「ロシア産ガス禁輸を」 ウクライナ財務相、日本に要請 ウクライナ侵攻 Think! ヨーロッパ 編集委員 5月20日 【ボン=赤川省吾】ウクライナのマルチェンコ財務相が19日、日本経済新聞の取材に応じ、日本を含めた主要7カ国(G7)に対ロシア貿易をさらに絞るように訴えた。具体的には「完全な石油・ガス禁輸が必要」と述べ、日本がロシア極東で資源権益を持つ「サハリン1、2」の開発から手を引くべきだとの考えをにじませた。マルチェンコ財務相はドイツ西部ボン近郊でのG7財務相・中央銀行総裁会議にオンラインで参加し、ロシア資 「ロシア産ガス禁輸を」 ウクライナ財務相、日本に要請
世界の安保体制一変 北欧、対立の最前線に ウクライナ侵攻 Think! ヨーロッパ 編集委員 5月13日更新 フィンランドが12日、伝統的な中立政策を放棄し、北大西洋条約機構(NATO)に加わる方向となった。スウェーデンも追随する可能性がある。米欧を中心とする民主主義陣営とロシアや中国など強権国の対立は先鋭化し、世界の安全保障体制は一変して力で対峙する時代に逆戻りする。 ロシアのウクライナ侵攻は世界秩序に歴史的な転機をもたらした。世界が民主主義陣営と強権国家に色分けされ「新・冷戦」といえる状況になりつつ 世界の安保体制一変 北欧、対立の最前線に
対ロシア、融和の後遺症 風見鶏 ウクライナ侵攻 編集委員 コラム 政治 4月30日更新 遅すぎた謝罪だった。「私はロシアを見誤った。これほどプーチン大統領が帝国主義的な妄想にとりつかれているとは思わなかった」。4月上旬、ドイツのシュタインマイヤー大統領は独メディアとの懇談で後悔を口にした。 対ロシアで警戒心に欠け、対話偏重だったドイツ。その政策をけん引したのがシュタインマイヤー氏だ。プーチン氏と蜜月のシュレーダー政権で要となる首相府長官。その後のメルケル政権では政策通の外相としてロ 対ロシア、融和の後遺症
ドイツ、日本重視に転換 「中国融和」イメージ払拭 ウクライナ侵攻 ヨーロッパ 編集委員 政治 4月29日更新 ドイツのショルツ首相が就任後アジアで初めての訪問先として日本を選び、ドイツのアジア戦略の変化が鮮明になった。民主主義陣営と強権国家の対立が深まる状況で、メルケル前政権時代の中国とロシアに融和的というイメージを払拭する狙いがある。 ドイツの方針転換は欧州全体の方向性にも波及する。その持続力と覚悟が今後の世界秩序に影響する。 2021年12月に発足したショルツ政権は中道左派の社会民主党、環境政党の緑 ドイツ、日本重視に転換 「中国融和」イメージ払拭
欧州を揺らす「自由の国」の分断 マクロン仏大統領再選 Think! 編集委員 4月25日 24日のフランス大統領選の決選投票で現職マクロン氏の再選が決まり、世界は安堵した。だがリスクが消えたわけではない。極右台頭の要因となった社会の分断は構造問題としてフランスに横たわり、欧州政治を揺さぶり続ける。 物価高への不満をすくいとり、一時はマクロン氏に迫った極右ルペン氏。くすぶる不満が膨らんだのは「自由、平等、博愛」を掲げるにもかかわらず、2つの格差を長年にわたって放置してきたからだ。 1 欧州を揺らす「自由の国」の分断 マクロン仏大統領再選
半世紀ぶりの脱ロシア ドイツ経済のジレンマ ウクライナ侵攻 ヨーロッパ Global Economics Trends 編集委員 4月3日 ウクライナ侵攻でドイツとロシアの通商関係は一変した。1970年代からデタント(東西の緊張緩和)の流れに乗って経済交流を深めてきたが、半世紀ぶりに断絶の時代に逆戻りした。ロシアと歴史や文化を多くの部分で共有するドイツはジレンマを抱え、戸惑う。 「エネルギー輸入停止でも耐えられる」 エネルギーをロシアに依存するドイツで、注目を集める論文がある。米ノートルダム大学のリュディガー・バッハマン教授らが3月 半世紀ぶりの脱ロシア ドイツ経済のジレンマ
仏大統領選投票へ マクロン氏再選でも欧州に3つの試練 ウクライナ侵攻 ヨーロッパ Nikkei Views 編集委員 4月1日 ウクライナ侵攻で世界はロシアの脅威を再認識した。冷戦時代に逆戻りした欧州の先行きはどうなるのか。10日に始まるフランス大統領選が行方を決する。 仏大統領選は10日に第1回投票、上位2人が24日の決選投票を争う。直近の支持率は欧州統合推進派の現職マクロン氏が、急進左派メランション氏や極右ルペン氏らをリードする。マクロン氏敗北なら欧州統合の危機だが、再選なら金融市場は安堵するだろう。 次期大統領は3 仏大統領選投票へ マクロン氏再選でも欧州に3つの試練
停戦協議「ロシアの時間稼ぎ」ウクライナ元首相が言明 ウクライナ侵攻 ヨーロッパ 編集委員 3月31日 ウクライナのヤツェニュク元首相が日本経済新聞のオンライン取材に応じた。「(日本は)ロシア産エネルギーの禁輸措置を講じなければならない」と述べ、日本企業が参加する極東の資源開発事業「サハリン2」などからの撤退を促した。停戦協議についてはロシアの「時間稼ぎ」との見方を示し、急進展するとの楽観論をけん制した。 ヤツェニュク氏は親欧米派の重鎮で経済相、外相などを歴任。2014年、ロシアがクリミア半島の併 停戦協議「ロシアの時間稼ぎ」ウクライナ元首相が言明
ロシア、変わらぬ情報統制 西側揺さぶる中国との近さ ウクライナ侵攻 Think! ヨーロッパ Nikkei Views 編集委員 3月16日 ロシアが時計の針を逆回転させている。気に食わぬ隣国の領土を侵し、占領地の統治のために傀儡(かいらい)国家を設け、情報統制を強めてメディアを弾圧した。いずれも旧ソ連の手口に似る。全体主義に染まるロシアを中国が軍事・経済でどこまで支えるかも焦点だ。欧州は冷戦復活を意識し、長い対峙を覚悟する。 「ロシアは自らの失敗をロシア国民に知られたくない。これは思想戦争。クレムリン(大統領府)はロシア国民を西側の ロシア、変わらぬ情報統制 西側揺さぶる中国との近さ
抑止力でロシアと対峙を ドイツ前国防政務次官 ウクライナ侵攻 ヨーロッパ 編集委員 3月11日 国際秩序を揺らすロシアには、欧州だけでなく、国際社会が足並みをそろえて断固とした対応をとるべきだ。 詭弁(きべん)を弄するロシアのプーチン大統領は旧ソ連諸国を自らの勢力圏とみなす。ウクライナでの戦争は始まりにすぎないかもしれない。この対立姿勢に終止符が打たれるのは、恐らくプーチン氏の退陣後だろう。 ■冷戦期に逆戻り 欧州では自由民主主義陣営と強権的なロシアとの体制対立が鮮明になった。冷戦時代に逆 抑止力でロシアと対峙を ドイツ前国防政務次官