「ディール」なきイラン 中東にトランプ氏の負の遺産 中東・アフリカ 12月7日 イラン首都テヘランの近郊で11月27日、核科学者のモフセン・ファクリザデ氏が暗殺された。イランは対立するイスラエルの関与を指摘し、緊張が高まった。イラン核合意から離脱したトランプ米大統領は、それに代わる「ディール」を結べずに中東に大きな火種を残したまま、政権を去ることになりそうだ。 イラン最高安全保障委員会のシャムハニ事務局長は11月30日、ファクリザデ氏の葬儀で「暗殺に遠隔操作のマシンガンが用 「ディール」なきイラン 中東にトランプ氏の負の遺産
イランで核活動拡大の法成立 核合意復活の交渉、困難に 中東・アフリカ 12月3日 イラン国営メディアによると同国で2日、ウラン濃縮活動の拡大や国際機関による核査察の制限を政府に求める法が成立した。11月に著名な核科学者が暗殺されたことへの対抗措置で、穏健派のロウハニ大統領はこれに反対の立場だ。米大統領選での勝利を確実にしたバイデン前副大統領はイラン核合意の立て直しをめざすが、交渉は厳しいものとなりそうだ。 反米の保守強硬派が多数を占める国会が1日に法案を可決し、2日に護憲評議 イランで核活動拡大の法成立 核合意復活の交渉、困難に
イラン核科学者暗殺 報復を示唆、中東に緊張 中東・アフリカ 北米 11月28日 イランの著名な核科学者モフセン・ファクリザデ氏が殺害された事件について、イランのロウハニ大統領は28日、イスラエルが事件に関与したと非難した。親イスラエルでイランを敵視してきたトランプ米政権末期に、中東情勢が再び緊張を増す懸念がある。 「邪悪な手を、この国の子どもたちの血でふたたび染めた」。ロウハニ師は28日の演説でイスラエルを名指しで批判した。殺害によってイランの科学技術の歩みを止めることはで イラン核科学者暗殺 報復を示唆、中東に緊張
イラン、圧力緩和に期待 最高指導者は反米強調 トランプ政権 中東・アフリカ 11月8日 【イスタンブール=岐部秀光】イランのハメネイ最高指導者は7日、米大統領選の動向について「米国のリベラル民主主義の醜い側面」を示していると述べ、反米姿勢を改めて強調した。一方で米トランプ政権による「最大限の圧力」で政治的孤立と経済の苦境に追い込まれたイランは、民主党のバイデン政権の誕生による事態の好転に期待をにじませている。 ハメネイ師は「米国の状況や選挙について彼らが語っていることには驚かされる イラン、圧力緩和に期待 最高指導者は反米強調
イラン経済、深まる苦境 米決戦に市民は固唾 中東・アフリカ 11月2日 【テヘラン=岐部秀光】長びく米国の制裁と新型コロナウイルス危機で、イラン経済の苦境が深まっている。物価高が止まらず雇用状況は一段と深刻になった。保守強硬派が主導する政治や外交と、現状に不満を持つ若者たちのあいだの溝が広がりそうだ。 「家にいれば飢え死にする。外で働けばコロナウイルスに殺される」。首都テヘランの建設現場で働くアハマドさん(45)は、自身が陥った苦難をこう語る。 もしも政府の財政に余 イラン経済、深まる苦境 米決戦に市民は固唾
イスラエル、アラブ協力拡大 イラン包囲網づくり急ぐ 中東・アフリカ 10月19日 【ドバイ=岐部秀光】9月に国交正常化で合意したイスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンが経済や政治協力を広げている。バーレーンとイスラエルは18日、外交関係の正式樹立で合意した。11月3日に迫った米大統領選を視野に、ともに対立するイラン包囲網づくりを急いでいる。 バーレーンのメディアなどによると、イスラエル代表団は18日、米国のムニューシン財務長官をともなってバーレーン首都マナマを訪問 イスラエル、アラブ協力拡大 イラン包囲網づくり急ぐ
イラン、武器売買の再開を宣言 国連禁輸措置が期限 中東・アフリカ 10月18日 【ドバイ=岐部秀光】イラン政府は18日、同国が武器を売ったり買ったりすることを禁じた国連安全保障理事会の制裁措置が同日に期限を迎え、自由な取引が可能になったと発表した。対立する米国はイランがロシアなどからミサイルや戦闘機を調達し、軍事力を高めることを警戒している。 イランのザリフ外相はツイッターで「米国の悪意に対抗し、安保理決議と核合意を守った、国際社会にとって記念すべき日だ」と述べた。イラン外 イラン、武器売買の再開を宣言 国連禁輸措置が期限
中東の外交地図、再び一変も 米大統領選の結果が左右 トランプ政権 ルポ迫真 中東・アフリカ 北米 10月17日更新 ペルシャ湾岸の小国クウェート。9月末~10月初めに中東外交のキーマンが相次いで訪問した。米国防長官マーク・エスパー、トルコ大統領のレジェップ・タイップ・エルドアン、カタールのタミム・ビン・ハマド・サーニ首長、イラン外相のモハンマドジャバド・ザリフ――。 亡くなったクウェートの前首長への弔問が目的だが、ナワフ新首長と相次いで会談。多くのキーマンが集まったことは、米大統領選後に来る次の嵐の大きさを予 中東の外交地図、再び一変も 米大統領選の結果が左右
イラン武器禁輸が解除へ 核合意の時限消滅始まる 中東・アフリカ 10月15日 【ドバイ=岐部秀光、ワシントン=中村亮】イランと武器を売り買いすることを禁じた国連の措置が18日、期限を迎える。2015年に米英独仏中ロがむすんだイラン核合意に盛り込まれた「サンセット条項」(段階的な義務の消滅)が初めて発動し、イランの制限は徐々に解除される。 イラン紙によると、ロシアのジャガリャン駐イラン大使は今月、国連措置失効後のイランへの武器輸出に意欲を示した。中国もイランとの間で経済と安 イラン武器禁輸が解除へ 核合意の時限消滅始まる
イラン、トルコがパレスチナ擁護鮮明 米アラブをけん制 中東・アフリカ 9月23日 【ドバイ=岐部秀光】米国を仲介役とするアラブ首長国連邦(UAE)とバーレーンによる対イスラエル国交正常化をめぐり、非アラブの国であるイランとトルコが、置き去りにされた形のパレスチナ擁護の立場を鮮明にしている。アジアやアフリカのイスラム教徒の支持を集めることで、両国が対立する米国や湾岸アラブ諸国をけん制するねらいだ。 トルコのエルドアン大統領は22日、国連総会でテレビ演説し「パレスチナの問題は、東 イラン、トルコがパレスチナ擁護鮮明 米アラブをけん制