元球児の学者、体罰連鎖絶つ 選手尊重の指導法を追求 Think! 5月29日更新 エースで4番。1989年の甲子園のマウンドに立った高校時代は、指導者の威圧的な言動に選手が耐えることが当たり前だった。それが今では、選手を尊重した指導方法をスポーツ指導の現場に伝える橋渡し役を担う。 教壇に立つ桐蔭横浜大学の教授、渋倉崇行さん(51)の専門はスポーツ心理学。大学の活動の傍ら、学校の部活動や地域のスポーツ少年団などのコーチを対象にしたセミナーを開く。 指導者のエゴに陥らない「選手主 元球児の学者、体罰連鎖絶つ 選手尊重の指導法を追求
勝ち負け貫く「ウイスキー伝道師」 好奇心に導かれ 5月7日 「スコッチは48度もあるので、加水した方が味わい深い。大地の香りがありますね」 4月下旬、東京都内で開かれたウイスキーのプロ向けセミナー。サントリーのウイスキー事業部、佐々木太一さん(51)はホテルやバーの関係者約200人を前に、ウイスキーの歴史や特徴をテイスティングしながら約1時間語った。 全国で13人しか取得していない国内最難関の民間資格「マスター・オブ・ウイスキー」の初代合格者。セミナー終 勝ち負け貫く「ウイスキー伝道師」 好奇心に導かれ
働く意義を見失わせない 若き日の苦悩、Z世代導く 4月30日 1月、東京・新木場にあるカフェで新入社員5人が店長らと向き合った。打ち合わせのテーマはIT(情報技術)システムの導入。「客に生産者のこだわりを伝えたい」。店長が出した要望に、新人チームはスマートフォンを専用タグにかざすだけで動画を流せるサービスを提案した。 「任せておいて大丈夫だ」。見守ったNTTデータ企画部の人事育成担当部長、矢野忠則さん(54)は、意欲的にアイデア出しを重ねる姿に頼もしさを感 働く意義を見失わせない 若き日の苦悩、Z世代導く
後輩の輝く舞台は私がつくる 女子アナの仕事、継続支え 4月2日 「こだわり続けたテレビの世界も、今なら未練がないと素直に言える」 フリーアナウンサーの樋田かおりさん(37)は、女性アナウンサーのセカンドキャリアを支える「トークナビ」(東京)の社長として会社経営に打ち込む毎日を送る。 青森の民放放送局のアナウンサーを出発点に、20代の大半はテレビの仕事に従事した。業界では制作側のイメージに沿って、より若い人材が起用されていく。30代以降も活躍を続ける先輩はわず 後輩の輝く舞台は私がつくる 女子アナの仕事、継続支え
共感の輪が支える無料塾 「役立ちたい」退職し専念 Think! 3月26日 「最近どう?」「証明問題、難しいよね」。1月、東京都八王子市の生涯学習センターに、中学生らを見守る小宮位之(たかゆき)さん(45)の姿があった。NPO法人「八王子つばめ塾」を運営する。経済的な事情で一般の塾に通えない子どものための「無料塾」だ。 小宮さんが地元八王子で開塾したのは約10年前。現在は20人弱の中学生が週2日ほど英語や数学を学ぶ。家計が苦しいが「我が子を希望の高校に」と願う保護者が絶 共感の輪が支える無料塾 「役立ちたい」退職し専念
宝塚で「おじさん役」が開いた道 輝ける場、探し続けて 関西 3月19日 「元タカラジェンヌ」という肩書であっても、活動は俳優業にとどまらない。 ドラマやアニメの脚本づくり、エッセーの執筆、劇団の主宰、タンバリンを使った余興芸。天真みちるさん(35)の表現活動は多岐にわたる。 仕事の依頼は断らないのが信条。「幅広い意味のエンターテイナーでありたい。ポケットモンスターのキャラクター『メタモン』のような変幻自在の存在になれたらいい」と話す。 貪欲に居場所を探すようになった 宝塚で「おじさん役」が開いた道 輝ける場、探し続けて
ダンサーのち菜園料理家 成長の道「一直線でなくても」 3月5日 「冬の畑は寂しいですが、若い芽がありますね」。1月中旬、藤田承紀さん(40)は仙台市内の自前の畑で昼食用にハーブを摘んでいた。 肩書は「菜園料理家」。だが、その活動ぶりは多彩だ。野菜の栽培や飲食店のメニュー開発、オンライン料理教室、ケータリングなどを手がけ、その傍らダンス講師としての顔も持つ。 料理と関わるようになったのは20代も半ばに差し掛かってから。それまではダンス一色だった。 19歳の時、 ダンサーのち菜園料理家 成長の道「一直線でなくても」
追いかけた14年越しの夢 3児出産、37歳の新人助産師 コラム 2月26日 1月中旬、愛和病院(埼玉県川越市)の分娩室で助産師の高橋春菜さん(37)はベッドで横になる妊婦に寄り添っていた。「足のしびれはどうですか。これで楽になりますよ」。声をかけ、足をマッサージする。 実は昨年4月に助産師になったばかり。「毎日の仕事についていくのがやっと」と苦笑いする。3児を育てながら、国家試験を経て助産師と看護師の免許を取得した。 命に関わる現場では先輩から厳しい指導の言葉が飛ぶこと 追いかけた14年越しの夢 3児出産、37歳の新人助産師
スポーツ観戦「ハレの場」に 日常のつらさ、知ればこそ コラム 1月29日更新 バスケットボール男子Bリーグ1部のシーホース三河(愛知県刈谷市)のシニアコーディネーター、堀江隆治さん(54)は試合後、見送りのためにスタジアムのロビーに立つ。「また来ようね」。観客の言葉があすへの励みとなる。 運営全般の担当者として試合会場で目を配る。こだわるのは雰囲気づくりだ。 ホームスタジアムは「ウィングアリーナ刈谷」など地元自治体の体育館。そこを非日常感あふれる舞台に変える。無機質な柱を スポーツ観戦「ハレの場」に 日常のつらさ、知ればこそ
腎臓移植、夫婦ゆえに悩み深く ドナーの日常発信 コラム 1月22日 「私の場合は運転できるまで2週間ぐらいかかったかな」。千葉県八千代市に住む駿河かおりさん(50)はドナーとして腎臓を夫へ提供した後の生活をユーチューブで毎週配信する。 夫から腎臓の提供を受けたレシピエントの女性とともに2年ほど前から配信を始めた。 今の生活ぶりを視聴者に向けて明るくしゃべるが、移植を決める直前まで「夫婦仲は最悪。夫への腎臓提供なんてとんでもないと思っていた」。 25歳の時に結婚し 腎臓移植、夫婦ゆえに悩み深く ドナーの日常発信