復帰50年、なお沖縄を悩ます米軍基地 際立つ本土との差 岸田政権 沖縄復帰50年 Nikkei Views 編集委員 政治 5月14日 沖縄が日本に復帰して15日で半世紀の節目を迎える。第2次世界大戦後の米国統治が27年間なので、その2倍近いときが経過したことになる。 では、沖縄の人々が「アメリカ世(ゆ)」と呼んだ時代は過去のものになったのか。残念ながら答えはノーだ。50年前もいまも米軍基地が身近にあり、騒音被害や米軍人による事件・事故が相次ぐ生活が続いているからだ。 50周年に先立ち、沖縄県の玉城デニー知事は10日、岸田文雄首 復帰50年、なお沖縄を悩ます米軍基地 際立つ本土との差
自衛隊は違憲だが、同時に合法? 憲法のトリセツ 編集委員 コラム 政治 5月1日 憲法9条に関する裁判の話が続いたので、今回は学説の話を取り上げます。1970年代後半から80年代前半にかけて、与野党の動きに大きな影響を与えたのが、違憲合法論でした。自衛隊は憲法違反の存在だが、国会での手続きを経て発足した合法的な存在でもある、という考え方です。 「軍縮」の時代に生まれて この学説を提唱したのは、2020年に亡くなった小林直樹東大名誉教授です。余談ですが、筆者が学生時代に初めて受 自衛隊は違憲だが、同時に合法?
講和条約から70年 国家主権と国際ルールつなぐ法整備を Think! Nikkei Views 編集委員 4月28日 第2次世界大戦で敗れた日本が米国などと締結したサンフランシスコ講和条約が発効して、今年で70年になる。きょう4月28日はいわゆる「主権回復の日」である。国家主権の重要性は、ロシアのウクライナ侵攻によって再認識させられたが、一方で国際化の進展で国家主権と国際ルールがうまく合わない事例も増えている。両者をつなぐ法整備が必要だ。 4月28日は「主権回復の日」 28日を主権回復の日と呼ぶ運動を始めたのは 講和条約から70年 国家主権と国際ルールつなぐ法整備を
「1票の格差」どうするのか 識者に聞く 岸田政権 時論・創論・複眼 編集委員 4月25日 衆院選の1票の格差を巡る発言が相次ぐ。新たに導入する人口比を反映しやすいアダムズ方式により、都道府県ごとの定数が10増10減になるとわかると、自民党から「地方には迷惑な話」との反対論が出ている。定数是正はどうあるべきか。与野党幹部や選挙制度に詳しい識者に聞いた。 ◇ ◇ ◇ いますべきは10増10減 立憲民主党幹事長 西村智奈美氏 2016年に公職選挙法を改正した際、当時は民進党議員だっ 「1票の格差」どうするのか 識者に聞く
次世代に多様な経験を 久保文明さんを奮い起こす本 カバーストーリー 編集委員 4月2日 本との出合いがいまの針路に影響したとか。 両親とも大学の教員だったので、家にたくさんの本がありました。外で遊ぶのも好きだったので、小学生になると『シートン動物記』など、生き物に関する本を読むようになりました。 高校の世界史の授業で、最初に教わったのが帝国主義でした。それで父の本棚にあった『帝国主義の時代』を手に取ったのですが、教科書に書かれていないことも載っていて面白い。気が付くと全部読み通して 次世代に多様な経験を 久保文明さんを奮い起こす本
裁判官の独立を侵した平賀書簡 憲法のトリセツ 北海道 編集委員 コラム 政治 4月1日 自衛隊が合憲か違憲かが争われた長沼ナイキ基地訴訟は、別の意味でも日本の司法の歴史に残る裁判となりました。札幌地裁での審理のさなか、所長が裁判長に国の意向に沿った判決を出すように圧力をかけていたのです。 裁判官は個々に独立 地裁の所長は、そこに所属する複数の裁判官を統括する立場にあります。上司が部下に指示を出すのはふつうではないか。そう思われるかもしれません。 いまの憲法は76条3項でこう定めます 裁判官の独立を侵した平賀書簡
否定された自衛隊違憲 憲法のトリセツ 編集委員 コラム 政治 3月1日 自衛隊は合憲か違憲かを争った長沼ナイキ基地訴訟についての2回目です。1973年9月、札幌地裁の福島重雄裁判長は「自衛隊は憲法が保持を禁じる戦力に該当する」との判決を下しました。 ちなみに福島氏は緊張のあまり、主文を読み飛ばして理由説明を始めようとして、陪席裁判官に注意されたそうです。初の自衛隊違憲は、それを判断した裁判官にも重いものだったことがうかがえます。 日本経済新聞は、自衛隊合憲の立場をと 否定された自衛隊違憲
閣僚の上手な辞めさせ方 ポスト1減、どうする首相 風見鶏 新型コロナ 岸田政権 編集委員 コラム 政治 2月26日 組閣のときによく耳にする単語のひとつに「入閣待機組」がある。閣僚ポストを得ようと、首相や派閥の領袖への売り込みに奔走する国会議員のことだ。 政治記者になった中曽根内閣のころは「待望組」と呼ぶことが多かった。こちらは「大した能力もないのに高望みしている」と若干からかう語感があった。 いずれが妥当な呼び方かはさておき、大臣病の患者が多いのは、昔もいまもあまり変わらない。 「首相の力は衆院を解散をすれ 閣僚の上手な辞めさせ方 ポスト1減、どうする首相
米一般教書演説、バイデン政権の求心力占うバロメーター バイデン政権 Think! 北米 Nikkei Views 編集委員 2月24日 バイデン米大統領にとって初めての一般教書演説が3月1日に行われる。ウクライナ情勢を巡るロシアへの発言も注目される。世論調査で支持率が歴代最低レベルに低迷するなか、米国民の心をつかみ、反転攻勢のきっかけとすることができるか。政権の先行きにとって重要な行事となる。 ほとんどの演説は自慢話 一般教書に関する解説ものを読むと、新聞記事などでは「今後1年間の米国の内政や外交、経済など政策全般についての方針 米一般教書演説、バイデン政権の求心力占うバロメーター
31代目の駐日米大使 ラーム・エマニュエルさん バイデン政権 編集委員 北米 生活 2月3日 政治家である。過去半世紀の駐日米大使11人を振り返ると、連邦議会の上下両院議員の経験者が4人いたが、それと同じ系譜という意味ではない。目標を実現するためならば、いかなる手段を取ることも辞さないタイプということだ。しかも、満面の笑みを浮かべて。 オバマ政権の首席補佐官で脚光 下院議員のとき、ある政策に後ろ向きの同僚議員が議事堂のジムでシャワーを浴びているのを見つけると、いきなりカーテンを開け、「法 31代目の駐日米大使 ラーム・エマニュエルさん