石油生産と低炭素、両方に軸足 アハマド・アルコウェイター氏 グローバルオピニオン 環境エネ・素材 編集委員 5月17日 石油需要は経済協力開発機構(OECD)諸国では減少するが、途上国では拡大を続ける。適切な価格でのエネルギーは経済成長に不可欠だ。エネルギー転換と強じんな経済は、この供給があってこそ可能となる。 サウジアラムコは石油生産と温暖化ガス低減への投資を続ける。投資不足は市場の逼迫を招き、価格を押し上げる要因となる。排出を最少化した石油供給は我々の役目だ。自動車産業のような顧客とも協力する。可能な限り排出 石油生産と低炭素、両方に軸足 アハマド・アルコウェイター氏
電力値上げの見えないコスト グループ内取引に課題 日経産業新聞 日経の書評 コラム 環境エネ・素材 編集委員 5月9日 電力大手7社が申請した規制料金の引き上げについて、電力・ガス取引監視等委員会が査定方針を示し、審査はヤマを越えた。消費者庁との協議を経て、値上げ幅が確定するが、審査が長引き、一部の社が予定していた4月の値上げは間に合わなかった。6月1日の実施も定かではない。 地域独占時代の名残ともいえる規制料金存続の是非はさておき、政府の認可を受ける以上は厳格な審査はやむをえまい。 ■電力原価、比較難しく 消 電力値上げの見えないコスト グループ内取引に課題
LNG高騰は続くか 中国・欧州が需給左右 東京ガス社長 経済 環境エネ・素材 編集委員 5月8日 エネルギーをめぐる内外の環境が急速に変化し、安定供給と脱炭素の両立の重要性が増している。天然ガス需給やエネルギー事業の将来像を、東京ガスの笹山晋一社長に聞いた。 ――足元の都市ガス需要の動向は。 「3年前に新型コロナウイルスの感染が広がり始めた当初は大口向け需要が半減した。家庭向けは在宅勤務などに伴う『巣ごもり需要』があったものの、全体では大きく減った。足元の大口需要はコロナ前に近い水準まで回復 LNG高騰は続くか 中国・欧州が需給左右 東京ガス社長
INPEX、中東で取締役会 「絆」維持へ不断の努力を 経営の視点 Think! コラム 環境エネ・素材 中東・アフリカ 編集委員 4月9日 国際協力機構(JICA)イラク事務所の米田元所長は着任したバグダッドで「丸紅病院」のことを聞いて驚いた。 丸紅病院は総合商社の丸紅が1980年代にイラク全土13カ所に整備した総合病院のこと。日本製の医療機器を備えた最新施設は現地の人々の歓迎を受けた。 病院に限らない。日本企業は一大産油国であるイラクで製油所や発電所、高速道路などを次々受注し、日本にとって最大のプラント輸出先だった時期もある。 INPEX、中東で取締役会 「絆」維持へ不断の努力を
イランというワイルドカード イアン・ブレマー氏 Think! グローバルオピニオン 中東・アフリカ 編集委員 4月5日 国際原子力機関(IAEA)は2月下旬、イランの核開発プログラム監視の一環として、濃縮度84%のウラン粒子を確認したと報告した。核兵器の製造に必要な濃縮度は90%で、これは重大な事態だ。米国防総省の高官は2月末、「米国がイラン核合意から離脱して以降、イランの核開発は著しく進んだ。トランプ米前政権が2018年に離脱を決めた時点では、イランが核爆弾1個分の核分裂性物質をつくるために必要な期間は約12カ イランというワイルドカード イアン・ブレマー氏
中国の一撃、米国の中東回帰促す デーブ・シャルマ氏 Think! Asiaを読む 編集委員 3月25日 イランとサウジアラビアの外交正常化を中国が仲介したことは予期せぬ一撃であり、中東に新しい権力秩序をもたらした。 米国は10年以上、中東における安全保障と外交の負担を減らしてきた。中国と競争するため、アジアにより多くの資源を集中するためだ。今回、中国が中東で存在感を高めたことで、米国のアジア重視政策は複雑になる。 サウジとイランの外交正常化は双方にとって百八十度の方針転換だ。中東における主導権争い 中国の一撃、米国の中東回帰促す デーブ・シャルマ氏
脱炭素に沸くアジア 石炭火力の転換、難路に商機 日経産業新聞 カーボンゼロ 水素・アンモニア 環境エネ・素材 編集委員 3月22日 アジアの脱炭素は世界の気候変動対策の行方を左右する。これまでのように石炭火力発電所をどんどん建てるわけにいかない。しかし、増える電力需要を満たせなければ成長は腰折れする。そんな隘路(あいろ)の中から、新たなビジネスを探る熱気が生まれつつある。 燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さない水素やアンモニアなど、脱炭素燃料をめぐる動きが急だ。米調査会社フィッチ・ソリューションズによれば、足元で進む水素関 脱炭素に沸くアジア 石炭火力の転換、難路に商機
日本は中東のパートナーか 覚悟問う「サウジ・イラン」 Think! 環境エネ・素材 中東・アフリカ Deep Insight 編集委員 3月15日 イランの首都テヘランの北部、高級住宅街の一角に「殉教者ニムル・アルニムル通り」がある。サウジアラビア政府は2016年1月、サウジ東部で活動していたイスラム教シーア派の聖職者を処刑した。その聖職者の名前である。 この通りにサウジ大使館があった。サウジ国民の多数派はスンニ派。シーア派の大国イランにニムル師処刑が伝わると、反発した市民がサウジ大使館を襲撃し、火を放った。これを受けてサウジはイランと断交 日本は中東のパートナーか 覚悟問う「サウジ・イラン」
ウクライナ侵攻1年、エネ選択に揺れるアジア LNG逆風 日経産業新聞 ウクライナ侵攻1年 環境エネ・素材 編集委員 2月25日 ロシアのウクライナ侵攻から1年が経過した。欧州発の激震はエネルギー価格の高騰を招き、過熱する争奪戦はアジアを揺らした。侵攻が広げる分断は気候変動対策からビジネス、地政学に至る広範囲の秩序見直しを迫っている。 「液化天然ガス(LNG)はもはや長期計画にはない」。パキスタンのクラム・カーン電力相はロイター通信の取材に語った。代わりに石炭火力発電所の能力を、足元の4倍以上となる1000万キロワットに引 ウクライナ侵攻1年、エネ選択に揺れるアジア LNG逆風
アジアはエネルギーの足場固めを バンダナ・ハリ氏 Asiaを読む 編集委員 1月28日 2022年は世界的な石油・天然ガス市場の混乱が目立った1年だった。それでもアジア諸国の多くは供給を確保し、欧州を襲ったエネルギー危機から自国の経済を守ることに成功した。23年のアジアの課題は、危機管理対応から抜け出し、エネルギー安全保障と脱炭素の目標を両立させることだ。 ウクライナ侵攻を巡るロシアと西側諸国との対立の中で、政治的な中立が戦争の影響を回避する手段にならないことをアジアの指導者は学ん アジアはエネルギーの足場固めを バンダナ・ハリ氏