感染封じ 情報戦に見た希望 ビッグデータ・AIで挑む 科学&新技術 3月24日 人類はいつの時代も感染症の脅威にさらされてきた。患者の隔離や集会の自粛、学校の閉鎖。100年前も今と同じような光景が世界に広がっていた。1918年、スペイン風邪が大流行した。ウイルスの存在すらわからず、世界で4000万人ともいわれる死者を出した。治療薬やワクチンがない新型コロナウイルスも、闘うすべが限られるという点は当時と変わらない。だが、希望の光となるかもしれない変化が1つある。今はスマートフ 感染封じ 情報戦に見た希望 ビッグデータ・AIで挑む
動物・宇宙…第3の目で先読み 異常気象や災害予測 3月17日 岩手県大槌町付近では、夏が近づくとウミガメが定置網にかかる。暖かい海域から北上したウミガメの甲羅に小型の発信機を付け、再び海に送り出す。ウミガメが海原を泳ぎ回って装置に記録される情報は、はるか宇宙に浮かぶ人工衛星を通じてウミガメが海面に浮かぶたびに収集され、東京大学大気海洋研究所の佐藤克文教授の研究室に届く。これは地球温暖化の影響で激しさを増す、猛暑や暖冬といった異常気象を高い精度で先読みするこ 動物・宇宙…第3の目で先読み 異常気象や災害予測
DNA探偵 迷宮入り許さず 検査キットで犯人に迫る 3月10日 「あなたのルーツを特定しましょう」。そんな宣伝文句をうたうDNA検査キットが米国のスーパーやネット通販で人気を集めている。価格は1万円ほど。検査結果をデータベースに登録し、利用者の中から同じDNA情報を持つ人を探し出すこともできる。移民社会の米国では自分のルーツへの関心が高く、養子として育った人が実の親やきょうだいに会う目的で利用するケースも多い。 ■民間の検査キット、凶悪事件解決につながる DNA探偵 迷宮入り許さず 検査キットで犯人に迫る
がん防ぐ生活 ゲノムが示す 未来を変える医療へ 経済 科学&新技術 3月3日 あなたが10年以内にがんを発症する確率は80%です――。将来、医師からこんな具体的な宣告を受け、予防に励む日が来るかもしれない。医療現場に飛躍をもたらしそうなのがDNAに刻まれたゲノム(遺伝情報)の解析だ。2003年にヒトのゲノムが解読されて以来、ゲノムと病の発症の関わりを明らかにし、予防に生かすための研究が進んでいる。 「手のひらに載るほど小さいんです」。東京・築地にある国立がん研究センター研 がん防ぐ生活 ゲノムが示す 未来を変える医療へ
冬眠で夢見る 永遠の命 医療への応用探る 科学&新技術 2月25日 突然の病気や体の衰え、不慮の事故――。生きている限り、誰しも最期を迎える。もし寝て過ごすように命が刻む時間を自在に操れたら、死という永遠の終わりが遠のくのだろうか。現代の科学では「できるわけがない」と笑い飛ばす夢物語だったとしても、科学技術の進歩が人々の心の中に「もしかしたらできるかも」という思いを芽生えさせているのも事実だ。大切な人を突然失っても、よみがえるのを楽しみにする。急病でも救命のため 冬眠で夢見る 永遠の命 医療への応用探る
超音速の翼再び 開発ブーム、近づく移動革命の足音 自動車・機械 北米 科学&新技術 2月18日 英仏政府が共同開発した「コンコルド」の引退から15年あまり。音速を超す速さで飛ぶ旅客機の開発が再び熱を帯びてきた。日本航空が出資する米ブーム・テクノロジーはニューヨーク―ロンドン間を3時間15分で結ぶ新型ジェット機の試作機を2021年にも初飛行させる。米国では同様の計画を掲げるスタートアップが続々と立ち上がり、いまや各社が一番乗りを目指す「超音速大競争」の時代だ。歴史を遡れば、大型船や自動車など 超音速の翼再び 開発ブーム、近づく移動革命の足音
この価格、今あなただけに 1秒に数万通りの最適解 科学&新技術 2月11日 欲しいものを欲しい人に過不足なく届ける。多くの企業と消費者が市場でマッチングすることを前提にした資本主義は、この課題に向き合ってきた。経済学の教科書は、価格を軸に需給が円滑に調整する理想的な姿を描くが、そこに欠けている要素がある。時間だ。現実の世界では調整に時間がかかり、ミスマッチや無駄が生じる。ならば膨大な情報の調整役を人工知能(AI)に委ね、刻々と価格を変えられないか。「神の見えざる手」によ この価格、今あなただけに 1秒に数万通りの最適解
「超計算」答えは一瞬 量子コンピューターが変える世界 科学&新技術 2月4日 あなたが職場や家庭、日常生活や人生で「すんなりといかない」と感じたら、たいてい同じ問題が横たわっている。選択肢やその組み合わせがあまりに多く、どれを選べばいいのか答えが見つからない難題だ。科学技術が進歩した現代でも、どうやっても解けない問題が社会には数多く潜んでいる。そこに一筋の光が差し込んだ。人類がいまだ経験したことのない強大な計算能力をもつ「量子コンピューター」の誕生だ。最新の研究では、最先 「超計算」答えは一瞬 量子コンピューターが変える世界
畑は店内 レタスは捨てない フードロスに挑む新鋭 スタートアップ ネット・IT ヘルスケア サービス・食品 法務・ガバナンス 1月28日 私たちの健康な暮らしに欠かせない食事。2050年、世界の人口が98億人まで増えたとき、地球は必要な食料を供給できるのだろうか。世界で生産される年40億トンの食べ物のうち3分の1が食卓に届く前に失われている。作りすぎたり腐らせたりしているムダをなくし、いつか到来する「地球の限界」を超えていかなければならない。ディスラプション(創造的破壊)を起こして、課題を解決しようとするスタートアップなどが、新た 畑は店内 レタスは捨てない フードロスに挑む新鋭
タンパク質危機、ハエが世界を救う? 肉・魚に頼らない スタートアップ サービス・食品 1月21日 ハエや藻が世界の「タンパク質危機(プロテインクライシス)」を救うかもしれない――。人口増や新興国の経済発展に伴う肉食化で肉の需要増に飼料の生産増が追いつかず、タンパク質が不足するのではないか。そんな懸念が広がるなか、肉や魚に頼らずハエや藻などを使って「持続可能なタンパク源」の開発に取り組むスタートアップ企業が注目されている。 ■家畜のふんで育てた幼虫を飼料に 福岡市で2016年に創業したムスカ タンパク質危機、ハエが世界を救う? 肉・魚に頼らない