解約料見える化へ事業者に説明義務 消費者目線は道半ば 法務・ガバナンス Nikkei Views 編集委員 5月27日 事業者との間に情報格差がある消費者の利益保護を目的とした消費者契約法。6月1日施行の改正法では、飲食店や結婚式場などの事業者に対し、解約料の算定根拠や契約解除に必要な情報の提供を義務付けた。ただ企業側の負担感も強く、これらはいずれも罰則のない「努力義務」にとどまる。訪日客の回復などサービス需要が高まるなか、「消費者目線」での制度の充実が課題になる。 解約料について、消費者契約法は「平均的な損害」 解約料見える化へ事業者に説明義務 消費者目線は道半ば
「法治」の裏を読む 中国ビジネス実情を指南する3冊 法務・ガバナンス 編集委員 読書 4月29日 米中貿易摩擦に始まり、ウクライナ戦争を経て高まる経済安全保障上の要請から、日本は中国との「デカップリング(分断)」を迫られ続けている。しかし、日本企業にとって中国は重要なビジネス相手国であることに変わりはない。一筋縄ではいかない大国を相手に企業として利益の最大化を追求する。その武器のひとつが相手のルールを知ることだ。ただ、中国は日本的な意味での「法治」国家ではない。実情に通じた専門家の指南書が助 「法治」の裏を読む 中国ビジネス実情を指南する3冊
「知財に多様性」世界知的所有権機関・事務局長に聞く 知的財産権 法務・ガバナンス 編集委員 4月22日 特許など知的財産権は先進国が開発優位にあり、持てる国と持たざる国との格差が広がってきた。しかし近年、インドなど新興国からの出願が活発になっている。世界知的所有権機関(WIPO)のダレン・タン事務局長は、権利者の国籍や性別などに一層のダイバーシティー(多様性)が必要と指摘する。タン氏に、WIPOの取り組みなどを聞いた。 ――世界の特許出願状況はどうなっていますか。 「2022年の国際特許出願件数は 「知財に多様性」世界知的所有権機関・事務局長に聞く
日本は生成AI天国か 著作物「学び放題」に危機感も 国際法・ルールと日本 知的財産権 ChatGPT Think! 法務・ガバナンス AI Nikkei Views 編集委員 4月13日 米オープンAIの対話型人工知能(AI)「Chat(チャット)GPT」など生成系AIの存在感が高まるなか、様々な課題が浮上している。創作活動への影響もそのひとつだ。特に日本では、AIが膨大な既存コンテンツを学習する「情報解析」に対する著作権法上の規制が、先進国のなかでも飛び抜けて緩い。技術革新を促そうとしたルール作りに落とし穴はなかっただろうか。 著作権者の権利を制限する規定 日本でもチャットGP 日本は生成AI天国か 著作物「学び放題」に危機感も
ファーウェイ、横浜から特許攻勢 経済安保に風穴 Think! 自動車・機械 法務・ガバナンス IoT 編集委員 3月27日 あらゆるモノがネットにつながる「IoT」時代を迎え、企業の知的財産戦略はモノからコトへの対応に変革を迫られている。せめぎ合いの最前線にあるのが「つながる車」の特許をめぐる攻防だ。通信の主要特許を持つ海外勢に日本の自動車業界は揺さぶられている。日本勢は技術で主導権を取り戻せるか。 スズキとライセンス交渉 2022年夏、スズキの阿部俊明・知的財産部長は横浜市を訪れた。目指したのは、横浜駅近くの20階 ファーウェイ、横浜から特許攻勢 経済安保に風穴
公取委、脱炭素でカルテル判断の新指針 企業に残る懸念 法務・ガバナンス Nikkei Views 編集委員 3月24日 公正取引委員会は4月上旬までに、環境対策の企業連携などが独占禁止法に抵触するかを判断するための指針を施行する。予見可能性を高めて、脱炭素に向けた取り組みを促すことが狙いだ。ただ、議論が先行する欧州のような規制緩和には踏み込んでおらず、企業側からはさらなる明確化を求める声もある。 競合同士の連携は? 気候変動問題への取り組みが国際的な急務となるなか、日本政府も2030年度に温暖化ガスを13年度比4 公取委、脱炭素でカルテル判断の新指針 企業に残る懸念
静かに広がるプレッパー 未知のリスクに「備える民」 文化時評 編集委員 コラム 3月19日 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)、地震、戦争。日常をはぎ取られた世界が新たな日常になりつつある今日、静かに広がっているのが「プレッパー」と呼ばれる人々だ。語源は英語の「prepare(準備する)」。終末映画を参考に大量の食料品などを備蓄し、サバイバル情報を収集・発信する「備える民」だ。 仙台市の閑静な住宅街に住む40代の女性(写真)は、コロナ禍による緊急事態宣言中に見たゾンビ映画 静かに広がるプレッパー 未知のリスクに「備える民」
著作物利用、どう変わる?権利者不明でも使いやすく 法務・ガバナンス 編集委員 ニッキィの大疑問 3月4日 「著作権法の改正が準備されているみたいだね。自分でつくるコンテンツに音楽や絵が使いやすくなるといいな」「利用許可を取るための新しい仕組みができるようだけど、どうやって使うのかな」 権利者不明の作品の流通を促す著作権法の改正案について、日比学くんと名瀬加奈さんが瀬川奈都子編集委員に聞きました。 日比くん「なぜ、新しい制度ができるのですか」 デジタルコンテンツの流通を活性化させるためです。動画や小説な 著作物利用、どう変わる?権利者不明でも使いやすく
第三者委員会、不祥事の責任どう果たす 渋谷 高弘 時論・創論・複眼 法務・ガバナンス 編集委員 2月27日 日本を代表する企業における贈賄、品質偽装、不正会計といった不祥事が止まらない。社会に対する説明責任を果たすとともに、信頼回復に導く機能を担うのが、外部専門家による第三者委員会だ。だが、本来の自浄力を発揮できているのか。ガバナンス(企業統治)に詳しい専門家や第三者委を経験した弁護士などに聞いた。 ◇ ◇ ◇ 忖度せず企業再生へ手術 弁護士 国広正氏 第三者委員会には不良なものもある。ステ 第三者委員会、不祥事の責任どう果たす
日本企業に個人処罰の踏み絵 米司法省のアメとムチ 法務・ガバナンス 編集委員 2月20日 米司法省が贈収賄やカルテルなど企業犯罪の抑止を目指し、新たな方針を打ち出している。不正に関わった個人の社内処罰や当局への情報提供など、企業側の自浄力を重視して司法取引などに反映する戦略だ。米司法省は米国外で行われる不正摘発にも積極的で日本企業への影響が大きい。ただ新方針は日本の企業文化と相いれない面もあり、日本企業は難しい判断を迫られそうだ。 「我々はニンジン(アメ)とムチを企業に与えた」。20 日本企業に個人処罰の踏み絵 米司法省のアメとムチ