欧州、北朝鮮と距離開く アジア政策を見直し 北朝鮮 朝鮮半島 編集委員 ヨーロッパ Nikkei Views コラム 4月7日 アジアへの関心を高める欧州が北朝鮮政策で強硬姿勢を明確にしている。在平壌大使館を大幅縮小するとともに、密輸やミサイル開発への警戒を強めた。米国とともに民主主義を支えてきた欧州は、対中国政策だけでなく、強権国が増えているアジア外交全般の見直しに動いている。 英国政府は3月中旬、外交・安全保障の新指針「統合レビュー」でアジアシフトを打ち出し、北大西洋条約機構(NATO)も年次報告書で「中国の台頭」を 欧州、北朝鮮と距離開く アジア政策を見直し
欧州統合を後押し 「ユーロの父」マンデル氏死去 経済 編集委員 ヨーロッパ 4月6日 1999年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者ロバート・マンデル氏が4日、88歳で死去した。米メディアなどが一斉に報じた。欧州における通貨統合の理論的支柱となり、「ユーロの父」と呼ばれた。欧州統合を強力に後押しし、通貨ユーロを温かい目で見守り続けた国際経済学の権威だった。 ユーロ実現に大きな影響を与えたのは61年の論文「最適通貨圏の理論」だ。共通通貨の成功には労働力の自由な移動などが必要になると 欧州統合を後押し 「ユーロの父」マンデル氏死去
終わらぬドラギ劇場 次のステップは今秋にも 日経ヴェリタス 日経ヴェリタスセレクト 編集委員 ヨーロッパ コラム 3月27日 ドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁がイタリア首相に就いてから1カ月あまりが過ぎた。経済学者からセントラルバンカー、そして伊首相とすごろくのように渡り歩いたスーパーマリオ。ローマ政界では早くも次のキャリアステップが噂になっている。 闘う相手は信用不安から新型コロナウイルスに変わった。 イタリアは目下、第3波に見舞われている。ロックダウン(都市封鎖)を再導入し、経済浮揚のために財政を拡大。域外への輸 終わらぬドラギ劇場 次のステップは今秋にも
小選挙区制の功罪 独の比例併用制「進む多党化が試練」 編集委員 ヨーロッパ コラム 2月16日 ■「進む多党化、民意反映の試練に」 独ツェッペリン大教授のヨアヒム・ベーンケ氏 ドイツ政治は多党化が進み、票が分散するようになった。小選挙区でも低い得票率で当選できるようになり、「選挙区の民意を代表する政治家」と呼べなくなりつつある。 ドイツの連邦議会(下院)選挙は小選挙区比例代表併用制だ。政党の得票率に応じて議席配分が決まる比例代表制をベースにし、政治家に票を投じる小選挙区制の要素を加味してい 小選挙区制の功罪 独の比例併用制「進む多党化が試練」
イタリア首相にドラギ氏就任 先進国、協調路線一段と 編集委員 ヨーロッパ 2月13日更新 【ウィーン=細川倫太郎、ロンドン=赤川省吾】欧州中央銀行(ECB)のドラギ前総裁が13日、イタリアの首相に就任した。親欧州連合(EU)派で、中銀総裁として国際協調の最前線に立ってきたドラギ氏の首相就任は、米バイデン政権の誕生後の国際協調機運の拡大に一段と追い風になりそうだ。 ドラギ氏は13日、内閣の宣誓式に臨み、「憲法と法律を忠実に順守し、国益のためにのみ私の職務を遂行する」と首相就任の宣誓をし イタリア首相にドラギ氏就任 先進国、協調路線一段と
メルケル後 日独に吹く風 英EU離脱 風見鶏 編集委員 ヨーロッパ コラム コラム 2月7日 「欧州の女王」として君臨してきたメルケル独首相が2021年秋に4期16年の任期を終えて退く。ポスト・メルケルで対日政策にはどんな風が吹くのか。 1月、保守系与党キリスト教民主同盟(CDU)は党内リベラル派の重鎮ラシェット氏を新党首に選んだ。9月に議会選。足元の世論調査で第1党の勢いだから次期ドイツ首相の有力候補だ。 日本では無名のラシェット氏。実は対日外交に強い関心を示したことがある。 「日本と メルケル後 日独に吹く風
現金は必要か コロナ下でも根強い需要 編集委員 Global Economics Trends 2月7日 欧州で現金払いの是非を巡る議論が活発になっている。ロックダウン(都市封鎖)でオンライン販売が伸び、わずかに開いている持ち帰り専門店も「現金お断り」が多い。ところが「非常時には現金」という意識が消費者に広がり、実際の現金流通量は増えている。もともと欧州では資金洗浄や脱税などを撲滅するため、現金使用を制限すべきだという意見があったが、エコノミストや学者を巻き込んで賛否が割れる。 現金の流通量が急増し 現金は必要か コロナ下でも根強い需要
ドイツのメルケル氏後継選び、英米保守が反面教師 編集委員 ヨーロッパ Nikkei Views 2月3日 番狂わせは起きなかった。ドイツの保守系与党キリスト教民主同盟(CDU)の党首になったのはメルケル首相に近い本命ラシェット氏。右傾化した英国や米国の保守政党を反面教師として、リベラル派のリーダーを選んだ。9月の連邦議会選までに競合する「緑の党」から票を奪えるかがラシェット政権実現の鍵を握る。 「典型的なラインラント人」。現在、同国で人口が最も多いノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州の首相で ドイツのメルケル氏後継選び、英米保守が反面教師
半世紀ぶりの「主権回復」 英国の理想と現実 英EU離脱 編集委員 ヨーロッパ 2月1日 英国はEUからの完全離脱で半世紀ぶりに「主権回復」を果たした。だが、払った犠牲は大きく、欧州での英国の位置づけも変わる。 欧州大陸と一体になるか、自らの道を進むのか。1973年に欧州統合に身を投じて以来、英国はずっと自問自答してきた。だから通貨ユーロを導入せず、国境検問廃止(シェンゲン)協定にも加わらなかった。 その半身の姿勢にピリオドを打った。EUからの離脱で政治的な自由、単一市場からの離脱で 半世紀ぶりの「主権回復」 英国の理想と現実
欧州、東アジア安保に関与 対中「政経分離」に限界 米中衝突 英EU離脱 中国・台湾 編集委員 ヨーロッパ 1月26日更新 ドイツ政府が「インド太平洋戦略」に極東への海軍派遣を盛り込むのは、東アジアの安全保障体制に関心が高まっているからだ。政治では距離を置き、経済ではうまくつきあうという対中政策の「政経分離」を狙うが、人権を重視する緑の党が与党入りする可能性が高まっており、「いいとこ取り」の戦略には限界が近づいている。 「指針を定めただけでは国際的に信用されない。なにか強力な具体策を盛り込まないと」。2020年秋にイ 欧州、東アジア安保に関与 対中「政経分離」に限界