ドイツ要人の訪日相次ぐ 保守重鎮「戦略的パートナー」 ヨーロッパ 編集委員 6月4日 【ロンドン=赤川省吾】ドイツ政界の要人の訪日が相次いでいる。今年に入ってショルツ首相やベーアボック外相らが訪れたのに続き、保守系重鎮のブスト州首相も4日から東京や大阪などを回る。中国偏重とされた外交・通商政策の是正に動くドイツで、対日政策の重要性が高まっていることを示す。 ブスト氏はドイツで人口が最も多い州ノルトライン・ウェストファーレン(NRW)の州首相で保守系政党・キリスト教民主同盟(CDU ドイツ要人の訪日相次ぐ 保守重鎮「戦略的パートナー」
トルコ、西側結束の変数に バランス外交で影響力 岐部 秀光 Think! 中東・アフリカ 編集委員 5月29日 28日のトルコ大統領選の決選投票で、エルドアン大統領が再選された。ロシアと太いパイプを持つトルコは、北大西洋条約機構(NATO)加盟国で欧米の同盟国でもある。ウクライナとロシアを仲介する役割に期待がある一方、強権的な政治手法には国際秩序を揺らすリスクもくすぶる。 5月上旬、今後のトルコ外交を占う政治イベントがモスクワで開かれた。シリア、イラン、ロシア。国際社会で孤立する3カ国にトルコを加えた外相 トルコ、西側結束の変数に バランス外交で影響力
ウクライナがEUに加盟する日 日経ヴェリタス ウクライナ侵攻 Think! ヨーロッパ 編集委員 学ぶ 5月13日 ロシアの全面侵攻から1年余りがすぎ、戦況は一進一退を繰り返す。停戦は遠いが、ウクライナの将来像を巡るシミュレーションは水面下で始まった。これは欧州全体の行方を左右することになる。 「新たなビッグバンしか考えられない」。最近、欧州連合(EU)の高官に取材すると、こんな言葉が漏れるようになった。 欧州におけるビッグバンとは、バルト3国やポーランドといった東欧諸国やキプロスなどが2004年にEUに一斉 ウクライナがEUに加盟する日
ECB総裁、デジタルユーロの発行「2026~27年にも」 金融政策 ヨーロッパ 編集委員 5月10日 【ロンドン=大西康平、赤川省吾】欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は日本経済新聞の取材で、中央銀行が発行するデジタル通貨である「デジタルユーロ」の発行時期について「2026年か27年でもおかしくはない」と語った。通貨主権を保つため、いち早く新しい通貨の形を導入する構えだ。 導入するのは中央銀行デジタル通貨(CBDC)と呼ばれる電子上の通貨。関係者によると、1人当たりの保有額に上限を設けたり、ス ECB総裁、デジタルユーロの発行「2026~27年にも」
ECB総裁、物価「著しい上振れリスク」利上げ継続示唆 Think! 金融機関 金融政策 ヨーロッパ 編集委員 5月10日更新 【ロンドン=赤川省吾、南毅郎】欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は日本経済新聞の単独インタビューで、ユーロ圏の物価上昇について「著しい上振れリスク」につながる恐れがあると述べ、強い警戒感を示した。金融市場では銀行不安がくすぶるものの、景気後退は「見込まない」との認識も示し、利上げを続ける考えを強く示唆した。 ユーロ圏20カ国の直近の消費者物価の伸び率は年率7%と米国(約5%)や日本(約3%)を ECB総裁、物価「著しい上振れリスク」利上げ継続示唆
文化財はだれのものか ロシア美術品の行方 文化時評 ウクライナ侵攻 編集委員 コラム 4月30日 仏パリ西部、ブローニュの森の中を行くと、ギラギラした建物が忽然(こつぜん)と現れる。近代建築の巨匠フランク・ゲーリーによるルイ・ヴィトン財団美術館だ。手掛ける美術展はいつもパリっ子の話題になる。それでもロシアがウクライナに侵攻した2022年2月に開かれていた「モロゾフ・コレクション展」は特別だった。 印象派の画家、ルノワールの傑作「女優ジャンヌ・サマリーの肖像」などの名画を並べ、100万人超の入 文化財はだれのものか ロシア美術品の行方
「新ココム規制」の足音 デカップリング懐疑論の危うさ 風見鶏 ヨーロッパ 編集委員 政治 4月29日 フランスのマクロン大統領は4月上旬の訪中時、台湾情勢を巡り「対米追従せず」とのメッセージを発して批判を浴びた。実はドイツにも対中融和と受け止められかねない動きがある。 独中が近く「政府間協議」を開催する――。そんな情報がある。両国の首脳・重要閣僚が一堂に会する合同閣議のような枠組みだ。大がかりな外交舞台を再起動する準備がひそかに進む。 前回の政府間協議はメルケル前政権時代の2021年。その後、ロ 「新ココム規制」の足音 デカップリング懐疑論の危うさ
仏大統領発言で露呈した対中政策の迷走 「本音」裏目に 米中衝突 Think! コラム 中国・台湾 ヨーロッパ Nikkei Views 4月27日 フランスのマクロン大統領の台湾を巡る発言が波紋を呼んでいる。台湾有事の際に欧州は対米追従せず、事態を静観すべきだとの考えを繰り返しているからだ。なぜ不用意な発言が飛び出すのか。外交大国としての自負と、フランス社会に根強い米国への対抗意識が背景にある。 騒ぎの発端は4月上旬の訪中からの帰路に機中で応じたインタビュー。台湾有事について仏紙などに「米国のペースと中国の過剰反応に欧州が合わせる」のは「 仏大統領発言で露呈した対中政策の迷走 「本音」裏目に
脱原発を完遂 ドイツの意地と政治計算 Think! ヨーロッパ Nikkei Views 編集委員 4月15日 ドイツで15日、すべての原発が稼働をやめる。エネルギー不足が懸念される逆風下で、あえて脱原発を完遂する。背景にあるのは欧州の盟主としての意地と、ロシアに屈しないという政治メッセージだ。エネルギー政策の枠を超え、社会運動という意味合いがあった脱原発の成否は欧州の行方を左右する。 ドイツ政府の意志は固かった。本当に脱原発に踏み切るのか。3月、ベルリンの執務室でショルツ首相に質問をぶつけると迷いもせず 脱原発を完遂 ドイツの意地と政治計算
停電リスク、企業活動の重荷 ウクライナ中銀副総裁 ウクライナ侵攻 コラム 経済 編集委員 3月20日 ウクライナではロシアの全面侵略から1年が過ぎても激戦が続き、ミサイルやドローンが都市を襲う。ウクライナ中銀で経済分析を担うニコライチュク副総裁に戦時下の景気を聞いた。 ――足元の経済状況は。 「物価上昇の勢いが弱まってきた。物流網が改善され、食料供給が円滑になったことなどから今年のインフレ率は20%を下回る水準に収まるとみている」 「ただ地域差は大きい。例えば貿易量は(戦場となっている)東部ルガ 停電リスク、企業活動の重荷 ウクライナ中銀副総裁