ペロシ訪台は習近平3選の最終試験、北戴河前に緊張 習政権ウオッチ コラム 編集委員 8月3日 秋の中国共産党大会でトップ3選を目指す国家主席の習近平(シー・ジンピン)にとって、最も重要な対米関係と台湾問題での失敗は許されない。とりわけ習は今週から、現役指導部と長老らが重要問題を巡って意見交換する「北戴河会議」に忙殺される。 搭乗機を撃ち落とせ――。中国の著名論客が英語でツイートし、外交当局も「対抗措置」を明言した米下院議長、ペロシの台湾訪問が2日夜、始まった。だが、これにはれっきとした前 ペロシ訪台は習近平3選の最終試験、北戴河前に緊張
「北京封鎖」解除はウクライナ対策 習氏が狙う和平関与 習政権ウオッチ Think! コラム 中国・台湾 東南アジア 編集委員 7月27日 首都北京への「よそ者」の侵入を許さぬ堅固な長城を取り払う封鎖解除には、秋の中国共産党大会の後まで見据えた党総書記兼国家主席の習近平(シー・ジンピン)の遠謀がある――。 これは新型コロナウイルスを徹底して抑え込む「ゼロコロナ」政策の転換という話題ではない。習政権がかたくなに拒否してきた外国首脳の訪中、北京入りに突然、ゴーサインを出したのだ。あくまでも中国外交上の「北京封鎖」解除である。 栄えある最 「北京封鎖」解除はウクライナ対策 習氏が狙う和平関与
すわ北戴河、「第3次習政権」内定組の新疆入りに違和感 習政権ウオッチ 習政権 コラム 中国・台湾 編集委員 7月20日 中国国家主席の習近平(シー・ジンピン、69)は内政上、極めて重要なこの時期、北京から空路で4時間前後かかる2つの微妙な問題を抱える地域を相次いで訪れた。 少数民族への人権弾圧が国際問題化した新疆ウイグル自治区と、民主化要求デモが頻発した香港である。同自治区訪問は8年ぶり、それに先立つ香港入りは5年ぶりだ。もう一つ、目をひいたのは、習が2つの旅に同行させた側近らの布陣だ。なかには直前に昇格させた注 すわ北戴河、「第3次習政権」内定組の新疆入りに違和感
習近平氏が実力認めた安倍外交、台湾絡むライバル10年史 習政権ウオッチ 習政権 Think! コラム 中国・台湾 編集委員 7月13日 参院選の遊説中に銃撃され亡くなった元首相の安倍晋三と、中国国家主席の習近平(シー・ジンピン)には、10年にわたる浅からぬ因縁がある。習が中国共産党のトップに選ばれたのは2012年11月15日。その翌月16日の衆院選で安倍自民党が大勝して政権を奪還し、第2次安倍政権が発足した。 安倍は憲政史上最長の首相在任期間を達成し、退任後も内政・外交両面で発言力を保ってきた。2人はこの10年の間、激変する世界 習近平氏が実力認めた安倍外交、台湾絡むライバル10年史
習氏「福建閥」で公安・軍掌握 「浙江閥」の争い熾烈 習政権ウオッチ 習政権 新型コロナ Think! コラム 編集委員 7月6日 秋の中国共産党大会を控え国家主席の習近平(シー・ジンピン)の権力を支える二大人脈である「浙江閥」と「福建閥」の処遇に注目が集まっている。 習が1980年代半ばから 17年を過ごした福建省の人脈からは、王小洪が警察組織を統括する公安相に抜てきされた。一方、2000年代に習がトップを勤めた浙江省の子飼い人脈は、 上海市トップの李強、重慶市トップの陳敏爾、北京市トップの蔡奇(福建省での経歴もあり)とも 習氏「福建閥」で公安・軍掌握 「浙江閥」の争い熾烈
歌舞伎で読み解く空母「福建」命名、悩む習氏が脅す台湾 習政権ウオッチ コラム 中国・台湾 編集委員 6月29日 17日、上海で進水した中国で3隻目の最新鋭空母は、大方の予想を覆して「福建」と命名された。なぜなのか。東北部の遼寧省大連で改造された中国初の空母は「遼寧」、同く大連で建造した初の国産空母は、対岸の「山東」の名を取った。 3番艦の建造地、上海は軍都の色を前面に出しにくい中国を代表する国際的な商都だ。それなら隣接する「江蘇」「浙江」という名が順当だが、さらに南の「福建」が選ばれた。これでは中国の軍事 歌舞伎で読み解く空母「福建」命名、悩む習氏が脅す台湾
習近平「親ロ外交」に変調 カギ握る外相候補放逐の裏側 習政権ウオッチ Think! コラム 編集委員 6月22日 誰もが認める親ロシア派で、次期中国外相の最有力候補だった外交官を外務省から放逐して降格――。筆頭外務次官、楽玉成の更迭が公になった14日、中国政界に激震が走った。 「やはりトップ(国家主席の習近平=シー・ジンピン)は、(ロシア大統領の)プーチンとの関係、対ロ外交のカギを握る人物を外す重大な人事を容認した」「この決断には大局を見すえた理由がある」。今後の中国外交を左右する大事件について、関係者らか 習近平「親ロ外交」に変調 カギ握る外相候補放逐の裏側
日本狙う中ロ両軍の結託、長引くウクライナ戦闘で転機 習政権ウオッチ 米中衝突 ウクライナ侵攻 Think! コラム 中国・台湾 編集委員 6月15日 中国の国家主席の習近平(シー・ジンピン)とロシア大統領のプーチンが結託して日本に海と空から露骨に軍事的圧力をかける中ロ両軍の共同軍事行動。防衛相の岸信夫がシンガポールで中国側に重大な懸念を直接伝えた裏には、かつての常識を超えてエスカレートする極東地域での中ロ軍事連携がある。だが、そのロシアとの空前の軍事協力があだになって中国は今、深刻なジレンマに陥りつつある。 注目すべきは5月24日、中ロの戦略 日本狙う中ロ両軍の結託、長引くウクライナ戦闘で転機
「長老は黙れ」と警告、言論統制で習氏が狙う偉大な地位 習政権ウオッチ 習政権 Think! コラム 中国・台湾 編集委員 6月8日 習近平(シー・ジンピン)は「永遠の領袖」――。中国共産党総書記の習に対して、終身制を連想させる「永遠」と、毛沢東の称号だった「領袖」を組み合わせながら巧妙に礼賛する過去に例のない公文書がコミュニケの形で発表された。もちろん中央の話ではない。場所は中国南部にある人口5000万人弱の広西チワン族自治区。4月17日のことだった。 「(習の別格の地位を示す)核心に忠誠を尽くし、永遠に領袖としておしいただ 「長老は黙れ」と警告、言論統制で習氏が狙う偉大な地位
中国にマイナス成長危機、隠された李首相「10万人集会」 習政権ウオッチ 習政権 新型コロナ Think! コラム 中国・台湾 編集委員 6月1日 習近平(シー・ジンピン)政権による不動産、IT(情報技術) 業界への圧力が象徴する経済政策のミスと、新型コロナウイルスを封じ込める厳格な「ゼロコロナ」政策のダブルパンチで中国経済は大きなダメージを受けている。 危機感を抱く首相の李克強(リー・クォーチャン)が率いる国務院(中央政府、内閣に相当)は5月25日、経済安定へ全国の幹部らを動員する異例の大規模テレビ電話会議を開いた。李は経済の最前線に立つ 中国にマイナス成長危機、隠された李首相「10万人集会」