばかりもいられない。 米長期金利の指標の10年物国債利回りは前週に一時1.3%割れまで低下(債券価格は上昇)した。昨夏の約0.5%から3月の1.7%台まで半年ほどで駆け上がった後の急減速で、金利上昇局面はいったん収 低金利は恵みか呪いか 膨らむバブルと格差の火種
コロナと「ゾンビ」と日本化 マーケットニュース 編集委員 6月14日 「かなり意外でしたね」。みずほ証券の大橋英敏チーフクレジットストラテジストは米連邦準備理事会(FRB)が2日に公表した社債売却方針に意表を突かれたと話す。 FRBは新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)を機に社債買い入れを導入した。直接金融主体の米国では社債市場の重要性は日本の比ではない。異例の介入で混乱は早々に収まり、枠を大量に残して新規購入はストップしていた。 役割を終えていたとは コロナと「ゾンビ」と日本化