「東証改革」魂を入れるには PBR1倍割れに改善要請 時論・創論・複眼 株式 編集委員 4月3日 東京証券取引所が2022年4月4日に実施したプライム、スタンダード、グロースへの市場再編から1年。約60年ぶりの大がかりな再編だったが、実態は「看板」を掛け替えただけ、との批判は多い。東証改革をちゃんと機能させるにはどうしたらいいか。機関投資家、上場企業、市場制度に詳しい専門家に聞いた。 ◇ ◇ ◇ 「TOPIX妄信」から脱せ 京大名誉教授・川北英隆氏 東京証券取引所の1年前の市場再編 「東証改革」魂を入れるには PBR1倍割れに改善要請
AT1債、「鬼っ子」正念場 見過ごしたリスクが現実に Market Beat クレディ・スイス救済 株式 編集委員 3月27日 銀行が発行する永久劣後債(AT1債)の価格が急落している。金融大手UBSの救済に伴い、クレディ・スイス・グループが発行した160億スイスフラン(約2.2兆円)のAT1債の価値をゼロにするとスイス監督当局が決定。市場が見過ごしていたリスクが突然現実になったからだ。カネ余り時代の「鬼っ子」といえるAT1債。市場存続の正念場を迎えている。 「G-SIBs(グローバルなシステム上重要な銀行)のAT1債は AT1債、「鬼っ子」正念場 見過ごしたリスクが現実に
かりそめの株リスクオン 金融不安の影響これから スクランブル シリコンバレー銀行破綻 株式 編集委員 3月22日 過去2週間吹き荒れた欧米金融不安の嵐は過ぎ去ったのか。22日の東京株式市場は全面高のリスクオンとなり、米シリコンバレーバンク(SVB)の取り付けに端を発する市場の混乱はひとまず後退した。だが油断は禁物だ。広がった金融不安は景気動向にも影響する。そのリスクを日本株は軽視しすぎていないか。 今、株式市場参加者の間で話題になっている1枚のチャートがある。米連邦準備理事会(FRB)のバランスシートの推移 かりそめの株リスクオン 金融不安の影響これから
日本株独歩高の真相 海外勢の関心、日銀から東証へ スクランブル Think! 株式 編集委員 3月8日 日本株が、意外な粘り腰を見せている。タカ派化する米連邦準備理事会(FRB)に世界の株式市場が神経をとがらせる中、8日の日本株は独歩高を演じた。足元の円安が追い風に働いているのは確かだが、今の相場の強さはそれだけでは説明がつかない。日本株投資家の関心が金利や為替などマクロ要因から、日本内部のミクロ要因にシフトした可能性がある。 7日の米ダウ工業株30種平均は574ドル安と急落した。パウエルFRB議 日本株独歩高の真相 海外勢の関心、日銀から東証へ
大日本印刷が「PBR1倍宣言」 始まったJTCの逆襲 経営の視点 Think! 株式 企業業績・財務 コラム 編集委員 2月26日 後々振り返ると、「JTC」が変わる一つのターニングポイントだったと投資家に記憶されるだろう。大日本印刷が9日公表した新しい経営目標のことだ。 「ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー」を略したJTCはネットでよく使われる言葉だ。日本の伝統的な大企業に共通する、内向きで硬直的な組織運営や企業文化を皮肉る時に使われることが多い。 もうすぐ創業150年を迎えるコングロマリット企業の大日印は、投資家 大日本印刷が「PBR1倍宣言」 始まったJTCの逆襲
ジャパンバリューの底力 「東証の一喝」で最高値迫る スクランブル 株式 編集委員 2月20日 日本株相場が全般に膠着を強める中、一人気を吐く銘柄群がある。PBR(株価純資産倍率)が低いバリュー(割安)株だ。MSCIのバリュー指数は最高値を指呼の間に捉え、国際比較でも日本のバリュー株は相対的に強い。投資家が半ば復活を諦めていた感もある「ジャパンバリュー」。その底力を引き出したのは、ほかでもない東京証券取引所である。 MSCIが算出しているバリュー株とグロース(成長)株の指数は、日本のスタイ ジャパンバリューの底力 「東証の一喝」で最高値迫る
日本株が米株高に付いていけない理由 伏兵は債券投資 スクランブル 株式 編集委員 2月8日 日本株が米国株の上昇に付いていけなくなっている。昨年10月以降、外国為替市場で進んだドル安・円高が日本株の上値を抑えてきたのは確か。だが、直近1カ月は円高が一服しているのに、日本株が米国株にキャッチアップする様子がない。なぜか。機関投資家の運用対象として復活した米国債が、日本株の「債券代替」の役割を脅かすようになっているのだ。 米国株が下げたらそれ以上に下げ、米国株が買われてもあまり買われない― 日本株が米株高に付いていけない理由 伏兵は債券投資
東証は憎まれ役になれるか 低PBR撲滅、問われる覚悟 株式 1月30日更新 「急に日本のコーポレートガバナンスが改善してきた」。独立系運用会社のトップは最近、顧客の海外投資家にこんな報告を送った。対話を持ちかけてもナシのつぶてだった企業から、最高財務責任者(CFO)が会いたいという依頼が相次いでいるのだ。 変化のトリガーを引いたのは東京証券取引所だ。昨年4月、プライム、スタンダード、グロースへ市場を再編。その後、有識者による「フォローアップ会議」で、市場再編の今後の進め 東証は憎まれ役になれるか 低PBR撲滅、問われる覚悟
看過できぬ永守氏の警鐘 日本株への影響これから スクランブル Think! 株式 編集委員 1月25日 「日本電産ショック」は起きなかった。決算発表の先陣を切った日本電産の前日の業績下方修正は相場全体に波及せず、25日の日経平均株価は約1カ月ぶりの高値をつけた。だが油断は禁物だ。「モーターは経済指標。我々が落ちたら他も落ちてくる」。同社の永守重信会長が鳴らす警鐘は、企業業績の下振れリスクを甘くみている市場に重くのしかかるだろう。 「事業環境の悪化について株式市場も一定程度は覚悟していたと考えられる 看過できぬ永守氏の警鐘 日本株への影響これから
「債券ルネサンス」が始まる インフレ鈍化でマネー回帰 Market Beat Think! 株式 海外 編集委員 1月23日 2023年のグローバル金融市場の先行きをめぐって、世界の投資家の中で2つのコンセンサスができつつある。1つ目は、世界景気はこれから後退局面に入る可能性があり、それに伴ってリスク資産の価格変動が高まるだろうということだ。2つ目は、そんなマーケットにもひとつだけ有望な投資先があることだ。22年には歴史的な暴落劇を演じた債券である。 年初に順調なスタートを切った米国株が先週半ばに突然変調した。米ダウ工 「債券ルネサンス」が始まる インフレ鈍化でマネー回帰