サンマなぜいない? 温暖な海、いやがる 志田 富雄 経済 コラム(ビジネス) 8月31日 8月に解禁された日本近海でのサンマ漁が不振だ。北海道や東北の主要漁港に初水揚げはあったものの、量は昨年を下回り、小ぶりなものが多いという。2017年に半世紀ぶりの不漁を強いられたサンマ漁は今年も苦戦が予想される。夏のウナギに続く、秋の味覚のピンチ。なぜ、サンマはこんなにもとれなくなったのか。 実は、今年のサンマ漁が厳しい状況になることはある程度予想されていた。水産庁の委託を受けた水産研究・教育機 サンマなぜいない? 温暖な海、いやがる
埼玉知事選は野党の勝利か 編集委員 大石格 大石 格 東京 8月29日 25日の埼玉県知事選で自民、公明両党が支持した候補が下馬評に反して競り負けた。立憲民主党と国民民主党が国会で統一会派を組むことで合意したのと同時期だったこともあり、野党共闘の勝利との解説をよく目にするが、本当にそうなのだろうか。 過去4回の知事選に勝った上田清司氏は1990年代に最大野党だった新進党出身だ。2期目と3期目は白旗状態だった自民党の応援も得たが、野党系知事の代表格だった。 自民党はそ 埼玉知事選は野党の勝利か
「プーチン院政」を占うロシア統一地方選 編集委員 池田元博 池田 元博 池田 元博 ヨーロッパ 8月26日 香港に比べ、圧倒的に規模は小さいが、ロシアの首都モスクワで7月中旬からプーチン大統領の政権に対する抗議集会やデモが繰り返され、治安・警察当局が野党指導者やデモ参加者を一斉に拘束して威圧している。9月の市議会選挙で独立・野党系の活動家が軒並み、提出書類の不備などで候補者登録を認められなかったのがきっかけだが、「自由で公正な選挙」を求める抗議活動に対してプーチン政権はなぜ、そこまでして封じ込めようと 「プーチン院政」を占うロシア統一地方選
実は利点も 日韓軍事情報協定破棄の真実 日韓対立 高坂 哲郎 朝鮮半島 8月23日 韓国が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を延長しないと決めたことに日本や米国で困惑や失望が広がっている。ただ、日本の安全保障関係者の間では事態を静観する向きが多い。日本が提供した機密情報が韓国経由で中国などに漏れるリスクが減ることなど「今回の失効決定には利点もある」(日本の安保情報関係者)との指摘さえ聞かれる。 【関連記事】「韓国、政治的に引けず」 軍事協定破棄、専門家の見方 ■韓国経由の機密 実は利点も 日韓軍事情報協定破棄の真実
商品価格に下げ圧力、景況感の好転見えず 編集委員 志田富雄 志田 富雄 コラム(ビジネス) 8月23日 鋼材などの素材を含めた商品価格は景気の先行指標とされる。消費の動きに手応えを感じれば企業は原料の調達を増やし、悪化の雰囲気が出ると買いを手控えるようになるからだ。2017年秋にピークアウトした商品市場の景況感は、そろそろ底入れしてもいいころ。しかし、足元では米中摩擦の激化で非鉄金属などの価格が下がり、日経商品指数17種は16日にほぼ2年ぶりの安値に下げた。建設などの内需にも陰りが見え、下げ圧力は 商品価格に下げ圧力、景況感の好転見えず
それでも長期マネーは中国に向かう 編集委員 小平龍四郎 米中衝突 貿易摩擦 小平 龍四郎 コラム(経済・金融) 8月22日 短期的には世界経済を揺さぶる中国を、長い目で見て有望と考える金融機関や投資家がいぜんとして多い。北京が広東省深圳を香港にかわる金融センターに育てる方針を示したのは、香港への単なるけん制ではあるまい。長期投資を引きつけられるという感触があるのだろう。長期マネーの潮流は米中の貿易交渉にも影響しそうだ。 8月20日、抗議行動がとりあえずおさまった香港国際空港に降りた。まだ空港への入場が制限されているの それでも長期マネーは中国に向かう
ホルムズの航行安全、恩恵受けるのは誰? 環境エネ・素材 中東・アフリカ 8月16日 米国とイランの対立に端を発するペルシャ湾の緊張は、中東に原油を頼るアジアの弱点を浮き彫りにした。アジアの国々はホルムズ海峡の航行安全をめぐる議論から目をそらすことができない。「自分の船は自分で守る」流れが、結果として中国の影響力拡大を招くことになりかねないからだ。 米国がイラン原油の輸入禁止措置を発動した2019年5月以降、アジアの消費国はどこに代替の調達先を求めたのか。追いかけると、興味深い数 ホルムズの航行安全、恩恵受けるのは誰?
「緊張の夏」、市場によみがえる1998年の記憶 トランプ政権 藤井 彰夫 経済 北米 8月15日 夏休みシーズンまっただ中ではあるが、世界の金融市場はいつになく緊張に包まれている。米景気が堅調ななかで利下げに動き出した米国、アルゼンチンなど新興国市場で始まった動揺、世界第2位の経済大国の揺らぎ――。ふと思い出したのが、21年前の出来事だ。 「世界経済に重圧がかかるなかで、米国だけが繁栄のオアシスであり続けられる保証はない」。1998年9月4日、当時のグリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議 「緊張の夏」、市場によみがえる1998年の記憶
前兆なき浅間山噴火、富士山に警鐘 久保田 啓介 コラム(テクノロジー) 科学&新技術 8月14日 浅間山(長野・群馬県)の噴火から1週間。今回は小規模でいまのところ大きな被害は出ていないが、これまでと違って前兆が観測されず、火山防災に難題を突きつけた。63人の死者・不明者を出した御嶽山(長野・岐阜県)噴火を教訓に全国の活火山で対策が強化されたが、突発噴火への備えは薄い。とくに年20万人が登る富士山では多くの登山者を安全に避難誘導できるのか、防災専門家らが懸念を強めている。 【関連記事】火山灰に 前兆なき浅間山噴火、富士山に警鐘
輸出管理問題の本質 韓国「迂回」に認識甘く 日韓対立 高坂 哲郎 コラム(国際) 朝鮮半島 8月9日 日本政府による韓国向け輸出規制強化に対し、韓国側の反発が続いている。ただ、輸出管理の実務を担う日本の関係者の間では「日本から韓国への輸出量が大きく変動するような事態は常識的に考えて起こりえない」として、事実に基づかない過剰反応は無用だとの声が上がる。韓国が今、目を向けた方がよいのは「輸出品の最終的な目的地を明示する」という輸出管理の基本中の基本が同国内で徹底されておらず、今後も徹底される保証がな 輸出管理問題の本質 韓国「迂回」に認識甘く