コロナ融資、迫る返済期限 倒産・廃業の引き金に 編集委員 2月21日 新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの中小企業が打撃を受けています。政府や自治体は様々な支援策を打ち出していますが、効果は表れているのでしょうか。 中小企業政策を担当する経済産業省は支援策をまとめたパンフレットで、経営相談、資金繰り支援、給付金、設備投資・販路開拓の支援といったメニューを紹介しています。経営相談の項目では、「予約がすべてキャンセル。従業員への給与支払いなど資金繰りに不安がある」と コロナ融資、迫る返済期限 倒産・廃業の引き金に
貧困層への現金給付 働く意欲への影響は 新型コロナ 編集委員 Global Economics Trends 2月21日 世界では、約10人に1人が1日1.9ドル(約200円)未満の「絶対的貧困」のもとで暮らしている。貧困に苦しむ人々に救いの手を差し伸べるには、どうすればよいのか。慶応義塾大学の藤田康範教授は「アフリカの貧困家計への現金給付の効果を検証した論文は、新型コロナウイルスの感染拡大で、生活に苦しむ世界の人々に対する支援策の参考になる」と指摘する。 ■タイトル「貧困は労働供給を変化させるか? 複合的所得効果お 貧困層への現金給付 働く意欲への影響は
若者を失業から守る新卒一括採用 日本の雇用を再評価 2月8日 日本企業はどんな「働き方改革」を目指せばよいのだろうか。新型コロナウイルスの感染が拡大し、労働環境が大きく変わるなか、労働・雇用問題の専門家が、労働市場の仕組みや歴史を説き起こしながら解決の糸口を探る著作が注目を集めている。 濱口桂一郎氏と海老原嗣生氏は共著『働き方改革の世界史』(ちくま新書、2020年9月)で、世界の労働運動や労使関係の歴史を、労働思想の古典とされる文献を紹介しつつ振り返る。個 若者を失業から守る新卒一括採用 日本の雇用を再評価
日本経済、コロナ前への回復いつ? 生産性向上が急務 編集委員 1月24日 2021年の日本経済はどんな姿になるのでしょうか。民間シンクタンクの間では、「経済活動の回復は緩やかにならざるを得ない」(みずほ総合研究所)との慎重な見方が広がっています。 最大の問題は、収束の兆しが見えない新型コロナウイルスの感染状況です。ワクチン普及への期待は高まっているものの、先行きは不透明です。政府はまず、首都圏を対象に2度目となる緊急事態宣言を出し、その後、対象地域を広げてきましたが、 日本経済、コロナ前への回復いつ? 生産性向上が急務
宗教と経済の関係に再注目 ウェーバー没後100年 編集委員 Global Economics Trends 1月17日 2020年は、ドイツの社会学者、マックス・ウェーバーの没後100年に当たる年だった。「宗教改革によるプロテスタンティズムの興隆が、西欧の経済発展をもたらした」と主張するウェーバーの仮説は正しいのか。経済学界では、最先端の計量分析の手法を活用してウェーバーの仮説を検証する研究が活発だ。東京大学の岡崎哲二教授は「宗教が経済にどのような経路でどう影響するかを特定する試みは、現在の世界を理解する上でも有 宗教と経済の関係に再注目 ウェーバー没後100年
貧困にコロナが直撃 途上国が「してはいけないこと」 12月28日 世界経済が発展するにつれ、1日に1.9ドル未満で生活する「貧困者比率」は過去30年間で大きく下がってきた。それでもサブサハラ・アフリカをはじめ、世界各地にはなお貧困や保健衛生の問題に苦しむ数多くの人々がいる。そうした現場で支援や調査活動を続けてきた専門家たちの訴えには重みがある。 『開発コンサルタントという仕事』(2020年10月、日本評論社)の著者、笹尾隆二郎氏は1990年代後半から開発コンサ 貧困にコロナが直撃 途上国が「してはいけないこと」
感染予測の数理モデル 応用に広がり、経済影響も算出 編集委員 12月20日 新型コロナウイルスの感染者数を予測する「SIRモデル」と呼ばれる数理モデルが今年の春ごろから世界で注目を集めるようになりました。感染者の予測が過大だとの指摘もありますが、応用研究が進んでいます。 SIRは、感染予備軍(Susceptible)、感染者(Infected)、感染症から回復した人(Recovered)の英語の頭文字です。感染疫学の先駆者が1920年代に完成させました。感染者が予備軍と 感染予測の数理モデル 応用に広がり、経済影響も算出
不況回避へ最善の道を探る 立正大・吉川洋学長の挑戦 12月7日 過去40年間、多くの経済学者は家計や企業の行動を分析するミクロ経済学と、マクロの経済現象を分析するマクロ経済学の「統合」に情熱を注いできた。しかし、「代表的な消費者」が効用(満足度)をできる限り大きくするために行動するという仮定から出発し、ミクロの動きを「相似拡大」してマクロの現象を説明しようとする議論は誤りだ――。 立正大学学長の吉川洋氏は、50年にのぼる研究の集大成といえる近著『マクロ経済学 不況回避へ最善の道を探る 立正大・吉川洋学長の挑戦
学校で「やり抜く力」は育つか Global Economics Trends 編集委員 12月6日 人間の能力の中で、学力やIQ(知能指数)テストで計測できる「認知能力」以上に、忍耐力や好奇心、「やり抜く力」といった「非認知能力」が重要だと主張する研究者が増えている。非認知能力が高いと賃金も高いと結論づけた論文もあるほどだ。それでは、どうすれば非認知能力を育成できるのか。特に学齢期の子供たちの非認知能力を、学校で育成できるのだろうか。教育経済学が専門の中室牧子・慶応義塾大学教授は、教室の中で非 学校で「やり抜く力」は育つか
経済理論をビジネスに活用 広がるメカニズムデザイン 編集委員 11月8日 経済学者が理論を応用して新しい制度を設計し、ビジネスの世界などで活用する「メカニズムデザイン(制度設計)」が日本でも広がり始めています。 三省堂書店有楽町店(東京都千代田区)は9~10月、経済学をテーマとするブックフェアを開催しました。その中の10冊を対象に、マジョリティー・ジャッジメント(MJ)と呼ばれる方法を使って読者の人気投票を実施しました。投票対象の本ごとに読者に6段階の評価をしてもらい 経済理論をビジネスに活用 広がるメカニズムデザイン