支持基盤が溶けている 選挙戦術だけで野党は勝てない 風見鶏 Think! 編集委員 コラム 5月27日 本格的な登山の経験はないが、関連のドキュメンタリーをよく見る。田中陽希さんの日本百名山の踏破に密着したNHKの「グレートトラバース」はシリーズ化され、各地でファンがまち受ける人気だった。 ふもとから一気に駆け上がる驚異の体力と、山頂からの絶景はもちろん素晴らしい。しかし示唆に富むのは「失敗」の方だ。 第1シリーズの最後は北海道の利尻岳。8合目あたりまで来た田中さんは、天候悪化を感じ取り下山を即決 支持基盤が溶けている 選挙戦術だけで野党は勝てない
岸田政権、無策か拙速か 野党も財源論から逃げるな 風見鶏 岸田政権 編集委員 コラム 政治 2月25日 岸田文雄首相は昨年春ごろ「無策無敵内閣」と評された。難題に取り組まないから敵もいないという意味だ。支持率が急落した秋以降は、国会答弁などで「検討します」を連発する「検討使」の異名が加わった。 時の首相にはしばしば「無策」との批判があがる。いまの国会論戦をみると、野党の追及は「拙速」に重点が移りつつある。現政権は無策か拙速か。どちらの評が的確だろうか。 1月25日の衆院代表質問。立憲民主党の泉健太 岸田政権、無策か拙速か 野党も財源論から逃げるな
マンガの博物館は不要ですか? 文化時評 Think! 編集委員 コラム 2月5日 世界から「ニッポンのマンガ、アニメ、ゲームが大好き!」ともてはやされても、権威づけがない大衆文化をどこか低く見る風潮がこの国にはある。でもメインカルチャーとサブカルチャーの違いは何? その線引きは誰がいつ決めるの? 世の中のトレンドに敏感とは言いがたい日本の国会審議で、マンガやアニメの文化的な位置づけが論争の的になったのが2009年だ。発端はマンガ好きの麻生太郎首相(当時)が肝煎りで進めた「国立 マンガの博物館は不要ですか?
どうする防衛産業・経済安保、西村経産相に聞く 12月15日更新 安全保障を経済の視点から見てみます。防衛産業は採算性の低さなどを理由に事業撤退が相次ぎ、防衛力強化の国内基盤は揺らいでいます。経済安保政策は半導体など重要物資や技術をどう守るかが課題です。坂本英二編集委員が安全保障のリアルを西村康稔経済産業相に聞きます。 どうする防衛産業・経済安保、西村経産相に聞く
売れない日本の防衛装備品 輸出促進、利益率向上に課題 日経ヴェリタス Think! Nikkei Views 編集委員 コラム 11月21日 日本が6日に神奈川県沖の相模湾で開いた国際観艦式。岸田文雄首相による各国艦艇の観閲が粛々と進んだ後、護衛艦「いずも」に乗り込んだ国内外の参加者から大きな拍手が起きた。 行事を締めくくる「展示訓練」。最新鋭の潜水艦が浮上・潜航を繰り返し、哨戒機「P1」がフレア射出、救難飛行艇「US2」が着水・離水を披露した。招かれた各国の外交官や武官、メディア関係者らに日本が誇る装備品の性能をアピールした。 安 売れない日本の防衛装備品 輸出促進、利益率向上に課題
国際観艦式、「海洋同盟」へ布石 写真と映像で読み解く Nikkei Views 編集委員 11月10日 世界各国の海軍を招き、岸田文雄首相が観閲する「国際観艦式」が11月6日、神奈川県沖の相模湾で開かれた。参加した外国艦艇は12カ国18隻。回答期限の10月12日まで態度を明らかにしなかった中国は派遣を見送り、韓国は補給艦1隻が最終的に加わった。ウクライナを侵攻したロシアを排除し、北朝鮮の弾道ミサイル発射が相次ぐなかでの観艦式となった。国際環境の激変を受け、政府は日米を軸とするインド太平洋での「海洋同盟」の構築を急ぐ。 国際観艦式、「海洋同盟」へ布石 写真と映像で読み解く
8カ月間を戦えますか 防衛産業の現在、過去、未来 風見鶏 岸田政権 編集委員 コラム 政治 10月29日 駆け出しの記者だった30年前、企業取材でどうしても解けない謎があった。 大手重工メーカーA社の幹部に部門別の利益率を尋ねた。答えは「防衛関連が最も厳しい。今回受注した最新鋭の護衛艦は1隻目が大赤字、2隻目もたぶん赤字になる。お国のために責任感でやっている」。 大型装備品は「2社購買」が原則とされ、3隻目はライバルB社の受注が見込まれていた。B社も1隻だけの建造ではもうけが出ないという。大赤字+赤 8カ月間を戦えますか 防衛産業の現在、過去、未来
自衛隊の実力、何が足らないのか 9月29日更新 政府は国家安全保障戦略の年内改定に向けて議論しています。大きな焦点は自衛隊のあり方です。「専守防衛」の理念のもとで築いてきた防衛組織はどう変わっていくのでしょうか。陸海空の予算や人員は硬直的で、サイバー・宇宙など新領域も含めて自衛隊改革はできるのでしょうか。坂本英二編集委員が安全保障のリアルを専門家に聞きます。 自衛隊の実力、何が足らないのか
防衛力強化のキーワード 「長射程・新領域・抗堪性」 日経ヴェリタス 岸田政権 Think! Nikkei Views 9月26日 与野党の議員に防衛力強化への考えを聞くと、判で押したように同じ言葉が返ってくる。「安全保障は重要だけど、防衛費の増額ありきではダメ。中身が大事だ」。しかし「それでは優先すべき中身とは何?」との再質問に即答できる議員は少ない。 ■防衛力見直し作業は3ルート これまで日本の安保政策は、歴代政権が防衛関係議員らと調整して方向を定めてきた。岸田政権はいま「防衛力を5年以内に抜本的に強化する」との基本方針 防衛力強化のキーワード 「長射程・新領域・抗堪性」
改造内閣で挑む、令和の「富国強兵」 岸田人事の狙い 日経ヴェリタス Think! Nikkei Views 編集委員 コラム 8月22日 一般に「あの人は政治家だから」と言えば、腹の内を見せず駆け引きや根回しにたけた人物を指す。国会議員はそうしたタイプが多いが、時の首相が自らの政権目標を熱心に語る場合はわりあい本心に近いように感じる。 岸田文雄首相は10日の内閣改造にあわせ、記者会見に臨んだ。ウクライナ危機や台湾を巡る米中対立、新型コロナウイルス、物価高などに触れて「有事に対応する『政策断行内閣』として山積する課題に経験と実力を兼 改造内閣で挑む、令和の「富国強兵」 岸田人事の狙い