中国はこれからも強いのか イアン・ブレマー氏 グローバルオピニオン 編集委員 5月25日 中国は今後10年でさらに強くなるだろうか、それとも弱くなるだろうか。中国の経済力や国際政治での影響力、増強しつつある軍事力をみると、繁栄かつ安定した未来は、中国の巨大な経済力と優れた技術力のどちらが重要になるかにより決まるだろう。経済の先行きには陰りが見えるが、新興テクノロジー超大国としての地位の方が重要になるかもしれない。 中国の大国への台頭は、国内だけでなく世界全体でかつてないほど多くの人に 中国はこれからも強いのか イアン・ブレマー氏
インドのスタートアップ、日本に熱視線 資金や連携期待 スタートアップGlobe アジアBiz スタートアップ 南西ア・オセアニア コラム 編集委員 5月25日 日本の企業やベンチャーキャピタル(VC)によるインド新興企業株への投資は、2010年代から活発だ。その効果だろうか、日本の投資家や企業との連携に期待を抱くスタートアップ経営者やVCがインドに多くいることが最近の調査で分かった。 ■首位米国に次ぐ人気 この調査はインドのテック情報メディアInc42が日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の資金協力を得て今年実施し、4月中旬に発表した。 インドのスタートアップ、日本に熱視線 資金や連携期待
退潮止まらぬ民主主義 失望した民衆、強権的政治を許容 トランプ前政権 東南アジア 南西ア・オセアニア ヨーロッパ 北米 Global Economics Trends 編集委員 政治 5月22日 世界で民主主義の退潮が止まらない。民主主義国の絶対数が減っているのに加え、民主主義国の内部でも民主主義の構成要素が揺らいだり壊れたりしている。 クーデターなど一方的な力の行使も増えているが、より広く見られている現象が、ポピュリスト(大衆迎合主義者)型指導者による大衆の支持を伴った独裁化だ。背景には経済格差や教育格差に根ざす社会の分断という先進国と途上国に共通する構造問題があるようだ。 ■「自由民 退潮止まらぬ民主主義 失望した民衆、強権的政治を許容
マスクはベゾスを超えるか 問われるTwitterの公共性 トランプ前政権 フェイスブック 米大統領選 ネット・IT 北米 Nikkei Views 編集委員 5月18日 イーロン・マスク氏は米ツイッターの何をどう変えるのだろうか。13日には同社の買収手続きの一時保留を表明するなど、「劇場型買収」の成否は現時点で見通せない。唐突な提案から1カ月あまり、世論の沸騰から見えてきたことが1つある。社会がマスク氏に突きつけているのは、民主主義を支える公共基盤をどうするのかという根源的な問いだ。 ツイッターはIT(情報技術)企業であると同時に、世論形成に大きな影響力を持つメ マスクはベゾスを超えるか 問われるTwitterの公共性
料理宅配は稼げるビジネスか インドのゾマトが問う難題 スタートアップGlobe アジアBiz ネット・IT 南西ア・オセアニア コラム 編集委員 4月20日 2021年夏までインド株式市場は新規株式公開(IPO)ブームに沸いた。その代表的銘柄である料理宅配のゾマトが消費者と飲食店の板挟みになって困っている。料理の品質に深刻な問題を抱える飲食店をサービス対象から除外するという新方針を示したところ、飲食店の業界団体から猛烈な反発が起きた。 ■品質規則に飲食店反発 問題の具体例として、注文と異なる品物や、腐敗したりカビが生えたりした品物の配達、ガラスや昆虫 料理宅配は稼げるビジネスか インドのゾマトが問う難題
米印、すれ違う「新国際秩序」 ルパ・スブラマニャ氏 Asiaを読む 編集委員 4月9日 異例のすれ違いが生じている。米国と北大西洋条約機構(NATO)の同盟国がロシアによるウクライナ侵攻を阻止するために団結する一方、大半の新興国は見て見ぬふりをしている。 世界で最も人口の多い中国、インド、南アフリカやブラジルはウクライナ戦争で一方の側につかないことを選んだ。パキスタンのカーン首相は戦争を巡るインドの中立的立場を称賛している。パキスタンの首相がインドを称賛するなどめったにないことだ。 米印、すれ違う「新国際秩序」 ルパ・スブラマニャ氏
逆風下のIPO、慎重「値付け」でプラス面も スタートアップGlobe スタートアップ ネット・IT 東南アジア コラム 編集委員 3月23日 インドネシア最大のインターネット新興企業であるGoTo(ゴートゥー)が4月4日、インドネシア証券取引所に上場する。株式市場、特に新興国のテック株にはリスクオフの逆風が吹く。そういう局面での新規株式公開(IPO)では「値付け」が慎重になされるはずだ。上場後に株価が上がれば市場での評価も上がり、「災い転じて福となす」可能性もある。 ゴートゥーは昨秋まで、最大で400億ドル(約4兆8200億円)程度の 逆風下のIPO、慎重「値付け」でプラス面も
「独裁は高成長」の虚実 民主主義の優位、実証相次ぐ ミャンマークーデター ウクライナ侵攻 Global Economics Trends 編集委員 3月20日 ロシアによるウクライナ侵攻で、民主主義世界と独裁・専制体制世界の分断がますます深まった。この先、中期的に両陣営の住民の暮らし向きはどうなるのだろうか。最近の実証研究では、政治や言論・表現の自由だけでなく経済の面でも、民主主義体制の方に分があるという結論が出ている。 アジア型開発独裁の行き詰まり 戦後、「アジアの虎」と呼ばれたシンガポール、台湾、韓国が独裁的な体制で高度成長を遂げたこと、続いて中国 「独裁は高成長」の虚実 民主主義の優位、実証相次ぐ
デジタルが支える民主主義 オードリー・タン氏講義から 中国・台湾 編集委員 3月19日 台湾のオードリー・タン(唐鳳)デジタル担当相が2月、東京大学公共政策大学院の講座で受講生との質疑に応じた。同氏が紹介する市民参加型の政策課題解決の仕組みから見えてくるのは、世界最大の専制国家による「統一に武力行使も辞さない」とする威圧に常にさらされながら、強靱(きょうじん)な民主主義を社会の奥深くまで根付かせようとする台湾の人々の思いだ。 注目集めた台湾の「デジタル力」 新型コロナウイルス禍が始 デジタルが支える民主主義 オードリー・タン氏講義から
Googleに吹く「メタ失速の追い風」の持続時間 日経ヴェリタスセレクト 日経ヴェリタス 逆境の巨大IT コラム 企業業績・財務 学ぶ 3月16日 米グーグルの強さが際立っている。親会社アルファベットが2月に発表した2021年12月期通期決算は41%の増収、89%の増益と、年商が20兆円を超える巨大企業としては驚異的な収益力を見せた。外的環境に激変がなければ、高速インターネットとスマートフォンの新興国での普及に合わせて高成長がしばらく続くと予想できる。だが強大な市場支配力に対する社会や政府の懸念が世界各地で強まっており、投資家は米反トラスト Googleに吹く「メタ失速の追い風」の持続時間