冒険こそ商いの源 企業に度量はあるか 1月4日 明治の「殖産興業」で急速な近代化を実現した日本。忠誠心を持って会社に尽くせば産業も日本も成長するという幸せな時代は通り過ぎた。社外に目を向け新たな可能性を探る自由な個人と、それを活用できる企業が日本を強くする。 ▼維新キーワード 殖産興業 殖産興業政策の象徴の一つ「富岡製糸場」(群馬県)。フランス人技師のポール・ブリュナは機械による大量生産だけでなく「日曜定休」「1日8時間程度の労働」といった労 冒険こそ商いの源 企業に度量はあるか
脱亜入欧からチーム・アジアへ 1月4日 明治の日本を支えた「脱亜入欧」を見直す時期が来ている。世界経済のけん引役は西洋からアジアに移った。日本が活力を取り戻すには、45億の巨大な人口と手を携える以外の道はない。新たな指針は「チーム・アジア」だ。 ▼維新キーワード 和魂洋才 ちょんまげ姿の武士が英国人に斬りかかった生麦事件の発生は1862年。明治維新はそのわずか6年後だ。狭い日本に閉じこもって「攘夷」を唱えた侍たちは、世界の覇権を握る英 脱亜入欧からチーム・アジアへ
改革は県境を越えて 隣人と心1つに 1月3日 藩を捨て日本人になろう――。維新は我々に意識改革を求めた。列強に対峙するため一枚岩の中央集権を必要としたからだ。リードしたのは自ら藩政を改革し海外に目を向けた薩長。今また人口減少が各地に生き残るための改革を求める。ふるさとを開放し外からの稼ぎで暮らしを守りたい。県境にとらわれない挑戦が再び西日本から芽吹く。 ▼維新キーワード 廃藩置県 中央集権をめざす明治政府は版籍奉還で土地と人を天皇の下に返させ 改革は県境を越えて 隣人と心1つに
作ろう異才の発射台 若者の夢育む 1月3日 国づくりは人づくり。明治ニッポンはそう考え、優秀な若者を欧米で学ばせる一方で津々浦々に小学校を整備し、国民皆教育の基礎を築いた。今の世も教育への関心は高く、入試や時間割の改革が次々に打ち出される。だが、まだ足りないものがある。変革を先導する異才や海外に飛び出す意欲を持った若者たちの発射台だ。 ▼維新キーワード 学制 「邑(むら)に不学の戸なく家に不学の人なからしめん」。1872年(明治5年)に公布 作ろう異才の発射台 若者の夢育む
e通貨、現金超える 岐路に立つ貨幣 1月2日 時代が明治に移るとともに生まれた通貨・円が転換点に差しかかっている。世界で金融のデジタル革命が加速し、中央銀行を必要としない仮想通貨が台頭する。通貨・金融の常識が揺らぐ時代。新しいテクノロジーを貪欲に吸収していく時だ。 ▼維新キーワード 新貨条例 通貨のしがらみを一刀両断した。4朱が1分、4分が1両と4進法を採用し、各藩が発行した藩札が入り乱れる――。こんな江戸時代までの通貨の姿。外国人には分かり e通貨、現金超える 岐路に立つ貨幣
ポスト平成 官民寄れば文殊の知恵 1月2日 明治維新後、国づくりの主役は官僚だった。だが形式主義や前例踏襲の慣習が民の活力をそぎ、今では表舞台での存在感が薄くなっている。人口減など社会の急変に直面する「ポスト平成」時代に求められるのは硬直的な官僚像からの脱皮だ。若手官僚の政策提言など変化の兆しは出てきた。民の改革者との協働こそ未来を切り開く。 ▼維新キーワード 文官任用令 律令制を採用した大化の改新の時代から官僚はいた。だが貴族や武士など ポスト平成 官民寄れば文殊の知恵
働きアリより賢いキリギリスに 1月1日 2018年の幕開けとともに私たちは歴史の節目を迎えた。明治元年から150年。世界への扉が大きく開かれ、常識が根底から覆った当時の日本は国も国民も新しい時代へとひた走った。その後、幾多の苦難も経験し、今の私たちはまた自信を失いかけている。次の150年は今年から始まる。維新再び――。新しい日本の道しるべを考えてみた。 ▼維新キーワード 文明開化 あっけらかんとまねてみる。150年前の文明開化は当時の 働きアリより賢いキリギリスに
「柔家族」のススメ 家事外注が生む絆 1月1日 明治政府が掲げた「家父長制」。女性に家庭を守らせ男性の労働力を投入し、経済を陰から支えてきた。人口減少に転じ、女性の力が欠かせない今なお、性別役割分担の意識が残る。家族の構造改革は待ったなし。目指すのは、他者とつながり男性と女性の役割を固定しない「柔家族」だ。 ▼維新キーワード 家父長制 鯉(こい)のぼりは、父(黒)、母(赤)、子(青)が基本形だが、明治時代は父と子の2匹だけだった。童謡に「大き 「柔家族」のススメ 家事外注が生む絆