プーチン氏、ベラルーシ流で政権批判封じ込め 編集委員 ヨーロッパ Nikkei Views 2月5日 モスクワの裁判所は2日、拘束中の反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏が過去の事件で受けた執行猶予の判決を実刑に切り替えると決定した。同氏の釈放を求める抗議行動はロシア国内に広がっており、プーチン政権がデモ参加者らを大量に拘束する事態。旧ソ連の隣国ベラルーシさながらの強権的な手法といえる。 神経剤で襲撃されたとみられるナワリヌイ氏は今年1月中旬、療養先のドイツから帰国。直後に身柄を拘束された。 プーチン氏、ベラルーシ流で政権批判封じ込め
ベラルーシに無関心な世界 フョードル・ルキヤノフ氏 グローバルオピニオン 1月7日 旧ソ連のベラルーシで続く政治争乱は、2014年に隣国で起きたウクライナ危機とは大きな違いがある。最大の相違点はベラルーシの場合、外部からの積極的な介入がないことだ。 混乱は多分に国内的な性格を帯び、争乱の理由も明らかだ。ルカシェンコ大統領は約26年間も権力を保持し、なおも大統領の座に居座ろうとしている。政治体制は疲弊し、人々は変革を望んでいる。だが野党勢力は政権を倒すだけの十分な力を持っていない ベラルーシに無関心な世界 フョードル・ルキヤノフ氏
ロシア、中国の衛星国化も アレクサンドル・ガブエフ氏 グローバルオピニオン 12月10日 ロシアは2014年のクリミア半島の併合後、国際的な孤立の中で中国への傾斜を強めた。もっとも、両国が接近した要因は他にも幾つか挙げられる。 まず軍事的側面がある。中ロは隣国同士で、共に核保有国だ。領土紛争は解決済みだが、互いに軍事的な安全保障を築く必要性があるとみて、軍事協力を進めている。紛争が起き、対立すると極めて危険で、高いコストがかかるからだ。冷戦時代の深刻な中ソ対立の教訓があり、当時への逆 ロシア、中国の衛星国化も アレクサンドル・ガブエフ氏
厳しさ増す日本の周辺国外交 日本の論点2021 朝鮮半島 ヨーロッパ 編集委員 11月28日 新型コロナウイルスの感染拡大で2021年は非常に不透明感が強い。日本の経済・政治はどう変化するのか。世界情勢の行方は。日本経済新聞の編集委員、コメンテーターらの見通しを、このほど出版した『これからの日本の論点2021 日経大予測』(日本経済新聞出版)から紹介する。 世界2大強国の米国と中国が対決姿勢を強め、国際情勢は視界不良に陥っている。米中のはざまで外交をどうかじ取りしていくかはもちろん大事だが 厳しさ増す日本の周辺国外交 日本の論点2021
米ロの新START、プーチン氏の胸算用 延長時期探る コラム(国際) ヨーロッパ Nikkei Views 編集委員 11月21日 ロシアのプーチン政権が来年2月に期限を迎える新戦略兵器削減条約(新START)について、米国との延長協議に慎重姿勢を見せ始めた。大統領選で当選が確実になった民主党のバイデン前副大統領は、条約延長に前向きとされる。トランプ現政権に譲歩を重ねてまで交渉を急ぐ必然性が薄れてきたためだ。 11月中旬、モスクワで開いたラブロフ外相の内外メディア会見。「退陣間近のトランプ政権と新STARTの延長交渉を続ける 米ロの新START、プーチン氏の胸算用 延長時期探る
「新冷戦」と異なる米中対立 ドミトリー・トレーニン氏 グローバルオピニオン 10月22日 新型コロナウイルスの世界的な流行は、国際秩序や人々の生活様式に長らく大きな影響を与えていくだろう。だが、国際秩序の変化は以前から起きており、コロナ禍とは直接関連していない。 世界では西洋主導で進んできたグローバル化が別の性格を帯び、より複雑になってきた。権威主義国家のみならず、民主主義国家でも民族主義、ナショナリズムが台頭しつつあり、国内政治の優先課題が明らかに変わってきている。ひと言で言い表す 「新冷戦」と異なる米中対立 ドミトリー・トレーニン氏
プーチン政権、政敵「毒殺未遂」の代償も コラム(国際) ヨーロッパ Nikkei Views 編集委員 10月3日 ロシアの代表的な反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏の毒殺未遂疑惑が欧ロ関係を悪化させている。ドイツやフランスを中心に欧州側は本格捜査と真相究明を求めるが、プーチン大統領は耳を貸そうとしない。対立はエネルギーなどの経済協力にも負の影響を与えつつある。 「幸運な偶然の連続が私を救った」。ドイツでの1カ月間の入院で意識不明の状態から回復し、退院後も治療を続けるナワリヌイ氏は最近、SNS(交流サイ プーチン政権、政敵「毒殺未遂」の代償も
ベラルーシ騒乱、米ロがつばぜり合い コラム(国際) ヨーロッパ 北米 Nikkei Views 編集委員 9月5日 大統領選の不正疑惑で混乱が続く旧ソ連のベラルーシを巡り、ロシアと米国がつばぜり合いを演じている。相互不信を強める米ロはともに「内政干渉」をけん制。長期独裁体制を続けるルカシェンコ大統領の早晩の退陣も見据え、水面下で攻防を強めている。 「我々の立場は欧州や米国などよりも、はるかに控えめで中立的だ」。ロシアのプーチン大統領は8月末、国営テレビのインタビューでベラルーシの騒乱に初めて触れ、ルカシェンコ ベラルーシ騒乱、米ロがつばぜり合い
ベラルーシ大統領が6選 旧ソ連で広がる強権主義 ヨーロッパ Nikkei Views 編集委員 8月10日 旧ソ連で東欧のベラルーシで大統領選が9日実施され、現職のルカシェンコ大統領の6選が確定した。政権交代を求める声が出る中、対抗する有力候補者の出馬を認めず、抗議デモも治安機関の圧力などで押さえつけた。現職大統領が強権を用いて長期独裁体制を固める動きはベラルーシに限らず、旧ソ連の国々に広がっている。 「ほかの大統領を望むのなら、抗議集会ではなく投票所に行けばいい」。ルカシェンコ氏は投票日直前の年次教 ベラルーシ大統領が6選 旧ソ連で広がる強権主義
北方領土交渉、険しさ増す ロシア改憲で割譲禁止明記 Nikkei Views 編集委員 7月24日 北方領土問題を含めた日本とロシアの平和条約締結交渉が一段と険しさを増しそうだ。ロシアで領土割譲の禁止を規定した改正憲法が発効し、違反者に厳罰を科す関連法案まで採択される見通しとなったためだ。 ロシアでは1日、改憲案の是非を問う国民投票の投開票が実施され、約78%という圧倒的多数の賛成で承認された。翌2日、日本が主権を主張する北方四島の国後島ではさっそく、ロシアの住民が領土割譲の禁止条項の文言を刻 北方領土交渉、険しさ増す ロシア改憲で割譲禁止明記