瀬戸際の次世代加速器 迫る中国、巻き返しへ再起動 コラム 科学&新技術 編集委員 5月17日 停滞していた次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の日本建設に向けた活動が、再び動きだそうとしている。推進にむけた国会議員連盟の活動が再開され、研究者の新たな国際ネットワーク作りも始まった。一方でライバルの中国の動きも加速しており、先行される懸念も高まる。日本の研究開発力低下が叫ばれる中で、国際的な先端科学拠点作りに向けた取り組みが求められる。 4月27日、衆議院第1議員会館でリニアコラ 瀬戸際の次世代加速器 迫る中国、巻き返しへ再起動
ロケット失敗、明るいマスク氏 H3と差を生む開発哲学 イーロン・マスク 宇宙開発 Think! 科学&新技術 Nikkei Views 編集委員 4月25日 イーロン・マスク氏が立ち上げた宇宙スタートアップ、米スペースXが新たな超大型ロケットを打ち上げたが失敗した。日本の新たな基幹ロケット「H3」も3月の初打ち上げに失敗、現在も原因究明が続く。新ロケット開発に失敗や遅れはつきものだが、両者の間には開発のスピード感や方法論の大きな違いが見える。 スピードに見劣り 新型ロケット「スターシップ」が20日、米テキサス州ボカチカの発射場から打ち上げられたが、第 ロケット失敗、明るいマスク氏 H3と差を生む開発哲学
ispace、月面着陸に挑む 民間主導の月開発が幕開けへ 宇宙開発 科学&新技術 Nikkei Views 編集委員 4月24日 宇宙スタートアップのispace(アイスペース)が26日未明にも民間初の月面着陸に挑戦する。20日には実業家の前沢友作氏が月旅行に使う米スペースXの新型ロケットが初めて打ちあげテストを実施した。月は今後の宇宙開発の前線基地と期待され、1000人規模の都市建設構想も浮上する。多様な企業が参加する民間主導の月開発が幕を開けようとしている。 基地建設に輸送需要 月面を目指すアイスペースの着陸機は宇宙航 ispace、月面着陸に挑む 民間主導の月開発が幕開けへ
木星探査機の日本チーム率いる 斎藤義文JAXA教授 科学&新技術 編集委員 4月16日 14日に欧州宇宙機関(ESA)が中心となって打ちあげた木星探査機「JUICE」に参加する日本チームのチーム長を務める。「日本だけでは行けないところに行く。予想もしない新しい発見ができるのではないか」と意気込む。 水星を目指して飛行中の日欧共同の「ベピ・コロンボ」、月の精密な観測を行った宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「かぐや」など数多くの宇宙探査に参加。搭載する観測機器の開発や研究で成果を上げ 木星探査機の日本チーム率いる 斎藤義文JAXA教授
生命と地球誕生の謎探る 木星探査機、13日にも打ち上げ ヨーロッパ 科学&新技術 Nikkei Views 編集委員 4月12日 欧州を中心とした国際協力によって木星とその衛星を調査する「木星氷衛星探査計画(JUICE)」の探査機が13日夜(日本時間)にも打ち上げられる。木星の衛星に海が存在し、そこに生命が生まれる可能性を追求。太陽系に地球などの惑星が生まれる歴史にも迫る狙いだ。参加する日本にとって木星への初めての挑戦で、先端技術を生かした得意分野での貢献が期待される。 日本も先端技術で貢献 欧州宇宙機関(ESA)が主導す 生命と地球誕生の謎探る 木星探査機、13日にも打ち上げ
ペギー・ウイットソンさん 民間宇宙旅行を指揮 北米 編集委員 3月23日 米宇宙スタートアップ、アクシオム・スペースが今春打ちあげる民間宇宙旅行「Ax-2」の船長を務める。米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士として国際宇宙ステーション(ISS)に3度の長期滞在を経験。「もう一度宇宙に行けるとは思わなかった」と笑顔を見せる。 女性としては世界最長の宇宙滞在と船外活動(宇宙遊泳)の記録を持ち、ISSでは2回船長を務めた。宇宙飛行士を目指す人々にとって目標とされる先輩の一人 ペギー・ウイットソンさん 民間宇宙旅行を指揮
「H3失敗」でミサイル防衛に影響 日米連携にも暗雲 Think! 科学&新技術 Nikkei Views 編集委員 3月22日 日本の新たな基幹ロケット「H3」初号機が打ち上げに失敗した。原因究明が進められているが、打ち上げ中断の長期化が懸念される。宇宙開発は安全保障面での役割が急拡大するとともに、日米連携も強まっている。H3に期待される役割も大きいだけに、影響が心配される。 H3初号機に搭載されていた人工衛星「だいち3号」には、防衛省が開発した新型センサーも相乗りしていた。防衛省はだいち3号でデータ収集を行い、弾道ミサ 「H3失敗」でミサイル防衛に影響 日米連携にも暗雲
H3ロケット打ち上げ失敗、焦りと油断はなかったか 科学&新技術 編集委員 3月8日 H3ロケット初号機の打ち上げは失敗した。当初計画からの開発遅れに加え、打ち上げ直前の中止を経ての失敗だけに影響は大きい。事前に異常を察知することはできなかったのか。技術的な原因だけでなく、打ち上げに至る経緯の検証も求められそうだ。 今回の打ち上げでは、H3の第2段エンジンが点火せず、打ち上げは失敗に終わった。原因はまだ分かっていない。一般的には、エンジン本体か電気系統の問題が予想される。第2段エ H3ロケット打ち上げ失敗、焦りと油断はなかったか
日本人宇宙飛行士を待ち受ける試練 月への長く険しい道 Think! 科学&新技術 Nikkei Views 編集委員 3月2日 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が選考を進めていた日本人宇宙飛行士候補が決まった。日本人として初めて月面に降り立つ期待がかかるが、地球に近い国際宇宙ステーション(ISS)とは異なる資質も求められる。一方でISSが2030年に退役、日本人宇宙飛行士の活動機会が少なくなる懸念もある。今後の有人宇宙開発をいかに進めるか、覚悟が問われる。 2月28日にJAXAが発表した宇宙飛行士候補は世界銀行に勤務する 日本人宇宙飛行士を待ち受ける試練 月への長く険しい道
解けない暗号やGPS代替、宇宙からの素粒子で安全守る コラム IoT モバイル・5G 科学&新技術 編集委員 2月9日 宇宙から飛来する素粒子をIT(情報技術)など幅広い分野に活用する研究が進んでいる。量子コンピューターでも事実上解読できない暗号通信や環境に優しい暗号資産(仮想通貨)、全地球測位システム(GPS)の代わりになる測位システムなど様々な応用が考えられている。従来使われていた透視技術からセキュリティー分野などへと応用が広がり、産業利用の期待が高まる。 東京大学国際ミュオグラフィ連携研究機構の田中宏幸教授 解けない暗号やGPS代替、宇宙からの素粒子で安全守る