つながる・動く民意 強権中国 片手で揺さぶる 中国・台湾 10月12日 「ほかのデモ参加者の名前も顔も知らない。だけど今の香港はこうやって皆がつながっているんだ」 IT企業に勤める男性会社員のヤンさん(25)。全身黒ずくめの防護服に身を包む彼はこう言って香港の路地裏でこちらにスマートフォンを見せた。SNS(交流サイト)上では、だれがリーダーなのか分からない様々な抗議活動への参加が呼びかけられていた。「これが今の香港デモの形さ」。そう言ってヤンさんは去った。 中国本土 つながる・動く民意 強権中国 片手で揺さぶる
シンガポール、若手官僚が担う起業家のハブづくり 東南アジア 10月9日 10月4日の金曜日午後、多くのスタートアップ企業が拠点を構えるシンガポール中部のワンノース地区で「ディール・フライデーズ」と呼ばれる会合が開かれた。出席したのは国内外の教育関連のスタートアップ約20社で、ほぼ同数集まったベンチャーファンドの担当者に事業の有望性を熱心に訴えた。 起業家と資金の出し手を橋渡しするこの会合を企画・運営するのは、政府機関、シンガポール企業庁のスタートアップ担当チームだ。 シンガポール、若手官僚が担う起業家のハブづくり
SNSで磨く消費 アジアで通じぬ成功体験 東南アジア 10月9日 インドネシアで20万円を超える英ブロンプトン社の折り畳み式自転車が売れている。「なぜ、インドネシアで」。ウィル・バトラー・アダムズ最高経営責任者(CEO)は公式店がなく、広告も出していない国でのヒットに驚き、SNS(交流サイト)で人気に火がついたことを知った。 洗練された同社の自転車にまたがる姿を撮影して投稿することが流行。女性銀行員のリアナさん(31)もそれを見て「格好いい」と思い購入した。愛 SNSで磨く消費 アジアで通じぬ成功体験
スタートアップvs財閥 アジアの経済変革、若手が先陣 スタートアップ 東南アジア 10月8日 アジアでは20~30代が経済や社会を変革する先頭に立つ。世界の同年代の6割が集まり、インターネットが当たり前の環境に育ってデジタル技術への感度も高い。若いパワーは古いアジア像を塗り替え、先進国とは違った進化の姿も示す。 タイの首都バンコクで、東南アジアの配車アプリ2強、シンガポールのグラブとインドネシアのゴジェックがしのぎを削る。「最大8割引き」「新規無料、その他も半額」。外食の出前では大胆な値 スタートアップvs財閥 アジアの経済変革、若手が先陣
超大国支える移民 多彩で高度な力、米で証明 6月15日 アジアの人々が持つ多様な力を証明する国がアジアの外にある。世界から移民を集めて繁栄する米国だ。 2020年の大統領選に向けた集会が開かれた南部ヒューストン。民主党の女性候補、カマラ・ハリス氏(54)が「今こそすべての人々に平等を取り戻す時だ」と声を張り上げた。移民に厳しいトランプ大統領を批判する言葉にヒスパニック、アフリカ系、アジア系の市民が歓声を上げた。 インドからの移民の母に育てられた。イン 超大国支える移民 多彩で高度な力、米で証明
米国のアジア系移民急増 今世紀半ば、最大勢力も 6月15日 米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、アジア系米国人の数は2015年までの15年間に72%増え、約2040万人になった。 移民全体に占める比率は半世紀前の1965年には5%に過ぎなかったが、2015年に26%まで高まった。55年には36%に達し、ヒスパニック(34%)を抜いて最大になると予測されている。 現在は米国の総人口に占める比率が6%程度だが、それでもIT(情報技術)産業などで活躍 米国のアジア系移民急増 今世紀半ば、最大勢力も
宗教・民族に共生の配当 繁栄への渇望、対立溶かす 6月14日 フィリピンで半世紀続いた紛争が終結した。2月、ドゥテルテ大統領が「暴力も憎み合いも終わりだ」と呼び掛けた相手は、南部ミンダナオ島で抗戦してきた武装組織のムラド・エブラヒム議長(71)。反政府の闘士は笑顔で応じ、2人は固い握手を交わした。 フィリピン人の9割はキリスト教徒だが、同島はイスラム系の住民が多く、武装組織が独立を求めて国軍と戦った。その指導者のムラド氏を和平へと突き動かしたのは繁栄への渇 宗教・民族に共生の配当 繁栄への渇望、対立溶かす
最も宗教の多様性に富む 少数派への抑圧消えず 6月14日 アジアは最も宗教の多様性に富む地域といえる。米調査機関ピュー・リサーチ・センターのまとめでは、アジア太平洋地域の人口に占める信者の数はヒンズー教が25%、イスラム教が24%、仏教が12%、キリスト教が7%となっている。主要な宗教の信者が一定割合ずついる。 他の地域をみると欧州と北米、中南米はキリスト教徒がそれぞれ7~9割を占め、中東・北アフリカはイスラム教が93%に達する。多数派の宗教が明確だ。 最も宗教の多様性に富む 少数派への抑圧消えず
父権社会に変化 女性活躍、500兆円の潜在力 6月13日 日の出前の5時。インド人女性、ネーハ・チャウダリーさん(35)はデリー空港に出勤する。仕事は新興のビスタラ航空のパイロット。午前中に国内線に搭乗し、午後は家族と過ごす。「飛ぶのは楽しく収入も良い」と仕事に満足する。 カーストなどの慣習が色濃く残り、働く女性は2割と極めて低い水準のインドで女性パイロットが増えている。国内の航空旅客数は4年で倍増。深夜勤務には護衛付きで女性職員を送迎するなど航空各社 父権社会に変化 女性活躍、500兆円の潜在力
女性の労働参加率、日本上回る 大家族が育児支える 6月13日 アジア各国の女性の労働参加率(15歳以上人口のうち就労中の人と就労意欲のある人の割合)をみると、日本を上回る国が多い。国際通貨基金(IMF)が試算した2016年の数字では、日本が50%程度なのに対して、最も高いベトナムは70%を上回る。タイや中国、シンガポールもおよそ6割と日本を超える。 女性の労働参加率は近年、さらに高まる傾向にある。アジア全体では1990年から約6ポイント上昇しており、欧米の 女性の労働参加率、日本上回る 大家族が育児支える