アパレルの未来 持続可能に AI ネット・IT 2月23日 アパレル世界大手、H&Mの財団が主催する持続可能なファッションのコンテストで2019年、日本人チームが入賞を果たした。リーダーの川崎和也(29)は慶応大学の大学院に籍を置きつつ、「スペキュラティブ・ファッションデザイナー」を名乗る。原点は学ランに刺しゅうを入れて自己主張していた高校時代にあった。 H&M財団にはこの年、世界182カ国から6640件もの応募があったという。一人ひとり アパレルの未来 持続可能に
町工場の技術に光 脱・下請けへ基盤づくり スタートアップ ネット・IT 自動車・機械 2月16日更新 日本の町工場にはまだまだ可能性がある――。そう信じる起業家が加藤勇志郎(29)だ。金属加工を手がける中小企業と、顧客企業の発注を仲介するキャディ(東京・台東)を率いる。製造現場にひたむきに向き合い、下請けが多い産業の構造を変えようとしている。 京都府城陽市に本社のある製缶加工業のMA。新型コロナウイルス禍で主力の搬送機向け部品の売り上げが75%落ち込んだ。それでも2020年の売上高は前年を上回っ 町工場の技術に光 脱・下請けへ基盤づくり
病気にさせない 「ストリート医療」人らしさ追求 2月9日 「医療は病気のためではない。人間のためにシフトしないといけない」。2020年12月、東京医科歯科大学教授の武部貴則(34)は横浜市で開いたオンライン発表会で受講者に熱く語りかけた。参加した約20人の若手医療者らは、武部に応えるように現代医療を変えるアイデアを発表した。 若い女性に婦人科の受診を促す生理用ナプキンには、体や性の知識がつく漫画を描いた。子供が闘病に前向きになれるよう治療内容をわかりや 病気にさせない 「ストリート医療」人らしさ追求
障がい×アート×ビジネス 「異彩」放つ可能性求め 2月2日 緻密に、時に奔放に、極彩色の模様がキャンバスいっぱいに躍る。知的障がいのある作家が生み出した色鮮やかで個性的なデザイン。それらの作品をネクタイやトートバッグなど高品質でファッション性の高い商品に落とし込み、ビジネスにつなげる取り組みを進めるのが29歳の双子の経営者、松田崇弥と文登だ。 2人が経営する会社は「ヘラルボニー」(盛岡市)。アートに特化した各地の福祉施設と契約し、知的障がいのある作家の作 障がい×アート×ビジネス 「異彩」放つ可能性求め
ミャンマーの学び、ARで彩り 国を巻き込み教育改革 東南アジア スタートアップ 1月26日 「高性能コンピューターがポケットに入るサイズになったのに、将来につながる教育に応用しないのはもったいない」。東南アジア最貧国のミャンマーでスマートフォン向け教育アプリを開発する360edの創業者で最高経営責任者(CEO)のラ・ラ・ウィン(39)はこう話す。政府官庁や民間企業を巻き込み、新たなビジネスモデルを作り上げつつある。 手帳ほどの大きさのカード型教材に描かれているのは、ミャンマーの教育カリ ミャンマーの学び、ARで彩り 国を巻き込み教育改革
教育格差、負の連鎖止める 「どんな子にも可能性」 1月19日 「めっちゃ金あるんやな」。2009年4月、東京大学に入学した李炯植(り・ひょんしぎ、30)はカルチャーショックに見舞われた。ある同級生の実家では暖炉とシャンデリアを目撃した。所得水準だけでなく、言葉遣い一つとっても、李が生まれ育った環境には欠けていたものばかり。豊かな「文化資本」の蓄積に圧倒されつつ、古びたアパートからパチンコに通う日々だった。 李はいま「子どもの貧困に、本質的解決を」と訴えるN 教育格差、負の連鎖止める 「どんな子にも可能性」
世界標準の自動運転OSへ 無償公開でGAFAに挑む 自動運転 1月12日 巨大な自動車産業を根本から変える技術として、国内外の企業がしのぎを削る自動運転。その弱肉強食の世界で、海外の有力企業と手を組み、名をとどろかせているのがスタートアップのティアフォー(名古屋市)だ。創業者で最高技術責任者(CTO)を務める加藤真平(38)は自動運転の基本ソフト(OS)を世界に先がけて公開し、新たなプラットフォーマーとして頭角を現しつつある。 「ぜひ参加してもらえないでしょうか」―― 世界標準の自動運転OSへ 無償公開でGAFAに挑む
「正しい情報」ネット利用者へ 検索の主導権取り戻す 村山 恵一 政治 本社コメンテーター 1月5日 米国のIT(情報技術)起業家、ハワード・ラーマン(40)は「インターネットは壊れている」と考える。不必要な広告が目につき、古く誤った情報があふれる。これでは役立つ情報が人々のもとに届きにくい。 最高経営責任者(CEO)をつとめる米イエクストは、企業から最新の情報を集めナレッジグラフと呼ぶデータベースを構築。175を超す検索や地図サイト、音声アシスタントなどに正しい情報を流す。顧客は世界で2300 「正しい情報」ネット利用者へ 検索の主導権取り戻す
韓国の家庭に「本物のおいしさ」届ける スタートアップ 12月22日 自分の人生をかけて取り組む課題は何か--。韓国で食料品の早朝宅配サービスを手掛けるカーリーの創業者、キム・スラ(37)は10代の頃から悩み続けてきた。米国に留学し米ゴールドマン・サックスに入社、その後も米マッキンゼー・アンド・カンパニーなど華々しい経歴を重ねながら解を探し求めた。たどり着いたのが、31歳で始めた「マーケットカーリー」だった。 マーケットカーリーは主にソウル首都圏で展開する食料品中 韓国の家庭に「本物のおいしさ」届ける
投資利益を社会変革の原資に カリスマが見つけた解 Think! 北海道 株式 12月15日 株式投資家の片山晃(38)といえば、独学の企業分析でダイヤモンドの原石のような有望銘柄を見つけ出し、150億円もの個人資産を築いたカリスマだ。ところが、成功者の胸中にも一抹のむなしさがよぎることがある。「自分は何かを生み出したわけではない。投資は単なる金稼ぎゲームではないか」。こう自問した片山はいま、利益を社会変革に還元する企業グループの青写真を描く。 北海道新冠町の競走馬牧場「ハクレイファーム 投資利益を社会変革の原資に カリスマが見つけた解