ヨーカ堂は「弱い借り主」か 退去訴訟が問う賃貸借力学 小売り・外食 法務・ガバナンス 5月31日 セブン&アイ・ホールディングス傘下の総合スーパー、イトーヨーカ堂の東京都内の店舗を巡る立ち退き問題が注目を集めている。建物と敷地を所有する不動産会社が明け渡しを求めた訴訟で東京地裁が3月、ヨーカ堂側に店舗の明け渡しを命じる判決を下した。不動産の賃貸借について定める借地借家法は、立場が弱い借り主を守る趣旨で制定された。経済状況が変化する中、規模の大きい「店子(たなこ)」はどこまで保護されるか――。 ヨーカ堂は「弱い借り主」か 退去訴訟が問う賃貸借力学
公務員、給料60歳以降も7割保障 民間企業は追えるか 法務・ガバナンス 5月2日 国家公務員法と地方公務員法の改正法が4月に施行され、公務員の定年は段階的に65歳まで引き上げられることになった。60歳以降も正職員の身分が保障されるのに加え、同時に給与も「60歳直前の7割」と定められた。60歳以降は再任用職員として働いていた従来より、条件が良くなるとみられる。一方、民間企業での定年後の再雇用時の給与はそこまで高水準ではないとする調査もある。今回の法改正が民間の待遇改善の呼び水に 公務員、給料60歳以降も7割保障 民間企業は追えるか
ChatGPT、情報漏洩を防ぐには? データ専門家に聞く ChatGPT サイバー防衛 知的財産権 法務・ガバナンス AI 4月5日 「ChatGPT(チャットGPT)」などの対話型の人工知能(AI)が急速に普及している。使いこなせば業務効率を改善できるが、使い方によっては外部漏洩のリスクも指摘される。対話型AIを安全にどう活用すべきか、米通信大手ベライゾンのマネージング・ディレクターでデータ漏洩に詳しいクリス・ノバック氏に聞いた。(聞き手はサイバーセキュリティーエディター 岩沢明信) クリス・ノバック 米レンセラー工科大でコ ChatGPT、情報漏洩を防ぐには? データ専門家に聞く
ChatGPT「欧州で規制広がる恐れ」 データ法制専門家 ChatGPT Think! 法務・ガバナンス 4月3日 米オープンAIの対話型人工知能(AI)「ChatGPT(チャットGPT)」に対し、欧州での締め付けが厳しくなる恐れが出ている。イタリア当局は、そのデータ収集手法を問題視して調査に乗り出し、同国でのサービス停止に発展した。欧州連合(EU)全体の個人データ保護ルールが今回の調査の根拠となっているため、今後、EUの各国当局が同様に動く可能性がある。 世界のデータ保護法制に詳しい杉本武重弁護士に、現在欧 ChatGPT「欧州で規制広がる恐れ」 データ法制専門家
供給網の人権チェック義務広がる 日本企業、どう対応? Think! 法務・ガバナンス 3月25日 企業に対し、サプライチェーン(供給網)の人権侵害のリスクを調べる「デューデリジェンス(DD)」を義務付ける動きが欧州で広がっている。ドイツでは2023年1月、国内に一定の規模の拠点を構える企業に人権DDを義務付ける法律が施行した。今後は欧州全域に人権DDの義務化が広がる公算が大きい。ルールの特徴や日本企業への影響について、国内の人権DD指針の策定にも参加した福原あゆみ弁護士に聞いた。(聞き手は児 供給網の人権チェック義務広がる 日本企業、どう対応?
企業のハラスメント窓口、顧問弁護士が兼務はNGか? コラム 法務・ガバナンス 教育 3月19日 企業などのハラスメント窓口で相談に応じた弁護士が、その後訴訟に発展した場合、会社側の代理人になれるかで議論が起きている。窓口担当と代理人を兼ねた複数の弁護士が弁護士会から戒告処分を受けたためだ。顧問弁護士に窓口を任せている企業も多く、相談体制の見直しにつながる可能性もある。 「信義誠実違反」などで戒告 第二東京弁護士会の懲戒委員会は2022年9月、企業のハラスメント裁判を担当した弁護士2人と、学 企業のハラスメント窓口、顧問弁護士が兼務はNGか?
ウーバーはなぜ「使用者」か 都労委命令が残した課題 コラム ネット・IT 小売り・外食 法務・ガバナンス 12月24日 ウーバーイーツの配達員組合の申し立てを受け、11月末に東京都労働委員会が出した救済命令は、単発で仕事を受ける「ギグワーカー」を初めて労働組合法上の労働者と認定したことで注目された。実は、この件では「ウーバーは使用者か」というもう一つの注目論点があった。この点については都労委は今回、複数のウーバーの関係会社を一体として使用者とする新たな考え方を示したが、専門家から「説明が不十分」との指摘も上がって ウーバーはなぜ「使用者」か 都労委命令が残した課題
音楽教室訴訟 最高裁、技術萎縮の「カラオケ法理」脱却 瀬川 奈都子 法務・ガバナンス 編集委員 10月24日 最高裁は24日、音楽教室での楽曲演奏が、日本音楽著作権協会(JASRAC)による著作権使用料の徴収対象になるかが争われた裁判でJASRAC側の上告を棄却した。生徒の演奏は徴収の対象外とする二審・知財高裁判決が確定した。著作物の使用主体が誰かという認定を巡り最高裁は今回、1980年代に示された「カラオケ法理」と呼ばれる考え方を適用しなかった。一部から「わかりにくく、技術革新を萎縮させる」と批判もあ 音楽教室訴訟 最高裁、技術萎縮の「カラオケ法理」脱却
フリーランス保護策は十分か 法政大学・沼田教授に聞く コラム ネット・IT サービス・食品 法務・ガバナンス 9月7日 企業などに属さないフリーランスとしての働き方が普及し、報酬や事故時の責任を巡るトラブルも増えている。政府は「フリーランスが安心して働ける環境を整備する」との方針を掲げ、下請法の対象を広げて不利な取引を強いられないようにするなどの取り組みを進めようとしている。ただ欧州のように、労働法の手厚い保護を与えるまでの動きはない。実情に詳しい沼田雅之法政大学教授に、フリーランスに合った労働法制の保護のあり方 フリーランス保護策は十分か 法政大学・沼田教授に聞く
AIで契約書チェックに「違法の可能性」 揺れる法曹界 渋谷 高弘 国際法・ルールと日本 Think! 法務・ガバナンス 編集委員 6月10日 人工知能(AI)を使って契約書の内容をチェックするサービスを巡り、サービスを提供する企業などに衝撃が走っている。政府のグレーゾーン解消制度で適法性が照会され、6月6日に「違法と評価される可能性がある」との回答が出たためだ。同サービスについては以前から弁護士法への抵触を指摘する声があった。今回の照会・回答で既存サービスの提供が止まる可能性は低いとみられるが、デジタル技術で法務をサポートする「リーガ AIで契約書チェックに「違法の可能性」 揺れる法曹界