GPIF、貸株解禁へ始動 受託者責任果たす方針 マーケット反射鏡 株式 コラム 編集委員 1月26日 長年書き続けてきた本コラム「マーケット反射鏡」も今回が最終回。世界の株式相場はウクライナ情勢なども加わり、神経質な展開が続いているが、どこまで下がるか見定めようとしている長期投資家も多い。願うことは日本が再び世界の国々から一目置かれる存在に復帰することだ。いろいろ課題が多かった年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も、受託者責任を果たそうと、貸株を解禁する方向で動き始めた。 笑うに笑えない話 GPIF、貸株解禁へ始動 受託者責任果たす方針
日本のドカ貧防げるか 危うい兆候あちこちに マーケット反射鏡 株式 コラム 編集委員 1月19日 「預金一辺倒ではインフレに弱いので、株式投資をしよう」。あちこちからこんな声が出始めた。しかし、インフレに伴う金利上昇は日本経済をますます追い込む恐れもある。政府統計のごまかし、無責任な政策発動、企業活動への過度な介入と、経済を危うくする話も目につく。政治構造から企業経営まで多くの分野で方向転換が必要になってきている。余力を使い果たす前に軌道修正ができるだろうか。 振り返れば、2009年10月に 日本のドカ貧防げるか 危うい兆候あちこちに
デジタル化進まぬ現実 法務省の不思議な対応 マーケット反射鏡 株式 コラム 編集委員 1月12日 行政手続きのデジタル化は岸田文雄内閣が菅義偉前政権から引き継いだ日本の最優先課題の一つだ。不動産の相続登記も法務省がホームページで「すべてインターネット上で対応可」とPRしているので、さっそく試してみた。しかし、なぜか結果は「却下」。理由を問うと、「看板に偽りあり」としかいいようのない回答。法令の矛盾も放置したまま国民に面倒な手続きを迫るという、デジタル化とは無縁の現状が浮上した。 筆者が試した デジタル化進まぬ現実 法務省の不思議な対応
体裁よりも中身を問う年 真の成長企業見極めを マーケット反射鏡 株式 コラム 編集委員 1月5日 東京株式市場の1年の最初の取引である大発会は大幅高となった。1年の計は元日にあるようで、戦後、株式取引が再開して72年間のうち43カ年(60%)は、年間の騰落の方向と大発会の騰落の方向が同じだった。新年の東証の最大イベントは4月からの市場区分の変更。東証1部の300社近くの小ぶり企業が最上位市場の「プライム」に残れる既得権を行使せず、「スタンダード」に移るもようだ。体裁よりも本音の成長を目指す選 体裁よりも中身を問う年 真の成長企業見極めを
6年連続で世界に負け 日本株止まらぬ地盤沈下 マーケット反射鏡 株式 コラム 編集委員 12月29日 2021年の株式相場もあと2日。日経平均株価は何とか3年連続で上昇しそうだが、世界の勢いからは取り残され、日本経済復活の処方箋は見当たらないままだ。世界の投資家にとっては、16年から6年連続で「日本株は買わないのが正解」という状況。市場関係者からは「政治家、官僚、企業経営者に人材がいなくなった」とのぼやきも漏れている。22年は寅(とら)年。修復への手掛かりが得られるだろうか。 単位が違うものの比 6年連続で世界に負け 日本株止まらぬ地盤沈下
コロナ下の稼ぎ頭は 首位外国人、2位は家計 マーケット反射鏡 株式 コラム 編集委員 12月22日 日銀が12月20日に発表した資金循環統計によると、新型コロナウイルス下の日本株の上昇相場では、個人投資家は外国人投資家に次いで2番目に潤った。利が乗った株式を売って換金する日々だが、2020年3月のように、大きく下がったら買おうとも考えているようだ。もっとも経験則では、米国の金利上昇は株高をもたらすことが多い。22年は「千里を走る」と呼ばれる寅(とら)年だから、まだいけるというわけだ。 米国が金 コロナ下の稼ぎ頭は 首位外国人、2位は家計
配るなら現金よりもETF 資本主義に新しさを マーケット反射鏡 株式 コラム 編集委員 12月15日 使い勝手を考えれば、クーポンよりも現金のほうがいいという声が高まるのは当然だろう。しかし、18歳以下の国民に10万円を給付する政策には、「新しい資本主義」のかけらもない。次に何か配布するのならば、日銀保有の上場投資信託(ETF)がベストではないか。証券会社の既存口座に振り込むとすぐに売却される恐れがあるから、まずは全国民に受け取り専用の証券口座を配るのがいい。「分配」が「成長」につながる期待が持 配るなら現金よりもETF 資本主義に新しさを
東芝3分割案は最善か 人材いれば話は変わるが マーケット反射鏡 株式 コラム 編集委員 12月8日 トラブルが続いて多少は流出しただろうが、東芝が日立製作所やソニーグループと並んで、日本の最高の技術者集団を抱えている企業であることは疑いない。「バラバラにしてどうするのか」。11月12日に発表した3分割案に、こんな感想を抱いた人も多い。しかし、虎の子の半導体事業やヘルスケア事業を売却した後、展開力を失ったことは間違いない。株主価値の極大化よりも企業価値の極大化が大切だが、もう時間切れなのだろうか 東芝3分割案は最善か 人材いれば話は変わるが
新生銀行問題への視点 結論妥当だがもやもや感も マーケット反射鏡 株式 コラム 編集委員 12月1日 11月24日に新生銀行がSBIホールディングス側の株式公開買い付け(TOB)に対する買収防衛策を取り下げ、SBIグループの傘下に入る方向となった。12月10日期限のTOBの結果をみるまで速断は禁物だが、株式の20%強を保有する国(預金保険機構と整理回収機構)が買収防衛策に賛成しないと報道され、抵抗を諦めたようだ。公的資金の返済可能性が高まる方向に事態が動くのは妥当に思えるが、一連の経緯には疑問点 新生銀行問題への視点 結論妥当だがもやもや感も
ESG投資は有効なのか テーマ型投信と大差なし マーケット反射鏡 株式 コラム 編集委員 11月24日 温暖化ガスの排出抑制を柱とする地球の環境保全が、人類にとって重要な挑戦課題であることは間違いない。社会的課題の解決と企業統治の強化を加えたESG(環境・社会・企業統治)投資に取り組む機関投資家も増えている。しかし、ESGに熱心な企業の株式を選んで買うことが、高いリターンを約束するとは限らないのではないか。テーマ型投資信託同様、手あかがついたアイデアを追い掛けるのは、得策ではないかもしれない。 世 ESG投資は有効なのか テーマ型投信と大差なし