和牛を米国で売り込め、JA全農の「薄切り作戦」 食の進化論 コラム 編集委員 サービス・食品 4月10日 新型コロナウイルスの感染拡大で、影響を受けた農産物の一つに牛肉がある。インバウンド(訪日外国人)消費の激減や外食の低迷で、深刻な打撃を受けた。だがその傍らで、牛肉販売の可能性を示した売り先がある。海外だ。 米カリフォルニア州。コンテナ貨物基地のロングビーチ港から車ですぐのところに、その食肉加工施設はある。衛生管理の行き届いた室内で、作業着に身を包んだスタッフが重さを量っているのは、和牛のブロック 和牛を米国で売り込め、JA全農の「薄切り作戦」
食感生かすキャベツソース、食品ロスが開発の契機に 食の進化論 コラム 編集委員 4月3日 日本の食品ロスは年に数百万トンに上る。まだ食べられるのに捨てられてしまう食品を減らす取り組みは官民それぞれにあるが、ビジネスの手法で解決するなら避けて通れない課題がある。食品としての魅力を高めることだ。 千葉県八千代市にある石井食品の工場で、ハンバーグの新商品の製造ラインを見学した。機械から「にゅうっ」と出てきたのは、国産若鶏のひき肉。別の機械でパン粉と混ぜてこね上げられ、さらにハンバーグの形に 食感生かすキャベツソース、食品ロスが開発の契機に
「菜花」でレストランの魅力向上 ヒントは農家の食卓 食の進化論 コラム 編集委員 埼玉 3月27日 どんな食材を選ぶかは、レストランが特色を出すうえで大きな要素になる。通常のルートでは入手できないような食材を使うことができれば、メニューの魅力は格段に高まる。生産者との密接なつながりを持っているかどうかがそのカギを握る。 JR武蔵浦和駅(さいたま市)の近くにあるイタリア料理店「トラットリア アズーリ」。シェフの阿部正和さんがキャベツの仲間の野菜、カーボロネロを取り出した。濃い緑色をした短い葉に囲 「菜花」でレストランの魅力向上 ヒントは農家の食卓
農産物輸出、なぜ健闘? コロナ禍逆手、卵・牛肉人気 新型コロナ インバウンド 編集委員 ニッキィの大疑問 3月27日 日本の農産物輸出が順調に増えていると聞いたわ。健闘している理由はどこにあるのかしら。今後さらに農産物の輸出を伸ばしていくには、どんな課題があるのかな。 農産物輸出が伸びている背景について、川野茉莉子さんと本田めぐみさんに吉田忠則編集委員が解説した。 ――川野さん「農産物の輸出はどうなっていますか」 2020年の農林水産物・食品の輸出額は9223億円と8年続けて最高を更新しました。前年比伸び率は1. 農産物輸出、なぜ健闘? コロナ禍逆手、卵・牛肉人気
国のコメ政策に反論、農協マンが語る田んぼの未来像 食の進化論 コラム 編集委員 秋田 3月20日 コメの減反の廃止から今年で4年目。需要の減少が加速しており、2年続けて米価が下がると予想されている。農家の収入が減るのを心配する農政と農協の対応は、改革前とまったく同じ。主食米を減産し、値崩れを防ぐことだ。 本当にそれが打つべき手なのか。そんな疑問を抱く人は農協グループの中にもいる。秋田ふるさと農業協同組合(秋田県横手市、JA秋田ふるさと)の小田嶋契前組合長と、大潟村農業協同組合(秋田県大潟村、 国のコメ政策に反論、農協マンが語る田んぼの未来像
コロナと鳥インフル、2つのウイルスで揺れる卵相場 新型コロナ 食の進化論 コラム 編集委員 サービス・食品 3月13日 新型コロナウイルスの混乱が大きすぎてあまり目立たないが、国境を越えてやってくるウイルスは農業も直撃している。2020年11月に始まった鳥インフルエンザの流行は鶏などの殺処分が過去最多を更新し、1000万羽に迫る勢い。その影響は卵の価格にもおよび始めている。 農林水産省によると、20年11月に香川県で始まった鳥インフルの流行は17県に広がっている。殺処分数は979万羽と、これまで最多だった05~0 コロナと鳥インフル、2つのウイルスで揺れる卵相場
プンタレッラって何? 未知の野菜を広める農家とシェフ 食の進化論 コラム 編集委員 3月6日 農家が特色を出すための最もわかりやすい方法は、他の農家が育てていない作物を作ることだ。ただこの手法には難題がある。あまりに珍しいと、消費者がどう食べていいか戸惑ってしまう点だ。そこでシェフの役割が重要になる。 埼玉県嵐山町の郊外。藤田芳宏さんの畑を訪ねると、育っていたのは国内ではまず見ることのない風変わりな野菜だった。 大きさは小ぶりのキャベツほど。だが細くてとがったたくさんの葉っぱが上に向かっ プンタレッラって何? 未知の野菜を広める農家とシェフ
ねっとり甘い熟成バナナ、埼玉のハウスで収穫スタート 食の進化論 コラム 編集委員 2月20日 珍しい作物は、栽培の様子を見るだけでわくわくする。埼玉県神川町にある「カネザワフルーツリゾート」もそうした農園の一つ。ハウスに入ると、目に飛び込んできたのは約100本のバナナの株だ。 ハウスの中を進むと、頭上を覆うのは傘にも使えそうな大きな葉っぱ。その下に、ずっしり重さを感じさせてバナナが実る。株から垂れ下がっているのは、苞(ほう)と呼ばれる赤紫色の房。中を見ると、先端に花をつけた実がきれいに並 ねっとり甘い熟成バナナ、埼玉のハウスで収穫スタート
豚熱の発生から2年、生産者が地域密着で歩む再生の道 食の進化論 コラム 編集委員 2月13日 新型コロナウイルスの感染がいつ収束するのか先がみえない状態が続いているが、ウイルスに悩まされているのは人間だけではない。国内では家畜の世界で鳥インフルエンザが猛威をふるい、豚熱(CSF)も断続的に発生している。 家畜がウイルスに感染した農場はどうやって再起の道のりを歩んでいるのか。2018年に岐阜県から始まった豚熱の感染拡大局面で、全国8番目の感染例となったトヨタファーム(愛知県豊田市)に取材し 豚熱の発生から2年、生産者が地域密着で歩む再生の道
和風ピクルスで地域を盛り上げたい 豊かな自然アピール 食の進化論 コラム 編集委員 2月6日 地域経済の衰退を防ごうと、各地が特産品の販売に力を入れている。その多くは地域の伝統的な食品を前面に押し出しているが、中にはまったく新しい商品を開発して特色を出そうとする試みもある。そんな例を紹介したい。 町の全域が国立公園に指定され、豊かな自然に囲まれている東京都奥多摩町。この地域を走るJR青梅線の白丸駅から歩いてすぐのところに、食材の加工販売施設「手づくり工房 四季の家」がある。 店内に入ると 和風ピクルスで地域を盛り上げたい 豊かな自然アピール