日本の古典、世界に通ず 日本語学者の山口仲美さん 大学 コラム 編集委員 5月4日 やまぐち・なかみ お茶の水女子大卒、東大大学院修士課程修了、文学博士。埼玉大名誉教授。著書に「犬は『びよ』と鳴いていた」「日本語の歴史」「日本語の古典」「すらすら読める枕草子」「山口仲美著作集」(全8巻)など。 日本古典ブームが、広がっている。作家や詩人による現代語訳や漫画などで親しむ人が増えている。一方、教育現場の古典・古文離れは深刻といわれる。どう学び、どう生かすか。日本語学者の山口仲美・埼 日本の古典、世界に通ず 日本語学者の山口仲美さん
「リスクの経済学」に増す関心 不確実性とどう向き合う Global Economics Trends 編集委員 4月17日 「リスクと不確実性の経済学」(economics of risk and uncertainty)への期待が高まっている。この2年ほど、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック(世界的大流行)という想定外のできごとが世界経済に深刻な打撃を与え、不確実性の問題が再認識されていた。そこに、2022年2月のロシアのウクライナ侵略がもたらした危機的な状況が加わって、不確実性の脅威をさらに鮮明にしている 「リスクの経済学」に増す関心 不確実性とどう向き合う
EU、対ロシアで抱える4つの課題 ハビエル・ソラナ氏 ウクライナ侵攻 グローバルオピニオン 編集委員 4月6日 ロシアのプーチン大統領は、歴史のかなたに葬り去ったと思っていた場所に欧州を引き戻し、われわれは理性を失った指導者と直面していることに気づいた。ロシアの外交政策は、2001年にブッシュ米大統領がプーチン氏に信頼できる男を見つけたと言った日以来、悪化の一途をたどっている。 第3次世界大戦のリスクは、もはやありえないとは言い切れない。プーチン氏が予測不可能であることを考えれば、ロシアと北大西洋条約機構 EU、対ロシアで抱える4つの課題 ハビエル・ソラナ氏
情報教育、基礎教養から 西垣通・東京大学名誉教授 大学 コラム 編集委員 3月23日 にしがき・とおる 東大工学部計数工学科卒。工学博士。日立製作所などでコンピューターソフト開発に携わった後、東大教授などを歴任。著書に「デジタル・ナルシス」「AI原論」「ビッグデータと人工知能」「新基礎情報学」など。 「情報教育」が加速している。2022年度から高校でプログラミングなどが必修化。25年から大学入学共通テストで「情報」が必須科目になる。一方で、教員不足なども指摘される。情報学者、西垣 情報教育、基礎教養から 西垣通・東京大学名誉教授
「監視社会」を考える 読むヒント 大学 コラム 編集委員 2月28日 「監視社会」が広がっている。携帯電話やインターネット、カメラを通じた膨大な記録、デジタルデータの収集システムが強化され続けている。安全を守る技術には個人の自由、プライバシーを脅かしかねない面もある。便利さにともなうリスクをどう避けるか。 米国でトランプ政権が誕生した2017年、英作家、ジョージ・オーウェルの近未来小説『一九八四年』がベストセラーになった。「フェイクニュース」の時代の予言として49 「監視社会」を考える 読むヒント
未来人と議論する 難題解く「FD」に広がり Global Economics Trends 編集委員 2月13日 気候変動問題など難しい課題の解決をめざす「フューチャー・デザイン(Future Design、 FD)」という取り組みが経済、経営、政治などの各分野で広がっている。 将来世代のための社会をつくろうと、これまでとは違った発想による理論構築、実験による検証、その結果をもとに実践に移す試みで、2015年ごろから日本を中心に欧米などでも関心が高まりつつある。 将来世代の利益を優先する 具体的には、ゲーム 未来人と議論する 難題解く「FD」に広がり
データサイエンスなぜ人気 経営や政策に「宝の山」活用 編集委員 ニッキィの大疑問 2月12日 「データサイエンスが、あちこちで注目されているらしいよ」「新型コロナウイルスの感染対策としても、世界中で活躍してるんだって。人気の秘密はなんだろう?」 データサイエンスについて、バーチャル・キャラクターの日比学くんと名瀬加奈さんが、玉利伸吾編集委員に聞きました。 日比くん「どうしていま関心が高いのですか」 データサイエンスという新しい学問が引っ張りだこなのは、ビッグデータ時代が到来したからです。I データサイエンスなぜ人気 経営や政策に「宝の山」活用
日本再生、学問で地道に 民俗学者・新谷尚紀氏 大学 コラム 編集委員 1月26日 しんたに・たかのり 早稲田大大学院史学科修了。慶大で社会学博士号取得。国立歴史民俗博物館教授、総合研究大学院大学教授を経て、同名誉教授、国学院大客員教授。著書に「民俗学とは何か」「神社とは何か」など。 日本の元気がない。経済は停滞が続き、政治のリーダーシップも混迷続きだ。この衰えを"第二の敗戦"とみる向きもある。先が見えない中、個人や組織はどう動けばいいか。日本人をよく知ることから再生が始まると 日本再生、学問で地道に 民俗学者・新谷尚紀氏
民主主義国、対立超え協調を ハビエル・ソラナ氏 グローバルオピニオン 編集委員 1月5日 民主主義はまだ生きているが、明らかに弱体化する兆しをみせている。米人権団体フリーダムハウスによる各国の自由度を測る指数は2020年、15年連続で低下した。 バイデン米大統領は21年12月、オンライン形式による「民主主義サミット」を開いた。権威主義の台頭に対抗するため、約110カ国・地域を招き、世界的な民主主義の強化を目指した。国々が集まり、地球規模の具体的な問題に取り組むのは悪いことではないだろ 民主主義国、対立超え協調を ハビエル・ソラナ氏
「反出生主義」、苦を嫌う心情背景に 生の肯定模索も Think! Nikkei Views 編集委員 12月31日 「反出生主義」という考えが注目されている。人間は生まれないほうがいいと誕生を否定的にとらえる主張だ。哲学の世界から始まり、日本の若い世代にも関心が広がり、議論を呼んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う危機が招いた、先行き不安の影響もありそうだ。背景に何があるのか。 反出生主義は世界で広がり、日本でも10年ほど前から、「すべての人間は生まれるべきではない」という思想が語られ出したという。南ア 「反出生主義」、苦を嫌う心情背景に 生の肯定模索も