円安・資源高でも緩和継続 日銀ウオッチまとめ読み 為替・金利 金融政策 4月30日 資源高や円安が勢いづくなか、金融政策の先行きに注目が集まっている。日銀は4月28日に開いた金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の維持を決めた。指定した利回りで国債を無制限に買い入れる指し値オペを毎日実施することも決めた。 日銀が金利を低く抑え込む姿勢を明確にしたことで、外国為替市場では円安が急速に進んでいる。4月28日には円相場が20年ぶりに1ドル=131円台をつけた。円安が家計や多くの企業の 円安・資源高でも緩和継続 日銀ウオッチまとめ読み
黒田緩和の「黒子」 日銀、理事再任の深謀 為替・金利 金融機関 金融政策 4月2日 日銀で金融政策の立案を担う企画ラインの事務方トップ、内田真一理事の再任が決まった。黒田東彦総裁が2013年に異次元緩和を導入した際、制度設計の実務を担ったキーマンの一人だ。資源高や円安、金利上昇圧力のなか黒田緩和の最終年は枠組みのあり方が問われる。黒田緩和の黒子はポスト黒田の金融政策の設計でもキーマンになる。 かつてならプリンスと呼ばれていたかもしれない。プロパーの総裁候補に擬せられるようなキャ 黒田緩和の「黒子」 日銀、理事再任の深謀
ほぼ2%の世界襲うウクライナ侵攻、日銀緩和に懐疑論 Think! 為替・金利 金融政策 2月25日更新 金融政策の先行きをめぐり、日銀と市場の温度差が鮮明になっている。粘り強く金融緩和を続けると繰り返す黒田東彦総裁に対し、市場はマイナス金利政策の解除を織り込み始めた。ロシアがウクライナに侵攻した24日、原油価格は約7年半ぶりに1バレル100ドル台に上昇した。意図せざる2%達成が視野に入ってもなお、緩和縮小の議論を封印する日銀の姿勢に市場は懐疑的な目を向けている。 「原油が120ドル台まで上がれば物 ほぼ2%の世界襲うウクライナ侵攻、日銀緩和に懐疑論
ポスト黒田、金融政策の「参謀」人事で浮かぶ青写真 為替・金利 金融政策 2月4日 日銀内で静かに熱を帯びている話題がある。3月末に任期満了となる内田真一理事の後任人事だ。内田氏は金融政策の立案経験が長く、黒田東彦総裁のもと異次元の緩和政策の制度設計を支えてきた参謀だ。黒田総裁の任期もあと1年あまり。内田氏再任の可能性も取り沙汰されるなか、ポスト黒田を見据えた日銀の政策構想を映す人事となりそうだ。 理事は企業でいう執行役員にあたり、政策立案や実務運営など事務方の責任者だ。任期は ポスト黒田、金融政策の「参謀」人事で浮かぶ青写真
物価上昇「一時的」願う日銀、不都合な2%目標への接近 Think! 為替・金利 金融政策 1月14日 「来年はポストコロナに向けて本格的に歩み出すチャンスだ」。年の瀬が迫る2021年12月下旬、日銀の黒田東彦総裁は経団連の会合で寅(とら)年の日本経済に期待を寄せた。脱炭素社会への移行にデジタル化の促進、そして新型コロナウイルス禍からの脱却。成長に向けた課題は山積みだが、黒田日銀が最も期待を寄せるのは岸田文雄政権も旗を振る賃上げだ。 日銀内で賃上げ待望論が一段と強まっている。「持続的な物価上昇を実 物価上昇「一時的」願う日銀、不都合な2%目標への接近
セオリーなき景気 日銀、判断補う市販データ群 Think! 為替・金利 金融政策 12月24日 「肝心の経済統計が出そろっていないので景気情勢の見極めが難しい」。12月上旬、新型コロナウイルス対応の資金繰り支援策をめぐり、日銀は難しい判断を迫られていた。16~17日の金融政策決定会合では支援策の縮小を決めたが、一時は終了案も浮上していた。新たな変異型「オミクロン型」の出現が想定外となり、最終的に支援策の拙速な手じまいは見送った。 めまぐるしく状況が変わるコロナ禍は景気のセオリーも狂わす。自 セオリーなき景気 日銀、判断補う市販データ群
みずほ問題、日銀人事にも余波 3メガ輪番に狂いも Think! 為替・金利 金融機関 金融政策 12月10日 日銀の審議委員人事をめぐる調整が本格化してきた。2022年7月に退任する鈴木人司氏と片岡剛士氏の後任人事だ。政府が人事案を提示し、国会承認を経て決まる。岸田文雄政権になって初の人事で、金融政策への姿勢を映す鏡になる。23年4月に任期満了を迎える黒田東彦総裁の後任人事の試金石にもなるが、ここにもみずほ問題の余波が及んでいる。 これまでの例では政府は人事案を着任予定日の3カ月ほど前に国会に提示してき みずほ問題、日銀人事にも余波 3メガ輪番に狂いも
日銀、地銀支援と「過払い」のジレンマ 地域金融 為替・金利 金融機関 金融政策 11月19日 「一騒動どころではない『ドラマ』があった」。猛暑から紅葉の秋へ移り始めるころ、金融機関の経営を監視する日銀の金融機構局は悩みを深めていた。経費削減などに取り組む地域金融機関への支援策をめぐり、日銀が支払う「補助金」が増えすぎる懸念が浮上したためだ。戸惑いの声は日銀内外で強まっていった。 16日、日銀は苦渋の決断に動いた。支援策は、地方銀行や信用金庫が経費削減など一定の条件を満たせば、日銀に預ける 日銀、地銀支援と「過払い」のジレンマ
日銀、「正常化」へ小さな一歩 対面の懇談再開へ Think! 為替・金利 金融政策 11月12日 国内での新型コロナウイルスの感染者減少に伴い、日銀も「正常化」へ一歩、踏み出す。黒田東彦総裁は15日に名古屋での経済界との懇談会に出席する。対面での出席は2020年の新型コロナウイルス流行後、初めてだ。国際会議への出張も事務方を含めて再開している。コロナ対応の資金繰り支援策を期限の22年3月で終えるかどうかが次の焦点になる。 日銀は15日、名古屋市内のホテルで金融経済懇談会を開き、黒田総裁は地元 日銀、「正常化」へ小さな一歩 対面の懇談再開へ
日銀、ベア8年ぶり見送り 「上がらぬ賃金」を体現 Think! 為替・金利 金融機関 10月29日 日銀は2021年度のベースアップ(ベア)を8年ぶりに見送る。賞与を含む年収ベースでも20年度に比べ0.6%下がる。日銀が掲げる2%の物価目標の達成は、それを許容できる賃金の上昇を伴って初めて意味をもつ。日銀自身が上がらぬ賃金を体現する現状は、前向きな循環メカニズムがまわっていないことを物語る。 「新型コロナウイルス禍でやむを得ないとはいえ、ただでさえ低い賃金が下がるのは気がめいる」。ベア見送りに 日銀、ベア8年ぶり見送り 「上がらぬ賃金」を体現