見直されるガラス瓶 受け継がれる魅力と重み 2月26日 大瓶ビール(633㍉㍑)には中身と瓶の重さがほぼ同じものがある。ああ、ガラス瓶。重くて、しかも割れやすいとは、なんて不器用な容器だろう。でも、待てよ。それでも生き残っている君は一体……。 ふぞろいな抜け殻に味わい 浜辺の貝殻や空き瓶など、抜け殻的なものに引かれがちな自分を意識していた庄司太一さん(72)は留学先の米国の大学で、古いガラス瓶の収集家でもある先生に引き合わせる、といわれたとき、胸騒ぎ 見直されるガラス瓶 受け継がれる魅力と重み
子どもと大人をつなぐ絵本 おうち時間が増えて人気 2月19日 絵本が売れている。コロナ禍で増えたおうち時間に、親や祖父母らが子どもに読み聞かせているという。その普遍的テーマゆえ、あらためて大人がはまることも。スマホからちょっと離れて、世代の垣根を越えた世界を楽しんでみてはどうだろう。 共感は世代を超えて きいちご ぽちん ぽちん なってるか なってるよ――。「いつも必ずこのフレーズに反応して喜ぶのが不思議です」。東京都世田谷区で飲食店を営む内田龍、由佳さん 子どもと大人をつなぐ絵本 おうち時間が増えて人気
ジャガイモ精神で挑む 指揮者・佐渡裕さん 関西 2月19日 世界的指揮者の佐渡裕さんは、新型コロナウイルス禍でもオンラインを駆使した「サントリー1万人の第九」などの演奏会を次々と成功させ、人々の心を癒やし続けている。情熱の源にあるのが恩師バーンスタインから授かった「ジャガイモ精神」だ。 憧れの巨匠、レナード・バーンスタインとの出会いは衝撃だった。1987年夏、米マサチューセッツ州西部のタングルウッドで毎夏開かれる音楽祭に参加した。オーディションで指揮のレ ジャガイモ精神で挑む 指揮者・佐渡裕さん
朝市新景 伝統の中に革新芽吹く、世代を超え魅了 2月12日 生まれたばかりの光と、キリリと肌に触れる大気。行き交う人々のほほに好奇心があふれる。新鮮な品々からは土地の豊かさがあふれ、店に並べる人のまごころまで語り出すようだ。最近は出店者をインターネットで募集するなど、新たな若い顔ぶれも芽吹いている。多くの世代が訪れる観光資源として、少子高齢化など厳しい話題の多い地方での力強い息吹となりつつある。 岸壁に浮かぶバザール 朝5時。近くの測候所は気温マイナス5 朝市新景 伝統の中に革新芽吹く、世代を超え魅了
木の匂い残る机が身近に 若者とデジタルが変える林業 2月5日 林業に新芽が育ちつつある。林業といえば山中の危険な作業を思い浮かべるが、若い樵(きこり)たちがチェーンソーを片手に間伐に挑み、デジタル技術が木材利用の可能性を広げる。温暖化ガスを吸収する森が元気になれば、脱炭素化実現にも追い風になる。活気が出てきた日本の森をのぞいてみた。 デジタル技術で木に挑む 富山県の利賀(とが)村(南砺市)は今年、ひときわ深い雪に閉ざされた。かつて演劇による地域おこしで注目 木の匂い残る机が身近に 若者とデジタルが変える林業
冷静と情熱の二重らせん DeNA社長・守安功さん 2月5日 「数字に強い切れ者」。ディー・エヌ・エー(DeNA)の守安功社長の人物評は社内外で一致する。本人は「経営判断に無駄な感情は不要」ときっぱりと言い切る。理屈がちでドライに映るが、素顔は違う。熱い思いを胸に秘め、前に進む。 2016年、米グーグルの囲碁プログラム「アルファ碁」に衝撃を受けた。人類最高の頭脳を持つトップ棋士の敗北にではなく、人工知能(AI)の急速な成長に驚く棋士たちの姿に対してだ。「A 冷静と情熱の二重らせん DeNA社長・守安功さん
雑踏音がアートや商品に 日常の音の心地よさ広がる 1月29日 サクサクとものをかむ音や、しとしと降る雨の音、街の雑踏といった日常の音が「心地いい音」として愉(たの)しまれている。そこには日本人特有の脳の働きが関係するという科学的な研究もある。普段、意識することが少ない音にあらためて耳を澄ませば、自然や人間の営みがこめられていることに気付くだろう。 耳を澄ませば広がる景色 ざわざわとした雑踏の音に、工事や電車の音が入り交じる。広い室内に流れる都会の喧騒(け 雑踏音がアートや商品に 日常の音の心地よさ広がる
古書の街・神保町の深化 文化を発信、起業も呼び込む 1月22日 「古本屋が並ぶ町」として知られる東京の神保町かいわいが深化を始めている。ジャンルを超えて人を結びつけ、異なる文化を呼び込み、裏通りに残る古いビルが起業の舞台を用意する。表通りを歩くだけでは見えにくい神保町の一歩奥の動きを見てみよう。 本が人をつなげる 地下鉄神保町駅から近い古ビルの3階。エレベーターを降りると「ブックショップ無用之用」の店内だ。コーヒーや酒を飲めるカウンター。壁にはリンゴ箱を積み 古書の街・神保町の深化 文化を発信、起業も呼び込む
声を聞き、人事を尽くす JCHO理事長・尾身茂さん 新型コロナ 1月22日 政府の新型コロナウイルスの専門家会議トップとして対策を提言する地域医療機能推進機構(JCHO)の尾身茂理事長。昨年末の感染再拡大では社会経済活動との両立で難しい判断を迫られた。未知なる危機を乗り越えるため、周りに耳を傾け、人事を尽くす。 すべての事には季節があり、すべてのわざには時がある――。感染症対策を考えるとき、常に旧約聖書の伝道の書の一節が頭に浮かぶ。 感染症対策に決まった答えはない。感染 声を聞き、人事を尽くす JCHO理事長・尾身茂さん
ノンアルコールでつながる 新たに生まれるマリアージュ 1月15日 「ノンアルコールドリンク」というと、飲めない人が酒の代わりに飲むものという印象を持たれる方も多いかもしれない。でもここ数年、シェフらが丹精こめて作る上質なものが増えている。それらは料理と新たなマリアージュを生み出し、バーでは人々の輪をつなぐ。これまで当然視されがちだった酒との日常的な付き合い自体、実はそう歴史の古いものでもない。ノンアルコールの新たな味わいとともに、飲める人も飲めない人も楽しめる ノンアルコールでつながる 新たに生まれるマリアージュ