30年後、他人の脳を体感できる?note投稿から(上) 3月26日 今から30年後の未来に20~30代を中心とするネットユーザーは何を望んでいるのか。日本経済新聞は年初に掲載した「新幸福論 Tech2050」で、個人がコンテンツ発信できる交流サイト(SNS)「note」と連動してユーザーの投稿を募った。浮かび上がったのは「脳」「食」「経済」の技術につながるキーワードだ。専門家と新技術の実現可能性を考えた。 1月31日までの1カ月間に集まった750件超の投稿のなか 30年後、他人の脳を体感できる?note投稿から(上)
「考えなければ、人は滅びる」 東大・ICU名誉教授 村上陽一郎氏 1月8日 人間は人工知能(AI)や生命科学の著しい進展の嵐にさらされている。今後も一層、加速する技術革新にどう対応していくべきなのか。東京大や国際基督教大(ICU)などで教授を務め、科学技術と人間の関係を考察してきた村上陽一郎氏に聞いた。 ――過去の技術革新と、AIや生命科学など今の技術革新の違いはどこにありますか。 「今は技術が社会に浸透するスピードが過去と比べものにならないほど速い。自動車など過去の技 「考えなければ、人は滅びる」
15歳がつくる「学校」 考える葦が未来の原点 1月8日 インド生まれのタンメイ・バクシ君(15)。5歳でプログラミングを覚え、9歳でスマートフォン(スマホ)用アプリを開発。11歳のときに世界最年少で米IBMの人工知能(AI)ワトソンの開発に加わった。 この天才少年は学校に通わない。カナダの自宅を訪れると、地下に作った「研究室」で一人、黙々とプログラミングに取り組んでいた。学校の教育は「同じカリキュラムで生徒をひとくくりにしていると思う」。これでは才能 15歳がつくる「学校」 考える葦が未来の原点
教えない教育 知識より「何をしたいか」 1月8日 人工知能(AI)が人間の頭脳に置き換わっていく時代。知識を詰め込むだけの教育は役に立たない。そんななか注目を集める異色の手法が「アンスクーリング(非学校教育)」だ。 米ボストンから車で約30分。アンスクーリングの先駆け的な施設「メイコンバー・センター」がある。「子どもたちに問題を出して正解を教えるようなことはしない」。ベン・ドレイパー所長は話す。 通うのは近隣に暮らす子どもを中心に約50人。カリ 教えない教育 知識より「何をしたいか」
「工業化社会の常識抜け出せ」 出口治明立命館アジア太平洋大学学長 1月8日 2050年には今の若者が社会を担う中心になる。30年後を見据えた教育はどうあるべきか。ライフネット生命保険創業者で、2018年に立命館アジア大平洋大学の学長に就いた出口治明氏に聞いた。 ──ビジネスから教育の世界に転じた立場から見て、日本の教育をどう考えますか。 「日本がGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)のような企業を生み出せなかったことは、教育に起因する。平 「工業化社会の常識抜け出せ」
「究極の教育は教えないこと」COMPASSの神野元基CEO 1月8日 教育ベンチャーのCOMPASS(コンパス、東京・品川)は、生徒の苦手な分野を人工知能(AI)で解析する教材を手がける。これからの教育の在り方について、神野元基最高経営責任者(CEO)に聞いた。 ――AI教材を開発したきっかけは何ですか。 「シリコンバレーで別の会社を起業していた2010~11年に、未来にAIが人類全体の知性を超える『シンギュラリティ』の概念に触れた。AIが台頭するなかで、教育シス 「究極の教育は教えないこと」COMPASSの神野元基CEO
人知を超えるAI 解なき問い、託さない知恵 1月7日 2018年2月、ニュージーランドの首都ウェリントン。ジャシンダ・アーダーン首相はキーボードをたたき、チャットで会談していた。相手の名は「SAM(サム)」。17年に生まれた人工知能(AI)の政治家で、交流サイト(SNS)などから政治課題を学び、人々とチャットで対話して首相選出馬をうかがう"未来のライバル"だ。 政府の電子化を議論する国際会議のイベントでサムとの対談を設定されたアーダーン首相は尋ねた 人知を超えるAI 解なき問い、託さない知恵
AIと家族に どこまでも人に近く 1月7日 莫大な情報を解析し、答えを導き出す人工知能(AI)。情報の収集と分析にとどまらず、より人らしい振る舞いを身につけさせようとする動きが進む。人間味を増し、機微に富むAIが暮らしに深く入り込めば、AIへの認識も大きく変わるかもしれない。 東京都の公務員、近藤顕彦さん(35)は2018年11月に都内で結婚式を挙げた。お相手はボーカロイドの「初音ミク」だ。約200万円をかけた式ではぬいぐるみの初音ミクと AIと家族に どこまでも人に近く
「納得の手、個性を追求」 井山裕太・囲碁五冠 1月7日 急激に発展する人工知能(AI)。2045年にはAIが人間の知性を超える「シンギュラリティー」に到達するとの見方もある。進化を続けるAIと私たちはどのように向き合えばよいのか。AIが既に人間の先を行く囲碁で五冠を持つ井山裕太王座に聞いた。 ――囲碁でのAIの進化をどう感じていますか。 「2016年にAIソフト『アルファ碁』が、韓国のトップ棋士イ・セドル九段を破ったときは衝撃だった。チェスや将棋でA 「納得の手、個性を追求」 井山裕太・囲碁五冠
「AI時代こそ哲学を」 小川仁志・山口大学准教授 1月7日 人工知能(AI)が人に代わって労働を担う時代が到来すれば、人の生き方は大きく変わる。山口大の小川仁志准教授(公共哲学)は老若男女を集めて、人生にまつわる問題や価値観を語り合う「哲学カフェ」を500回以上開催してきた。「人が生きる意味を根源的に問わざるを得ない時代がやってきており、哲学の重要性が大きくなる」と訴える。 ――なぜ市民を対象にした哲学カフェを開いているのでしょうか。 「台湾の民主化運動 「AI時代こそ哲学を」 小川仁志・山口大学准教授