ゼネコンに飛び火した品質不良ショック 異例の巨額損失 企業決算 北海道 住建・不動産 Nikkei Views 編集委員 5月10日 製造業を数年来、悩ませた品質不良問題の連鎖が建設業界に飛び火してきた。大成建設や三井住友建設といった有力ゼネコンが施工不良や工法をめぐるトラブルで損失を出し、信頼を失墜させている。建設業は慢性的な人材不足に加え、2024年春からの残業時間の上限規制適用が迫り、苦境は鮮明だ。資材・人件費の上昇も続き、工事現場への負荷が一段と増していることがトラブル続出の背景にある。 大成建設が施工途中のビルを解体 ゼネコンに飛び火した品質不良ショック 異例の巨額損失
都心オフィス市場、新築ラッシュの深刻度 響く需要減退 Nikkei Views 編集委員 4月1日 東京都心の賃貸オフィス市場では数年に1回の頻度で新築ビルの開業ラッシュが起きる。不動産デベロッパーやゼネコン、金融をはじめ関連業界ではこれを「X年問題」と呼び、マーケットに及ぼす影響が注視されてきた。目下直面するのは「2023年問題」。日本経済の長引く低迷に3年間の新型コロナウイルス禍、外資系企業のオフィス需要減退などマイナス要因が目白押しのうえ、さらに2年後にはほぼ同規模の「2025年問題」が 都心オフィス市場、新築ラッシュの深刻度 響く需要減退
昭和な鈍感企業が奪う活力、人材軽視は衰退への道 日経ヴェリタス 株式投資 編集委員 学ぶ 3月14日 バブル経済崩壊以降の日本経済の低迷期を「失われたX年」と表現し始めたのは1990年代半ば。嚆矢(こうし)は1995年12月14日付日経金融新聞の1面コラム「複眼独眼」だったと記憶する。記事の見出しは「『失われた10年』はご免」。住宅金融専門会社(住専)の破綻処理を巡る金融界のモラル喪失や優柔不断さを指摘しながら、勇気と責任のある行動が欠如したままでは「90年代の日本は『失われた10年』になりかね 昭和な鈍感企業が奪う活力、人材軽視は衰退への道
くり返す電力不祥事、除けぬ「地域独占体質」の病根 日経ヴェリタス 編集委員 1月29日 業界カルテルの摘発、競合事業者の顧客情報の不正閲覧――。大手電力会社のコンプライアンス(法令順守)感覚の欠如を象徴する出来事が相次いでいる。「地域独占」時代の旧弊を引きずる経営スタイルが一掃されず、所管の経済産業省も株主も業界体質が一向に改善されない現状を甘受してきたことが背景にある。昨年来続出した新電力会社の破綻や顧客情報の不正閲覧の発覚は福島原発事故後に政府が加速した自由化の欠陥をあぶり出し くり返す電力不祥事、除けぬ「地域独占体質」の病根
JRに迫る「脱・鉄道」 戦略見直し、23年に前倒しも Think! 関西 中部 九州・沖縄 サービス・食品 Nikkei Views 編集委員 1月6日 2023年、鉄道会社は経営戦略の大きな転換を迫られそうだ。業績回復は引き続き進むが、ポストコロナの事業環境はパンデミック(世界的大流行)以前とは異なる様相となる。注目されるのはJR旅客各社。上場4社(東日本、西日本、東海、九州)は「コロナ禍により10年後の姿が唐突に来た」(JR西の長谷川一明社長)ことで、大型プロジェクトをはじめパンデミック後の環境変化への対応力が問われる。また、経営難が続く北海 JRに迫る「脱・鉄道」 戦略見直し、23年に前倒しも
市場を歪めた電力カルテル 免れぬ説明責任 経営の視点 コラム 環境エネ・素材 法務・ガバナンス 編集委員 12月4日 「セブン3000店 関電に乗り換え」。こんな見出しの記事が日経に掲載されたのは2018年4月下旬。セブン―イレブン・ジャパンが3千店を超える中部地方や西日本のコンビニエンスストアの電力調達先を地元の電力大手から関西電力に切り替えるとの内容。その2年前の電力小売り完全自由化を象徴する動きだったが、今思えば、それから半年ほど後に大手電力はカルテルの話し合いを始めていたことになる。 公正取引委員会は企 市場を歪めた電力カルテル 免れぬ説明責任
永守氏・孫氏…カリスマ経営者が陥る後継スカウトのワナ 日経ヴェリタス 編集委員 10月5日更新 カリスマ経営者と仕事をするのは難しい。コンピューターグラフィックス(CG)アニメーション映画会社「ピクサー」の共同設立者、アルヴィ・レイ・スミスはかつて事業パートナーだったアップル創業者スティーブ・ジョブズ(2011年没)を「あいつはペテン師だ」とこき下ろす。資金難だったスタートアップ時代、大勢の面前で「この赤字野郎」などと罵倒され、会社を追われたことを忘れられないからだ。昨今の日本電産のトップ 永守氏・孫氏…カリスマ経営者が陥る後継スカウトのワナ
時代を映す本社ビル 脱炭素・SDGs・ITバブル… Nikkei Views 編集委員 8月25日 東京海上ホールディングス(HD)が8月1日、2028年度に完成予定の新・本店ビル(東京・丸の内)の基本設計(デザイン概要)を発表した。構造部材に国産木材をふんだんに使った「木の本店ビル」というコンセプトに注目が集まった。木材使用量が「世界最大規模」となり、脱炭素社会の実現やSDGs(持続可能な開発目標)への貢献を同社は主張する。 企業の本社ビル建築はその時代のムードを色濃く反映する。産業史をひも 時代を映す本社ビル 脱炭素・SDGs・ITバブル…
セイコー御曹司、「モンゴルで鉱物資源開発」の賭け 日経ヴェリタスセレクト 日経ヴェリタス コラム 編集委員 7月20日 セイコーホールディングス(HD)の創業一族で、昨年末にHSホールディングス(旧沢田ホールディングス)を事実上傘下に収めた服部純一氏が取材に応じた。2006年にセイコーインスツル会長を解任されてから16年。起業家となった御曹司の視線は今、モンゴルに向いている。 ■現地銀行の上場を容認 HSの前身は旧協立証券(東京・中央)。1999年にエイチ・アイ・エス(HIS)創業者の沢田秀雄氏が7割強の大株主と セイコー御曹司、「モンゴルで鉱物資源開発」の賭け
国産ヒノキの逆襲 木を山ごと全て使い切る需要開拓 人間発見 SDGs コラム 7月10日 頭打ちの国産材需要、戦後植樹の失敗、木材が世界的に不足する「ウッドショック」と円安による輸入材価格高騰――。八方塞がりの木材市場で常識や悪弊を打ち破り、SDGs(持続可能な開発目標)を追い風に新しいビジネスで日本の林業再生に挑む。 丸紅木材は母方の祖父が戦後創業した会社です。ちなみに、有名な大手総合商社の系列ではありません。 祖父は戦前、大阪の木材市場で権勢を誇った紅友商会の営業マンで極東シベリア 国産ヒノキの逆襲 木を山ごと全て使い切る需要開拓