米政府が払う備蓄原油激減のツケ 相場回復なら補充困難 マネー底流潮流 コラム 商品 編集委員 5月28日 原油市場で相場を下支えする材料のひとつに、米国による戦略石油備蓄(SPR)の補充買い入れがある。ガソリンなどの価格高騰を抑えるために大量放出し、備蓄量は19日時点の米エネルギー情報局(EIA)統計で3億5795万バレルと40年ぶりの少なさだ。ここまで減ると安全保障上の懸念が拭えないが、相場が回復すれば補充のタイミングは難しくなる。 戦略備蓄をめぐってはいつ放出をやめ、買い入れに動くのか、2022 米政府が払う備蓄原油激減のツケ 相場回復なら補充困難
下げ渋る商品相場 脱炭素・ロシアで構造変化 日経ヴェリタス 商品ニュース 商品 学ぶ 5月16日 今世紀に入り、原油などの国際商品相場が劇的に下げた局面が3つある。リーマン・ショックとチャイナ・ショック、新型コロナウイルスの感染が拡大した初期だ。原油安は産油国経済の不安や投資引き揚げの思惑を誘い、株安を加速させる場面もあった。米国による急速な利上げが金融システムを揺るがし、世界経済に打撃を与える事態に発展すれば「第4のショック」を覚悟しなければならない。同時に、脱炭素と脱ロシアの進行が商品相 下げ渋る商品相場 脱炭素・ロシアで構造変化
商品市況急変が映す危機 商品 編集委員 4月10日 鋼材など主要商品の国内価格で構成する日経商品指数17種が3月末値で前年同月の水準を下回った。月末値ベースでの下落は2020年9月以来となる。品目の多い42種の上昇率も4%台まで縮小している。 国際相場の下げが波及した影響が大きい。米国の金利上昇が世界経済にブレーキをかけ、3月には欧米の銀行危機が追い打ちをかけた。 相場下落で企業の原燃料費が減り物価高が落ち着く、と手放しで喜べない。日経商品指数は 商品市況急変が映す危機
金価格を押し上げる「負の連鎖」 新興国にもジレンマ マネー底流潮流 金 コラム 編集委員 4月9日 金の国際相場が一時1トロイオンス2000ドルを超え、2022年3月に記録した史上最高値の更新を視野に入れた。浮上した銀行危機が景気の先行き不安を強め、金市場にマネーが逃避している。エネルギーや穀物、同じ貴金属のプラチナなどが下げる場面でも金相場の独歩高が目立つ。 米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週公表する売買統計「コミットメンツ・オブ・トレーダーズ」(COT)は、どのような動きが先物やオプシ 金価格を押し上げる「負の連鎖」 新興国にもジレンマ
食品値上げ、訪日客も支え販売落ちず マルハニチロ社長 値上げラッシュ コラム 経済 編集委員 3月6日 食品値上げが止まらない。石油危機以来となる値上げの波はなぜ巻き起こり、どこまで続くのか。水産大手、マルハニチロの池見賢社長に聞いた。 ――2021年あたりから始まった食品値上げの動きは勢いを増しています。 「当社も冷凍食品で言えば昨年2回、今年も2月に値上げした。ただ、値上げした時点ですでに値上げ以上の原材料高がのしかかっている。今年に入って値上げが加速したのは、昨年もっとも円安が進んだ時期の原 食品値上げ、訪日客も支え販売落ちず マルハニチロ社長
「歴史的な金買い」が語る局面の変化 透ける中国の深謀 マネー底流潮流 金 コラム 商品 編集委員 2月26日 金市場への資金シフトが止まらない。中央銀行による昨年の金準備の積み増し量は約1136トンと過去最大を記録した。欧米の個人投資家による地金、金貨といった現物投資も2008年の金融危機から高い水準が続く。金先物、上場投資信託(ETF)といった短期売買の多い投資と異なり、こうした買いは一過性のものではない。なぜ、いま金なのか。 中銀の金買いは規模の大きさもさることながら、すでに10年以上も継続している 「歴史的な金買い」が語る局面の変化 透ける中国の深謀
中国仕掛けのニッケル迷宮 LME乱高下の謎に迫る 日経ヴェリタス 編集委員 2月25日 昨年、ロンドン金属取引所(LME)相場が乱高下し、ヘッジファンドなどによる訴訟も起きたニッケル市場。なぜ、このような事件が起きたのか。理由を探るにはLME自体の問題だけでなく、ニッケル市場の特徴や変化を考える必要がある。 ニッケルは世界の需給規模が年およそ300万トンと銅より1ケタ少ない。埋蔵量もインドネシアやオーストラリア、ブラジル、ロシアなどに偏在する。政府がレアメタル(希少金属)に分類する 中国仕掛けのニッケル迷宮 LME乱高下の謎に迫る
再生型漁業、アジアに伸びしろ Asiaを読む 編集委員 2月11日 現在の世界経済システムは、それが依存している自然資本そのものを枯渇させている。こうした自滅行為が最も顕著に表れているのが、魚介類の乱獲だ。 しかし水産資源はもっと慎重に管理できるし、漁業と水産養殖業はさらなる成長も実現可能だ。米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の資源経済学者であるクリストファー・コステロ教授らの研究によると、持続可能な管理の下であれば、生産高を6倍に増やすことが可能だという。 再生型漁業、アジアに伸びしろ
「高値の花」が映す危機 バラなど国内外で生産直撃 新型コロナ ウクライナ侵攻 値上げラッシュ Think! Nikkei Views 編集委員 2月2日 花卉(かき)市場は卒業シーズンに向けてチューリップやスイートピーなど春の花の季節を迎える。その市場にもウクライナ危機の影響は色濃く映る。ハウス栽培に使う電気や燃料、肥料などのコスト増が生産者を直撃。同時に新型コロナウイルス禍から生活が正常化するにつれ、卸値や店頭価格が上昇した。エネルギー危機に直面するオランダの生産が激減するなど国際市場も大きく変わりそうだ。 ■コロナ後需要をウクライナ危機が直撃 「高値の花」が映す危機 バラなど国内外で生産直撃
長期化する食料供給不安 複合危機、新興国揺さぶる マネー底流潮流 マーケットニュース グローバルマーケット コラム 編集委員 1月15日 食料の供給不安が長期化しそうだ。人口増加に新興国の成長が加わり、世界の食料需要は拡大を続ける。その中で、干ばつなどの異常気象が頻発するようになった。ウクライナ危機は小麦などの食料だけでなく、農業生産を左右する肥料の供給も危うくした。さまざまな要素がからみあう複合危機は食品価格の上昇を長引かせ、新興国経済の不安を高める。 シカゴ市場の小麦相場はロシアによるウクライナ侵攻直後の3月に記録した1ブッシ 長期化する食料供給不安 複合危機、新興国揺さぶる