夜明け前の「パクスなき世界」、識者インタビューで探る 2月28日 古代ローマの人々は平和と秩序の女神を「Pax(パクス)」と呼びました。「パクス・アメリカーナ(米国による平和)」という米国の覇権が衰え、21世紀の世界は米中対立や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)など、これまでの価値観や秩序を揺さぶる激動が続いています。 コロナ禍で富の格差は一段と広がり、不満や恐怖が社会の分断は深まっています。それでも必ず日はまた昇ると信じ、夜明け前の暗闇のなかで私 夜明け前の「パクスなき世界」、識者インタビューで探る
いまは夜明け前 「パクスなき世界」を考える 新型コロナ 2月28日更新 古代ローマの人々は平和と秩序の女神を「Pax(パクス)」と呼びました。「パクス・アメリカーナ(米国による平和)」という米国の覇権が衰え、21世紀の世界は米中対立や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)など、これまでの価値観や秩序を揺さぶる激動が続いています。 コロナ禍で富の格差は一段と広がり、不満や恐怖が社会の分断を深め、民主主義を傷つけています。気候変動や政府債務の膨張といった課題も深 いまは夜明け前 「パクスなき世界」を考える
経済社会に「K字」の傷 止まらない格差拡大 新型コロナ 経済 2月25日 デジタル化やグローバル化という経済の構造変化が進む世界を新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が襲い、経済社会に刻まれた深い傷をどう癒やすかが各国共通の課題となっている。富める者がさらに富み、貧しい者がさらに困窮する。格差の拡大に歯止めがかからず、上向きと下向きに差が開く「Kの字」の傷だ。 たとえば景気が急に回復することを「V字」回復と呼んだり、回復が不十分なまま横ばいが続く事態を「L 経済社会に「K字」の傷 止まらない格差拡大
破綻よそに高額報酬 資本主義、危機が問う進化 新型コロナ 2月25日 企業の目的は利益だけなのでしょうか――。 「この計画は腹立たしい」。2020年9月、米レンタカー大手ハーツ・グローバル・ホールディングスの破産手続きを進める裁判で、裁判官の厳しい言葉が何度も発せられた。批判の矛先は経営陣にボーナスとして合計540万ドル(約5.7億円)を支払う計画。同社は一時解雇を含め1万6千人を削減した一方、破産申請の数日前にも役員に高額の特別手当を支給した。 米百貨店大手JC 破綻よそに高額報酬 資本主義、危機が問う進化
高学歴は賃金2倍に 格差埋める教育アップデート 新型コロナ Think! 2月24日 教育は万人に開かれていますか――。 「もうログインしたくない」。米西海岸シアトル市のアドリエン・マックイアンさんの娘、アリアさん(9)は2020年9月、学校のオンライン授業初日で打ちのめされた。生徒同士のあいさつもなく朝から画面を見続ける6時間は苦痛でしかなかった。マックイアンさんは私的な学習活動「ポッド」の利用を決めた。 信頼の置ける隣人や友達同士で教師を雇い、超少人数の授業を受ける。新型コロ 高学歴は賃金2倍に 格差埋める教育アップデート
中国買い、通貨覇権揺らす 膨張続く「戦時財政」 新型コロナ 2月23日 あふれるマネーで「安定」を買えますか――。 Tシャツにバンダナの青年がウォールストリートのプロに打ち勝った。キース・ギル氏。ファンドが空売りしていた株の買いをSNS(交流サイト)で呼びかけた。個人の参戦で株価は急騰し、ファンドは巨額の損失を被った。「歴史的な1日だ」。1月、ギル氏は動画配信で勝利を祝った。 同じ頃、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの価格が急騰した。テスラ最高経営責任者(CEO)の 中国買い、通貨覇権揺らす 膨張続く「戦時財政」
世界裂く「K字」の傷 民主主義・資本主義の修復挑む 米大統領選 新型コロナ バイデン政権 Think! 2月22日更新 世界は転機にある。20世紀の繁栄の礎となった民主主義と資本主義という価値の両輪は深く傷つき、古代ローマで「パクス」と呼ばれた平和と秩序の女神は消えた。新型コロナウイルスの危機は超大国・米国の衰えに拍車をかけ、世界の重心は力を増す中国に傾く。あなたは歴史の転換を傍観するだけですか――。 「『トランプ』はどこにでもいる」。トランプ前米大統領の支持者らによる米連邦議会議事堂の襲撃から一夜明けた1月7日 世界裂く「K字」の傷 民主主義・資本主義の修復挑む
反グローバリズムの限界 コロナが迫るEU協調 新型コロナ 政治 2月22日 反グローバリズムは私たちの生活を豊かにしますか――。 1月18日、ロンドンの国会議事堂近くの道路が大型の冷蔵トラックで埋まった。英国の欧州連合(EU)離脱で、EUで海産物を売れなくなったと訴えるスコットランドの漁師らのデモだった。 スコットランド自治政府は2014年に英国からの独立の是非を問う住民投票を実施した。否決されたが、早期に新たな投票をめざす。ブレグジットという保護主義がかえって自由貿易 反グローバリズムの限界 コロナが迫るEU協調
民主主義再生、法の支配を砦に フクヤマ氏 経済 政治 2月21日 世界の繁栄を築いてきた民主主義と資本主義が揺らいでいる。東西冷戦の終結など歴史の転換点を見通してきた米スタンフォード大のシニアフェロー、フランシス・フクヤマ氏に民主主義の将来などを聞いた。 ――トランプ前大統領の下で米国の民主主義のもろさが露呈しました。 「様々な要因が重なった。中間層の没落や格差拡大がトランプ氏を後押しした。共和党が『小さな政府』や自由市場というイデオロギーを捨てて、個人崇拝の 民主主義再生、法の支配を砦に フクヤマ氏
量子技術の研究・進歩、分断で鈍る懸念 佐々木雅英氏 12月28日 量子技術の開発競争が激しさを増している。量子コンピューターは材料開発などに革新をもたらす可能性を秘め、量子暗号を使えば不正なデータ解読を防げる。産業競争力や安全保障に影響を及ぼすとみて、米国と中国は技術面でも覇権を争う。研究の発展に及ぼす影響などについて、情報通信研究機構の佐々木雅英フェローに聞いた。 ――量子技術への関心が高まっています。 「量子技術が世の中を変えると言い続けて15年ほどたつが 量子技術の研究・進歩、分断で鈍る懸念 佐々木雅英氏